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1歳児の息子が「人種区別主義者」だと判明したので差別について考えてみた

息子の名前は、愛が大きいと書いて「愛大(あお)」といいます。母には「テン(、)を付けたら『愛犬』になるよ!」と当初は反対されていましたが、本当に彼にぴったりな良い名前だと思っています。

早いもので、そんな息子も1歳10ヶ月。成長が本当に早い。そして、本当にかわいい。まさかこんなにも愛らしいイキモノがこの世に存在するとは思いませんでした。

さて、そんなかわいい愛すべき息子が「人種"区別"主義者」だということが判明しました。でも、彼のお陰で、人種差別について考える良い機会になったので、皆さんと共有させてください。

2021年1月某日:保育園で発覚

ある日、保育園に息子を迎えにいった時に担任の先生が少し大きめの図鑑のような本を持って近づいてきました。開いていたのは、室内プールにある物を紹介しているようなページ。先生がページのある部分を指差してこう言いました。

先生:「あおくんが、このページ見るといつもママ、ママって言うんですよ」

指先にうつっていたのは、プールに入っているおそらく高校生くらい?の女性。妻には全く似ていません。

ただ、それほど大きくうつっていたわけではないので「遠目から見ると、まあ、似てるのかな」くらいに思って、特に気にせずにいました。

2月のある日:帰り道の商店街で確信

いつも通る近所の商店街で、周りの人もびっくりするくらい大きな声で、突如息子が叫びました。

「あっ、ママだーッ!!」

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*上の写真はこの記事用に最近撮りましたが、現場はこちらです

言わずもがなですが、これは妻ではありません。では、息子は何を思って、このスーパーモデルっぽい女性をママかと思ったのか。

本人がおそらく嫌がるので写真は載せませんが、妻はブルガリア出身です。そして、図鑑のプールの女子高生も、近所のマダムに人気な2000円カットのスーパーモデルも「白人」。

「人種で判断してるじゃん!」

ある意味、周りにいる多くの人(日本人)とは違う特徴を捉えているということ。なので、成長を喜ぶべきことなのかもしれません。ただ、「人種で一括りにしちゃうのってどうなのよ」と、大人の感覚(?)で思ってしまい、次の日、保育園の連絡帳にはこんなことを書いていました。(字が汚いのが恥ずかしい)

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 町中で美容室の看板等で外国人(白人)の女性を見て「ママ!」と言っているのが複雑な気持ちです。顔の細かな識別というよりはまだ大まかな特徴を捉えているようです。本日もよろしくお願いします! — 父

保育園の連絡帳を見た妻がインスタにあげて、下のようにコメントをしてました。(妻のアリーは15歳で来日して今年で在住歴20年なので日本語はほぼネイティブ)

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この話を聞いた私は特に深く考えなかったけど、私より思うことがある夫に少し驚いた。息子はまだ一歳半だけど、既にママの顔が「他の人と違う」と自分なりに認識しているんだなぁと。そして、それが一種の「差別」にならないように心配してる夫。

あおが大きくなったら、「ママはなんで違う顔?」と聞かなくてもいい時代になってるといいなぁ。いいなぁというか、そうなるように私もいろんな努力をします。🙋‍♀️

外国人の要素が入ると一気に「外見の違い」でなく、「人間の種類」が違うと認識されがちな日本社会。多様性社会やダイバーシティという言葉が死語になる時まであとどのくらいかかるのでしょうか。

「人種区別」が「人種差別」になるまで

息子が1歳になりたての頃、私の母に会うと最初の30分間は警戒して(?)恥ずかしがっていましたが、妻の母に対しては最初から大丈夫でした。もしかしたら、「珍しいママと同じ顔の仲間」と認識して安心していたのかもしれません。

顔のパーツや特徴ではなく、「人種の違い」を明確に1歳児が判別できるとすると、「人種区別」は集団生活をする人間の本能的なスキルなのかもと思いました。区別にネガティブな感情はなく、自分とは違うと認識しているだけ、とか。

それが「人種差別」にまで発展するのは、大人が植え付ける誤った「知識」やメディアや広告が発信する「偏見」、そしてそんな情報に触れた「経験」なのかもしれません。

1歳の息子が私に教えてくれたこと

今回、息子がした言動に対して過剰に反応した私こそが問題なのかもしれません。人は人種で判断されるべきではない。その考えが先行してしまって、違いを認めることをあたかもネガティブに捉えてしまったような気がします。

1歳の息子が「違うものを当たり前のこととして認めること」こそがより自然で、それこそが多様性社会のあるべき姿なんだろう、そう思いました。

アメリカにいたときに学んだことで、“I’m not racist. I’m colorblind.”「自分はカラーブラインド(色盲)だから、レイシストではない」という人種差別を助長しているメンタリティだとして有名なフレーズ?があります。

息子は「それっておかしいよ!」と社会に染まっていない人間代表として、私に教えてくれたのかもしれません。

息子よ、ありがとう!


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