含まれる時間:テーマ・時間 (写真集3) / 制作日誌5

写真集をそれから2冊編んだ。全部で3冊。

最初の写真集を編みながら、写真集にはテーマが必要なのだと感じた。2冊目からは最終的な構成を頭で考えながら写真を選べるようになった。余計な要素は除いて、見せたいものを見せることに集中できるような構成にした。

編集の妙だ。

それに従い、写真の不足も見えてくる。枚数や構図など。この作業に伴って撮影する写真も変わるだろう。編みながら撮る。撮りながら編む。この作業の中でブラッシュアップが行われるのか。

3冊の写真集の中で、最もうまくいっていたのは、見せたいものをしっかり把握していた一冊だった。空を背景に撮影した複数の連続写真がよくできていて、それを見せるため、あとは自分のイメージに近づけるように写真を加工した。

短いページ数に複数のテーマでは不足する。一枚の写真に辿り着くまでの時間が必要だ。ゆったりとした時間。これはディスプレイには許されない時間感覚だろう。次の瞬間には別の画像に切り替わっているかもしれない。明日にはもう見れないかもしれない。そんな画像を私たちは毎日膨大に見ている。

書は時間だ。ある感覚をもたらすために、必要な時間が含まれている。







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