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「ヘルニアだから腰が痛い」は成立しない?【ヘルニア・狭窄症・すべり症】

たとえば「ヘルニア」などの診断がつくと「ヘルニアが腰痛の原因だ」と考える方は少なくないと思います。

「脊柱管狭窄症だから」腰が痛い
「ヘルニアが無くなれば」脚の痺れも消える

TikTokで頂いた質問(当記事最後に解答動画あり)

ですが実際には、腰の手術をしたとしても、ヘルニアを無くしても、症状が残るケースはあります。術後に痛みが残る時点で、脊椎疾患=痛みではない可能性の考慮が必要です。

当院において「手術を勧められていた方」や「手術を受けてその後も残る痛みやしびれに悩まされていた方」に対して手技と運動を中心としたアプローチを実施し、元の生活が可能なレベルまで改善した事例を多数経験しています。

なぜ手術しても症状が残るのか?手術を勧められていた症状が手術せずに改善するのか?

人がより信じたがるのは、つまらない事実よりウソの物語です。

「ヘルニアが腰痛の原因だ」というストーリーはわかりやすいし、痛みの原因を決定づけて安心したい気持ちもわかるのですが、過去には「腰痛のない・・人の76%にヘルニアが見つかった」という研究もあります。

「無症候性の個人の年齢、性別、および危険因子に一致するグループでは、椎間板ヘルニアは以前に比類のないグループで報告されたよりも有病率が大幅に高かった(76%)」
-1995年ボルボ臨床科学賞。症状のある椎間板ヘルニアを特定する際の磁気共鳴画像法、作業知覚、および心理社会的要因の診断精度(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8747239/)より引用

個人的にはそもそも【脊椎疾患➡︎痛み】という因果関係は成立しないと感じます。施術前後で“痛みの訴え”が変わることは短期的な意味でも長期的な意味でもありますが、だからといってヘルニアが消えるか?肥厚した黄色靭帯が薄くなるか?分離した腰椎がくっつくか?(脊椎の器質的な変化が治るか)というと、手技と運動を行っているだけでそれは考えられないからです。少なくとも一般的に認識されているような「ヘルニアだから痛い」のほとんどは端的に違う(別の原因がある)と経験上、思います。

脊椎疾患と痛みの関係性は、ヘルニアや脊柱管狭窄など脊椎の器質的・構造的変化そのものが痛みの原因ではなく、「ヘルニアや脊柱管狭窄症になる姿勢や動作の癖・・・・・・・・・・」が痛みの原因になっている

つまり

腰椎を常に伸展位でロックして使うような姿勢や動作を日常的に繰り返していたり腹圧を高められない呼吸(胸式呼吸)が癖になり腰椎(椎間板)へ常に圧力がかかるようになっていたり

“カラダの使い方”が腰部に負担をかけ(ヘルニアなど脊椎疾患に繋がり)痛みを引き起こす重要な因子となっている

こう表現するのがより妥当ではないかと考えます。“脊椎疾患”の上に“痛み”があるのではなく、脊椎疾患と痛みは同列の異なる現象であり、どちらもカラダの使い方に起因する結果であり、クリアすべき根っこの問題は「カラダの使い方」であるということです。

確かに、手術が必要なケースもあります。たとえば中枢神経にダメージを受けることで起こる症状(排尿障害など)を呈した例は、手術適応と判断される場合が多いです。

脊髄損傷がある場合「排尿障害」はほぼ(仙髄レベルの内の12%を除き)みられる-脊髄損傷における排尿障害の診療ガイドライン

いずれにせよこの“鑑別”は重要です。

それに手術適応例だとしても、手術をして痛みやしびれが改善するとは限りません。繰り返しますが、脊椎疾患そのものと痛みは必ずしも結びつくことではないからです。

また術後に症状が再発する例の中には必要のない手術(手術適応と思われない症状に対しての手術)が施されている例もあると思われます。

整形外科で椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断され、薬物治療や手術をしても一向に改善しないケースが多々ある。石川県小松市で整形外科医院を開業する慢性腰痛の名医・加茂淳院長のもとには、全国から「何をやっても治らない腰痛患者」が殺到しているが、そこに至るまでの誤診率は、ほぼ100%。その多くは筋筋膜性疼痛症候群 つまり極度の「筋痛症」だという。-木原洋美「手術をしても改善しない腰痛患者があふれている理由」(ダイヤモンド・オンライン

診断がつくことで他の因子に目を向ける機会が損なわれ、改善から遠ざかる場合もあるでしょう。被術者は術者に全てを委ねては危険ですし、情報収集含め主体的な取り組みを行えることが痛みの改善には欠かせません。


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