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27歳の清掃員~退職してからちょっと前まで~

皆さんは清掃員と聞くとどういうイメージを思い浮かべるでしょうか。
恐らくは「尊敬」「3k」の二パターンに分かれていると思います。

ましてや若い人が入る業界じゃないと、いう人は言います。

今回は自己紹介を兼ねて、清掃業者に転職した私のお話をしようと思います。



退職するに至る病

前職は介護をしていました。
大学在学中にアルバイトをしていた介護施設にそのまま就職しました。

そのことを伝えると、大学の友達は決まって「どうしてそこに入るの?!」と言いました。
確かに、私は資格こそ取得していたもののほかの業種からいくつか内定があり、介護施設しか行く場所がないというわけではありません。
給料的なことを考えると介護施設に大卒として入るのは、周りから見たら不思議だったのかも。

ただ、私としては自分が輝ける場所を選んだつもりでした。
そこの施設庁と私は非常に仲が良く、退職した今でもお友達付き合いをさせていただいている程。
そんな、仲のいい人が施設に居て他の職員ともうまくやれてるとなると他所に行く理由の方が見つからない。
更に、職員の人たちはみんなやる気に満ち溢れていて元気だったのです。

「ここなら私も頑張れる!」
そう思って就職を決めたのでした。

しかし、そううまく行かないのが人生。
私が就職してから一年ほどで、新しく就職してきたおばちゃん職員同士の陰口合戦がスタート。
それと同時に全世界をコロナショックが包み、社会人二年目にして外に遊びに行けなくなってしまいました。

それでも仕事は楽しかったので、余計なお金を使わないで一生懸命働いていました。
そして、コロナが落ち着き始めた去年。
なんと私と仲良しだった施設長が異動になるという前代未聞の事件!

施設長が異動なんて!ありえない!
そうは言っても、すでに決まったこと。
どうすることもできません。

ただ、施設長は皆の中心的な人物で、この人が居たからこそやれていたという部分が大いにありました。
この人がいなくなったら、仲良しだったみんなに変化があるのではないか?

私の不安は的中し、施設長異動から数か月で施設の雰囲気は最悪。
ついには、職務中に緊張で吐く人が現れてしまいました。

そんな中、私の体にも異変が起きました。
まさかの、のどが絞まって水が飲めなくなるというもの。
なぜか職場だけで!

こういう時、動物の勘が働くって言うんですかね。
あれだけ自分の死に場所だと言っていた職場に見切りを付けました。

次の月には、体調不良により退職。
こうして私の、低くとも安定した正社員人生は座礁に乗り上げたのです。


フラフラお金持ちニート

退職してからというものの、すぐに就職する気はなかった。
というより、就職してからというものほとんど遊びに行けなかったので一年ぐらいニートする計画を立てていました。
それだけの貯金と遊ぶ予定があったのです。

それからたくさん遊んだり、大学時代の友人と遊んだりしていました。
でも、私のニート企画は二週間で頓挫。

まさかの、三週間以降何一つ楽しくないという事態に陥ったのです!
なにせ、話す内容がこれまでの過去の事しかないので、話題が消耗品!
どの友達に会っても同じ内容のことを話している事実に打ちのめされ、引きこもるようになりました。

引きこもりは恐ろしい。
たった数日部屋から出ないだけで、メンタル状態は最悪。
極度の運動不足により、体中の慢性痛も出ていました。

なにより、外に出て人と会話するのが怖くなっていたのです。
たった一言会話するだけで、冷や汗が出るほど重傷。
どうにかしなきゃいけないと思うも、職安にすら怖くて行けない状態。

こうして私のお気楽ニート計画は頓挫したのです。

清掃員しかありえない!

引きこもりになって3か月。
長年住んだマンションから退去し、実家に戻ることに。

一抹の寂しさを覚えながらも、事態は何も好転していない事実に怯えていました。
だって、不安になる場所が部屋から家に変わっただけですもの。

しかし、対人恐怖症は収まらずお正月も一人で過ごしていました。
そして、その夕方に私の故郷を地震が襲いました。

幼き日の影響で地震にトラウマがあった私は、対人恐怖症をこじらせながらも家から避難しました。


するとそこには、若者がまったくおらずお年寄りと壮年の方々ばかり。
私が子供の頃から知っている方々は青色吐息になりながら避難完了。
一安心していた矢先、非難していた人たちの「家どうしよう」の大合唱。

彼らは家を維持できる程度の財力は持っていましたが、家を片付けるほどの体力は残されていませんでした。
そこで私は「清掃業者にでも頼めばいいじゃないか」と言いました。
出来ないなら、人に頼む。
当たり前のことですね。

しかしそれを聞いた人たちの反応は微妙。
その反応に違和感を覚えつつ、私も家もモノが散乱していたので清掃業者に頼むことに。
すると予約に数か月待ちの状態!

近所の事情通にそのことを話すと「いま清掃業者はどこも人手不足で大変なんだよ」とのこと。

その言葉を聞いた瞬間、私の体に電気が走ったのです。
私は貯金を使い果たすまでのんびりしようとしているのに、この人たちが困っていては後味が悪いじゃないか!

今思うと大変自己中心的な思いですが、この天から降ってきた思いが私の人生を変えたのでした。


人々の反応~次回予告!!!

余震の恐怖におびえながらも無事帰宅。
と同時に求人票を一晩かけて検索!

すると、未経験OK&ブランクOKといううれしい清掃業者の求人がたくさんあるではないですか!

小躍りしながら、一晩かけて地元の求人を厳選。
そして次の日の昼に連絡をして、その日の夜には面接の日程が決まりました。
採用担当者の口ぶりから面接というよりは、事実確認と諸々の作業と言った感じ。

それでも不安だったので知り合いの清掃業者に話を聞いたところ、二十代なら引く手しかないと嬉しい言葉!

言われた通り、面接はとんとん拍子に話が進み就職が決まりました。
およそ五か月引きこもっていた私が、たった二日で引きこもりを脱したのです!!
我ながら驚異的な行動力!


そして私は狂喜乱舞しながら友達や両親に報告したのでした。
しかし、事態は思わぬ方向に……。


次回「清掃業に対する天と地の反応」!!!

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