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失敗した時にどうするか〜息子2歳のチャレンジ〜

先日、マンションを購入して引っ越した。引っ越し直前の心境について、下記で記録している。

新居のマンションは新築で、自慢ではないが、占有部(自室)も共用部(エントランス等)も最新設備ばかりだ。「小学校からPCの授業があった」と言って大人たちに驚かれていたのも昔の話、今はプログラミングまで必修になると言うではないか。テクノロジーの進化とそれを取り巻く環境の変化も、移り変わりが激しいと実感する。

さて、マンションの鍵は非接触キーで、2つのタイプの鍵が配布された。一つ目は、ポケットに入れたままエントランスに近づくだけで「ウィーン」と勝手に開くタイプの鍵。もう一つは、鍵を手で持って認証部分に近づけると「ピッ」と何やら認証して「ウィーン」と開くタイプの鍵である。

https://www.kenhoku-lock.co.jp/hisesshoku

親がそれをやっていると、2歳の息子は興味津々である。おれがピッする、鍵を渡せと半泣きで主張する。何も泣くことはないだろう、と思いながら貸してやると、満面の笑みで鍵を見つめる。新しいおもちゃを手渡されたような顔してるが、それはおもちゃじゃないぞ。一つで1,2万円するらしいぞ。

ふふふ、おれはお父さんがやっているのを見てたぞ。こうするんでしょ。知ってるよ。鍵を近づけて……あれ?ピッてならない。なんでだ?不思議そうな顔をする息子。

実は大したことではなくて、近づけ方や微妙な向きで反応しないこともあるのだ。ちょっといいホテルで、部屋のキーやエレベーターがカードでできるやつがある。あれと同じだ。やり方によっては、一瞬、反応しないこともある。だが、息子にとっては不思議だったのだろう。

さて、ここから息子がどうしたか。早く帰ってシャワーを浴びて、さっさとビールを飲みたい私。いや待て、俺ならできるはずだから待ってろと、鍵を渡さない息子。折れたのは私。

下記の記事でも書いたが、わたしは息子のやりたいことは極力やらせてあげて、待つことにしたのだ。待て、おれ。言い聞かせる。

さて、息子はまず、鍵を回転させて、上下、左右ををひっくり返してみる。。。反応なし。首を傾げる息子。どうも鍵の非接触認証の反応が悪いようだ。

次は…「ピッ!」と言いながら鍵をかざしてみる。なるほど、確かに、認証が成功して鍵が開いた時には、「ピッ!」と音が鳴っていたではないか。あれが認証させるための合図だと思ったのか。うちの子は天才か、と言いたいところだが、残念ながらそうではない。この発想には驚いたが…鍵は反応なし。

最後に、鍵の裏表をひっくり返してかざしてみる。すると、「ピッ!」と音が鳴り、「かちゃっ」と鍵が開いたではないか。

「お!できたね!鍵、開いたね!」

と頭を撫でると、嬉しそうに「うん!」と頷く息子。まじまじと鍵を見つめ、少し考え込む。すると、鍵を指差し、「お!お!っちー!」と話している。

息子の言いたいことは、どうやら。
「この鍵、こっち向きだと反応するみたい。反対だとピッできない」
ということのようだ。

えっ、うちの子、天才?親バカで結構。だが、そう思った。

まず、こういう考え方は、「鍵がうまく認証されなかったのには、何か原因があるはずだ」というような発想でなければ生まれない。何度かやっていたらそのうち開くだろう、ではない。「うまくいくには、うまくいくやり方があるはずで、自分がやったのはそれに当たらなかったのだろう」というような考え方である。

もちろん、2歳の息子がそこまでしっかり考えているわけではないだろうが、少なくとも、似たような思考回路ではあるだろうと思う。

そして、うまくいったやり方は、「自分が成功したのだから、他の人もきっとうまくいくだろう」ということ。もちろん、自分がうまくいったからといって他人がうまくいくとは限らない。それはそう。だが、この考え方は、「同じやり方をすれば、同じ結果が得られるのでは」という、再現性の問題をわかっていないといけない。

そして、「これをお父さんに教えてあげたら、次からお父さんはうまく鍵を開けられるだろう」ということである。なんて優しいんだ、うちの息子は。我が息子ながら、惚れ惚れする。

もちろん、まだ2歳の息子である。こうした一連の考え方が、厳密な意味で正しくなくてもいい、というか、そんなに完璧に正しければ、それは本当に天才なのだろう。そうじゃなくても、この世界の問題には再現性があり、何度か試行錯誤することで問題解決できる場合がある、ということに気が付き始めたというだけで、お父さんは満足なのだ。

もっと大きくなったら、あるいは大きくならないうちから、この世界には再現性がない問題も山ほどあることに気づくだろう。でも、その問題を解決しようとするなら、やはりこうした問題解決能力やその姿勢は、どこでも活かせるはずだ。

すくすく育て。見守ってるぞ。

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