精神外傷ちゃん

わたしのなかのわたしを見てよ

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正しい壊死

わたし傷付き方すら知らないの、正しい壊死だけ望んでる。 ものすごい雨。雨音は体の存在領域ぜんぶを飲み込んで、私をnullにしてくれる。こんな日の朝の制服、重たい紺のスカートみたいな、地下鉄駅の出口みたいな、そんな匂いがずっと鼻腔に残ってて、始まってもないこの夏のこと、はやくもこの手で殺したい。なるたけ真面目に生きようとしてスイカになれないメロンを産んだ。ただの雨水を涙とか呼んで、知らないふたりの逢瀬を祝って、知らない大人が騒いでる。使われなかった私の液はまだ白いままの腿をつた

    • 桜桃

      きっと泣きながら呻いているのが性に合ってた。 喘ぎながら天井のしみを数える、噛み潰していくプラムの朱色、眩むのは潮。ママ似の顔で生まれればバカのままでも笑えてたと思う、でもまぁそんなこと無理だったから、私は今日も朱に交わって赤くなる。こんなんじゃ特別になんてなれないけれど、わかってるけど、まだこうやって揺れていたい。いつだってもらえなかった可愛いがほしいだけ、それだけ。無条件に大好きなんて無理だと思うよ、だから渡せるものをあげるだけ。なのにグチャグチャと音を立てて潰されていく

      • くらむからだに偽の雪

        身体中に穴が空いてるの。ポロポロファンデ崩れる毛穴も、要らない声を聴いちゃう耳も、泣くと赤らむブスな鼻も、股に空いたこのキショい穴も、ぽっかり抜けた真っ暗な顔も、唾液だらけにされた空洞も、そんなもんじゃない、もっともっとひどい穴がそこら中にあるの。 朝起きた瞬間からどんどん砂みたいなノイズが入ってくる、一歩一歩と進むたび、ぼわんぼわんと輪郭の揺らぐ、そんな気がする。だから止まるな、眠るな、学べ、稼げ。わたしはわたしがわたしであるように、必死に抱いて守って歩く。呑まれちゃいけ

        • 驟雨

          君が消えて三度目の春が来ました、春はいのちの匂いがするから嫌いって言って、つまらん翳りを捨てきれない君が、君を、いつまでも、覚えてます、覚えてます覚えて覚えて、だっていつまでも消えてくれなくて、君を抱いたときはいつも磯の香りがしました、つまりそれって死の予感で、どこまでいっても僕は春で、冬の冷たい海の底にはなれないのだからどんなにこの腕で幾重の光で囲ったってきっといつかは逃げ出されてしまうだろうってこともわかって、わかってそれでも君の眼に差す夜闇を少しでも塗り潰そうとしたので

        • 固定された記事

          わたしのなかのわたしをみてよ、こんなに荒れたキモい皮、憎い肉、震える喉も、全部要らないからとっぱらっちゃって見て、みてよ、論理も思想も棄てちゃって路傍の花に魅入るみたいに、魂だけにキスをして

          わたしのなかのわたしをみてよ、こんなに荒れたキモい皮、憎い肉、震える喉も、全部要らないからとっぱらっちゃって見て、みてよ、論理も思想も棄てちゃって路傍の花に魅入るみたいに、魂だけにキスをして

          ぼくの天使マー

          マーが死んだ。 それは12月のある朝の会の時間、学年中に平等に教師の口から告げられた。死因なんか誰も教えちゃくれなかった。もう半分以上学校にも来なかった、よく閉鎖病棟に入ってた彼女のそれは身体の持病ってことになってたし、クラスの大半はそれが悪化したんだと今も多分信じてる。かくして高校三年生の冬、若くして死んだマーは可哀想な同級生の女の子、特に明るくも暗くもなかったけどたしかいい子でした、そうやって綺麗に皆の記憶の奧底に沈んでいくことになった。 マーが最期に会ったのは # 裏

          ぼくの天使マー

          何年経っても死にたいままの夏、夏、なつ、通過して赤、十代最後の8月を、超える越えてく、少女にさよなら、生きてくために空けた穴、埋まらんままの32日に手を伸ばしたら、お前なんかいらねーなんて、いらねーとしても生きなきゃいけない夕暮れみたいに秋を抱いてく

          何年経っても死にたいままの夏、夏、なつ、通過して赤、十代最後の8月を、超える越えてく、少女にさよなら、生きてくために空けた穴、埋まらんままの32日に手を伸ばしたら、お前なんかいらねーなんて、いらねーとしても生きなきゃいけない夕暮れみたいに秋を抱いてく

          溺死.zip

          セフレみたいになっちゃった人の家の夢、緑のカーテン、臍の裏から揺れるシンパシー、ぼんやり照らす丑三つの街灯、Windowsマークの中に棲んでる四神、私信、数年前の合唱コンのDVDでコスモス歌う幼い君は、その前髪の奥、画面の中から私のことを見つめてる。妄言ですらすっかりただの御伽噺になってしまった黒いエレキを撫でて、ここで、桜上水にて溺死。狭い浴室で二人の裸体に降った千夜一夜の酸性雨、シャワーヘッドの突起で自慰して、バスタブ擦るスポンジのジャブで生まれた波の音、マツキヨ特売七百

          宛先不明

          もうどうしても幸福な空間じゃ息ができないようですどうして、なんて、今泣きながらこれを打っている間だけ、私の舌は修羅の色をしていられるから、どうか信じて、信じてほしいよ。 さいきん気温はすっかり夏になってて、n畳一間の部屋で重ねたセックスばかりを思い出してはdelete,delete と連打して、あの日風呂場で焦がした陰毛を一本一本引きちぎってる、日々、Bivi、愛でした、それは私に残されたたった一つの手段です、七色に染めるはずだった体毛は結局一本残らず持って生まれた色に戻って

          きみが幸せになっちゃいけない理由なんてもうどこにもないんだよごめんね呪いをかけた冬それすら季語で役満ちょっと羨ましかっただけなの私ほんとはどこも捻くれてなんかないよまっすぐなままで絡めあおうとしたから痛かっただけの脚会いたかった清純にキスをしていたかっただけだって、信じたかったな

          きみが幸せになっちゃいけない理由なんてもうどこにもないんだよごめんね呪いをかけた冬それすら季語で役満ちょっと羨ましかっただけなの私ほんとはどこも捻くれてなんかないよまっすぐなままで絡めあおうとしたから痛かっただけの脚会いたかった清純にキスをしていたかっただけだって、信じたかったな

          ねえもう春だよ。 春なんて、春なんて、って言いながら赤い季節に駆けてった君の瞳がグロく大きくひらく時期。空にはまるで図工で描いたお手本みたいなでかい雲、彫刻刀で背中に育てた小さな金魚は、君のジャージに透けたスポブラを隣のクラスの伊藤が撫でた、あの瞬間に逃げ出した。4年2組の教室覗けばぴかぴか光る窓際に、給食委員が忘れていったジャガイモだって芽吹いちゃうから、幸せの毒性にすら名前をつけてあげましょう、ソラニンそらいろ、こんな日だって春はやっぱり麗らかうららかラララララ、放課後居

          基地外電波のみた夢は

          それっぽい顔の整った女がセーラー服着てそれっぽい紫色の夕焼けの中それっぽい学校の屋上に立っている、そんな写真が「世界」や「少女」、「壊す」や「殺す」、それっぽい言葉と一緒にツイートされてる、42ふぁぼのそういうセカイで構成された、おまえのイデアを叩き割る。 終末の花嫁はそこからそうして身を投げました、なんて都合のよい悲恋で傷んで帳尻あわせて、この物語を終わりにしないで、しなないで。半身不随の人魚姫、小指を齧れば花開く、合弁花類のがくを剥いたらサディスティックでエゴイスティック

          基地外電波のみた夢は

          明滅の記憶

          このまま全部消しちゃえばいいと思った。 手に入るものなんか最初から何も望んでいなかったのに、私ら全員結局ただのヒトであって体も性も失えないのに、勝手に期待して勝手に失望して肥大化した自己愛をぶつけあって、そういうのすべてくだらないと思った。電脳世界に魂を預けたところで根底はなにも変わらない。つかれてしまった。主義も思想も持ってない、あんなに失いたいと喚いていたのに身体だけが残ってる、感情ですら手放しちゃったし、私はわたしを諦めた。 私の傀儡。嫌いな音楽聴いてる友達、Insta

          青文字が訊く「アカウント復活しますか?」に、はい、って押す瞬間がいちばん惨め、結局私はこっちの私を捨てられなかった馬鹿だなーって思いながら、それでもこの顔が花束になるその瞬間がすこしうれしくて、また生きちゃった、ごめんね、よろしくね http://twitter.com/seisingaisyou

          青文字が訊く「アカウント復活しますか?」に、はい、って押す瞬間がいちばん惨め、結局私はこっちの私を捨てられなかった馬鹿だなーって思いながら、それでもこの顔が花束になるその瞬間がすこしうれしくて、また生きちゃった、ごめんね、よろしくね http://twitter.com/seisingaisyou

          さよならスカート

          #tanka 「制服のスカートとかもう飽きたよね」脱げないくせに性の証明 スカートを二回巻くには自意識が足りすぎていた ゼラニウム食む 檸檬にはなれないふたりプリーツは殺せたからいいこのままでいい 捲られるためある襞だけ愛でていてそこに宇宙なんてないけど ふわりって腿鳴いて 一高前の坂道わたし透明少女 沙羅双樹はさらさら落ちない 汚してもよくなっちゃえば意味なかった 制服のスカートきついアジャスター締めて初めて私になれる 春に手を振れない君を知っていたさよなら

          さよならスカート

          シーラカンスの焼死体

          目が覚める。見上げれば開きっぱなしの網戸の外に、燃えるピンクの夕方の空、午後5時を告げる町内アナウンス。ピンポンパンポーン、無気質な女の声は何度も何度もリフレインして、気が狂いそう。まぁそう言って狂ったことは一度も無いから私はこんなつまらん日々を今まで繰り返している訳だけど、そう思ったらこんな音声なんかより私の人生のほうがよっぽどがらんどう。もしもこれが昨日の夢の続きであるのなら、それなら夢でくらいは満たされるかなって願って起き上がる。裸のままでベランダに出て干しっぱなしの一

          シーラカンスの焼死体