プロカウンセラーの共感の技術

書影

今、とある資格取得のための学習・スクーリング中で、そこの先生に勧められて読んだ。

ここ数年では、心理療法としては河合隼雄さんの本を4~5冊ほど読んで、それと相通ずるところもたくさんあった。

そもそも僕は経験則でぐいぐいやってしまうクセがあり、そんな自分を客観視する、標準化する、という目的もあり学習しているけれど、やはり毎週のスクーリングのワークの中で僕のクセみたいなものは露骨に出てきている。ありがたいことではあるのだけれど。

引き続き、少なくともまずは謙虚に学ぶこと。それを大切にしていきます。

下記、印象に残る2か所からの引用です。

*****

 カウンセリングでは、鏡が像を反射して返すように、相手が伝えてきたものを反射して返す応答の型を「反射」と呼んでいます。たとえば、「悲しいんです」に対して「悲しいんだね」というような感じです。非常にシンプルですが、実はこれがなかなか難しい技術なのです。何も付け加えず、単に反射して返すというのは、普通、人があまりしないことです。
~中略~
 こうした反応とは異なり、「もう限界だよ」と言っている人に対して「もう限界だっていう気がするんだね」と、ただそのまま返す反応が「反射」です。これは、普通の人の会話ではあまり出てこない反応だと思います。しかし、カウンセラーや心理療法家はこのような反応をよくします。もちろん、ひっきりなしに反射しながら聴くわけではありません。単純に機械的に反射をするわけでもありません。けれども、カウンセラーが相談に来た人の話を聴くときには、普通の人が会話の中で相手の話を聴くときには絶対にありえないような高い頻度で反射を用いて聴いています。(P76~77)

たとえ拙くとも、そうやって共感的な人がするであろう反応を真似てみることから、これまでとは違う何かが始まります。進歩はしばしば模倣から始まるのです。形から入って、そこに魂が宿るのを待つのです。(P192)

【著書紹介文】
『聞く技術』に続く心のプロが教える対人関係スキル
相手の気持ちに寄り添った温かい人間関係を築くためには、相手への深い共感が欠かせない。人の話を聴くプロのカウンセラーは、どのようにして相手への共感を自分の中に生み出すのだろうか? 本書は、共感とは何かをわかりやすく説くだけではなく、愚痴の聴き方からネガティヴな感情との関わり方、対立する相手への共感、言葉を使わない共感の伝え方など、プロカウンセラーならではの技の数々を紹介する。ベストセラー『聞く技術』に続く、豊かな人間関係を築くための一冊。

(書影と著書紹介文は https://www.sogensha.co.jp より拝借いたしました)

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