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#スペイン巡礼2018回想記
スペイン巡礼2018回想記(1)ことのはじめ
私がサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼のことを知ったのは、たぶん学生時代のことだった。
もうだいぶ前のことなので記憶があやふやなのだが、たぶんスペイン史の授業の一環だったと思う。NHK(これもたぶん)の1時間番組を見て、何かとても琴線に触れるものがあった。
(その番組を見ていちばん見たいと思ったプエンテ・ラ・レイナの橋)
そのとき思ったのは、ひたすら長い道を歩きつづけるというのは、ど
スペイン巡礼2018回想記(2)出発〜マドリード
2018年5月7日、私はフィンランド航空でマドリードに入った。
今回行くサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のひとつ「フランス人の道」のスタート地点、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーは、ピレネー山脈のフランス側の村だ。
そこにたどりつくには複数のルートがあり、どちらかといえばフランス側から入るのが一般的だが(スペイン側から入ると巡礼路上の街パンプローナに先に来てしまうことになるので、たしか
スペイン巡礼2018回想記(3)マドリード〜パンプローナ
マドリードで1泊してから、巡礼の出発地サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(フランス)に向かう。
スペイン旅行ではおなじみ国鉄レンフェに乗って、まずは北部の街パンプローナへ。牛追い祭りがよくテレビにとりあげられる街だが、後日再び通る巡礼路上の要衝でもある。
(スペイン国鉄レンフェのパンプローナ駅)
このパンプローナで、ちょっとしたトラブルがあった。
乗るバスをまちがえて、自分の降りる停留所
スペイン巡礼2018回想記(4)パンプローナ〜サンジャン
パンプローナで迎えた翌朝。
私はバスターミナルから「フランス人の道」起点となるフランス側サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(以下、サンジャン)へと出発した。
ターミナルには、私と同じように大きなザックを担いだ人々が集まっていた。ターミナル内のバスの行き先はサンジャンだけではないので、いろいろではあるが、サンジャンと書かれた札のバスには明らかにそれっぽい人々が集まってきた。
バスの中では、さっ
スペイン巡礼2018回想記(5)サンジャン〜ジット・カヨラ
2018年5月10日。
いよいよ私のスペイン巡礼が始まる。
朝、5時台に目が開いた。
初日の行程は、宿泊するジット(巡礼宿)・カヨラまでのわずか7km程度。早起きする必要はないのだが、巡礼宿の就寝時間は早いため、早く目が覚めてしまったのである。
私より先の街をめざす巡礼者たちが出発していくのを横目に、朝食をもらいにダイニングに下りた。
朝食はパンとバターとジャムとコーヒー。巡礼中の
スペイン巡礼2018回想記(6)ジット・カヨラ〜ロンセスバージェス
2018年5月11日。
ジット(巡礼宿)・カヨラを出発して、いよいよ私もピレネー越えである。
健脚の方々は、初日にサン・ジャン・ピエ・ド・ポーを出発して、25km歩いてピレネー山脈を一気に越えていく。
しかし、私は当時登山経験ゼロで、歩く訓練もろくにしていなかった。モンベルにトレッキングシューズを買いにいったとき、巡礼経験のあるスタッフさんにたまたま遭遇し、「慣れないうちは5kmぐらいか
スペイン巡礼2018回想記(7)ロンセスバージェス〜トリニダード・デ・アレ
2018年5月12日。
朝起きると、心配したとおり大雨だった。
何度も書いているとおり、私は登山経験がなく、雨の中をザックを持って歩いた経験などなかった。前日のピレネー越えの疲れが残っていたのもあって、私は土砂降りの雨を窓越しに見やりながら、
「今日はもう……いいかな☆」
と、完全に日和りモードに入った。
朝食に下りていくと、例のおじさんたちが食べ終わったところだった。
雨が降
スペイン巡礼2018回想記(8)トリニダード・デ・アレ〜サリキエギ
2018年5月13日。
トリニダード・デ・アレの古いアルベルゲを出て、パンプローナにむけて歩きだす。
本来の予定では、この日スビリから約22km歩いてパンプローナに泊まるはずだったのだが、スビリで宿にあぶれタクシーでスキップするはめになった私は、ちょろっと歩いただけで、朝のさわやかな時間帯のうちにパンプローナに到着した。
トリニダード・デ・アレに続き、パンプローナの街の入り口には古い石
スペイン巡礼2018回想記(9)サリキエギ〜プエンテ・ラ・レイナ
2018年5月14日。
快適そのもののサリキエギのアルベルゲとの別れを惜しみつつ、約13km先のプエンテ・ラ・レイナめざして歩きだした。
(泊まったアルベルゲの外観。バルと同じ建物内に併設されたアルベルゲとは別に離れのアルベルゲがあり、私が泊まったのは離れのほう。オススメです)
前日に限界を迎えた足腰は、激しく寝たにもかかわらず、たったひと晩では万全とはいえない状態だった。
そこで、こ
スペイン巡礼2018回想記(10)プエンテ・ラ・レイナ〜エステージャ
2018年5月15日。
プエンテ・ラ・レイナを出て、エステージャまで行く約22kmの行程。一日20〜30km歩くのがスペイン巡礼では一般的なので、ようやく身体が一般レベルに対応してきた。
荷物運搬サービス利用の楽さかげんに味をしめた私は、この日も大きいザックはさっさと預けてしまって歩きはじめた。
出発後、いったんアルベルゲから街に下りて、長年憧れだった橋に別れを告げる。インスタにコメント
スペイン巡礼2018回想記(11)エステージャ休憩日
2018年5月16日。
本日、歩かずにエステージャで一日観光。
まずは朝食。さすがは我らがアゴラ・ホステル様。
アルベルゲ(ホステル)にしてはなかなかの内容だ。「パンとコーヒーとジャムとバター」が関の山のスペイン巡礼中の朝食において、シリアル、ハム、サラミ、チーズ、オレンジジュース、リンゴ、パン・コン・トマテ(スペイン料理でパンにトマトを塗りつけたもの)用トマトペーストにオリーブオイル
スペイン巡礼2018回想記(12)エステージャ〜ロス・アルコス
2018年5月17日。
本日はエステージャを出てロス・アルコスまで行く22kmの道のりだ。
すばらしく快適なアゴラ・ホステル様との別れはつらいが、先に進む。
歩きだしたところで、前日の観光中は見落としていた、ユダヤ人街の印を発見。
ヘブライ語がモチーフになっていて、トレドやセゴビアでもユダヤ人街のある通りでこの印を見かけた。詳細はざっくり検索してみつからなかった(英語で検索すればわか
スペイン巡礼2018回想記(13)ロス・アルコス〜ログローニョ
2018年5月18日。
この日はロス・アルコスからログローニョまで27.8kmの行程。つまり、トレッキング経験のない人間がスペイン巡礼を始め、足腰ヨロヨロになったり回復したりしたのちに、初めて30km近い行程に挑戦することにした。
(ロス・アルコスの街も、写真を見直すとなかなかよい雰囲気)
なにせ30kmもあるのだから、朝は早めに出ようとか思っていた気がするのだが、いつもどおり呑気にして
スペイン巡礼2018回想記(14)ログローニョ〜アレサンコ
2018年5月19日。
この日は、前日の約30km歩行で疲れ、バスで28.9km先のナヘラまでスキップすると決めていた。
本当はナヘラに宿泊したかったのだが、Booking.comではその日泊まれる宿がみつからなかったと記憶している。ナヘラから10kmほど先の、少し巡礼路から逸れた街アレサンコでなんとか宿を予約することができた。
アレサンコは、巡礼路の軽量なガイドブックとして知られるJo