「なるせ、梓川、ill.bell 及び 騎士Aをラップでディスってみたw」をラッパーが採点してみたwww #7
タイトル長すぎてワロタ、イギリスの正式名称かよ。
ともかく、採点というか反省会、やっていきましょうか。
(途中出てくる専門用語には出来る限り参考リンクを付けている。私が個人的に使っている用語に関してはこの記事を参照されたい。)
※純粋に押韻構造、韻の踏み方について知りたいという方は「ライムスキーム(押韻構造)」の章をどうぞ。
私のラップに腹が立ってアンサーを書きたいって方は「福韻書 (リリック解説)」の章を参照することをオススメします!あなたの制作の一助になれば良いですね。良いラップを期待していますよ。
数か月程前からでしょうか、YouTubeチャンネル「至極」に様々なコメントが届くようになりました。それらは綺麗に二分化していて、「なるせをラップでディスってみたw」をnqrse擁護の観点から批判するものか、ラップ自体への賛辞かのどちらかでした。(やっかみから来るガスライティングも少なくありませんでしたが。)
一応作品を聴いた上で反応してくれている貴重な視聴者なので、無視だけはしたくなかったのですが、それでも否定か賛辞か分からないコメントを確認するためにベルの通知をタップするのは精神的なストレスでした。食欲も減退したので、定期的にこういう動画をアップし続けていればダイエットになるかもしれませんね。ライフハック。
先週の始め――2024年11月17日(日)――月2回の通知チェックでもするかと至極チャンネルを開き、何の気なしに「なるせをラップでディスってみたw」の投稿日を見てみるとなんと、
明日で一周年ではありませんか。
まぁこんな愚痴吐いてるだけのラップのために周年企画やる意義なんてどこにもないのですが、丁度ライムメモも溜まっていたことですし、このタイミングで投稿日に気付いたのも、ビーフ好きな意地の悪い女神の思し召しかなと思いそれに従うことにしました。
とはいえ、前回の動画を投稿直後、次作に向けて具体的なディスを考えてはいました。ゆえに制作期間5日足らずでも投稿まで漕ぎ付けられたというわけですね。
ただその分ライムに時差があるため、前作に引き続き「レモネード / nqrse」や、それより前に投稿された歌ってみた「nqrse] ルーマー(Rumor) うたいました」についてのディスにならざるを得なかったのは心残りですね。もっと最近の彼について言及出来れば良かったのですが、それはまぁ、いつか機会があれば……。
しかしながら、彼の最近については言及出来なかったものの、梓川とill.bell (というか不埒なネットラップを上げていた騎士Aとかいう集団) について触れられたのは良かったですね。「Mont4ge」に至っては半年前に公開された動画ですから。
「Mont4ge」については、採点記事を書いた時点でディスラップの構想はしていたので、その時のメモをほぼそのまま流用しました。
不埒なコメントで宣戦布告してきた不埒な信者たちと、騎士Aの信者にアマレベルのラップをお出ししたill.bellへのライムは全て今週書き下ろしたものですが、それ以外はほぼほぼ出来ていたフレーズに手を加えただけです。ライム制作はあんまり苦戦しないというか、するする書けるか全く書けないかのどちらかなのでそこまで時間がかからなかったのも恵まれましたね。ビート探しに録音とMIX、動画編集の方がよっぽど焦りました。
そんなこんなで投稿された今作「なるせ、梓川、ill.bell 及び 騎士Aをラップでディスってみたw」、80日本語ラップ至極ポイントは固いかなと思っていますがどうでしょうか、採点結果と内容が非常に気になるところですね。
それじゃ、やっていきましょうか。
ライムスキーム(押韻分析)
01・
「私の言葉は届いてないらしいな
それか戦いてない三下
やまびこの様『多様性』は、知らんといえばno warって楽観視か?」
【押韻箇所】
「私の言葉は届いてないらしいな それか戦いてない三下
/ やまびこの様『多様性』は、知らんといえばno warって楽観視か?」
まぁそんなこと言われてもほんまでっか?って感じだと思うので、小分けにしていこうと思います。
まず「私の言葉は/ああいおおおああ/やまびこの様多(っ)」
→「様」は二重母音の長音化によって「よー」となるため、「言/様」で無理矢理母音踏み出来ます、副韻です。「多様性」は「多(っ)様性」と発音しており、音節数を合わせることで母音踏みをしています。
次に「それか戦いてない三下/おえあおおおいえあいあんいあ/と(い)えばno warって楽観視か?」
→「といえば」を「とYeahば」みたいに発音しています。「いえ」を「いぇ」、拗音みたいにすることによって「それか/といえば」で母音踏み出来るようにしました。副韻ですね。
→「戦いて」の「のい」は二重母音です。二重母音は特殊拍、今回は「warって」の撥音「っ」で押韻可能かなと判断しています。
見返して思いましたが、「様性は、知らん」←ここちょっと疑惑ですね。
「とどいて/ののいて/ようせい/warって」で踏むのですが、音節がズレてますからね。とはいえ「とどい/ののい」は二重母音で終わるため2.5モーラ (※筆者の感覚、モーラは自然数で表すのが普通。) と捉えられ、「warっ」も撥音を0.5モーラと捉えるとこれも2.5モーラ。「ようせい」も「よー」と捉えれば2モーラまで違和感なく伸ばせるので、歌い方によっては0.5モーラのズレに収めることも出来ます。
でも個人的には結局1モーラくらいズレてそうな感じするんで、弱い韻にすらなれていない、母音踏みとしてあんまり認めたくはないですね。減点対象かなあ。
そして疑惑2「は、知らん」ですよ。3文字目と末尾の「あ」が無いんですね~~~。ここは「ないらしいな/ない三下/楽観視か?」との母音踏みですからね。
とはいえ、3文字目の「あ」に関しては弱い韻の範疇に収まっているような気もします。仕組みは読点とアクセント韻です。
まず読点について、これは違和感なく空白を挿入出来る魔法の記号です。これによって二重母音である「い/い」と撥音「っ」分の音節を稼ぐことが出来、3文字目の「あ」を更に意識から外すことが出来ます、その効果の程は私が後から見返さないと気付かない程度です。黒子のバスケのミスディレクションみたいですね。
(※冗談みたいに話していますが、この読点による音節調整は同音踏みをより固くするためによく使われるテクニックです。特に撥音との相性が良いですね。例:「尊み、強い/とうとう三つ用意」の「み、つ/みっつ」)
また、ここのアクセントは4文字目の「し」です。これによって直前の「あ」が意識から外れて、更に韻を踏んでるっぽく聴こえるんですね~。
と思ったけど「ないらしいな」の楽曲内での第一アクセントは「ら」か。「ない三下/は、知らん」で捉えれば「し」のアクセントによるミスディレクションは成立するんですけど、「は、知らん」は「ないらしいな」にも対応しているので、かなり微妙ですね。うわ難しいなこれ、面白い。ここの捉え方によって減点量が大幅に変動するので、とりあえず保留にしておきましょう。
ここのラインを反省するとしたら、やはり弱い韻の質ですね。触れませんでしたが、「届いて/戦いて」のような、同じ母音が連続する部分に於いては1音節程度のズレは許容、韻の響きを悪くしないという持論があって、それに基づけばここは主韻として成立しています。この音節数のズレの許容範囲と、語感踏みの韻の強さには関係があると睨んでいるので、いつか解明したいですね。「ありがとうございます」が「ありゃーす」でも通じるのもこれと同じ現象な気がしています。
あ~でもこの「届いて/戦いて」に関しては子音の主張の強さに関係があるかもしれないですね。なんか子音のインパクトが弱い、又は子音の無い音でかつアクセントでない音節って自立拍であってもモーラとして短いような気がするんですよね。今回は「td/()nn」です。これは感覚に基づいたデタラメな仮数値ですが、破裂音を1、そこから阻害が少なくなるにつれて0に近づくとして、有声を0.5とすると
と+ど=(1+0.5)+(1+0.5)=3
()+n+n=0.5+(0.5+0.5)+(0.5+0.5)=2.5
みたいになるので、まぁおかしい計算なんですけど、ようは子音の阻害度がモーラの長さを前後させてないか?ってことですね。
「かきくけこ」と「あいうえお」で韻を踏もうとすると「あいうえお」全文字にアクセントをつけないといけないと思います。このことから、阻害度と韻の固さには非常に強い繋がりがあると考えるのが自然です。ので私はこの仮説というか持論に基づいて韻を採点します。
「届いて」→「戦いて」→「様性って」→「no warって」の流れにも表れている通り、この部分は後半になるにつれて韻の弱体化 (弱い韻になっていくこと) が目立つので、まぁ頑張ってはいるけど結果に満足とは言えないかなという具合です。というか今楽曲こういう弱体化が多いんですよね、それを歌い方でカバーしている自覚があるので神を自称するのは気が引けるというのが本音です。まぁ日本語ラップを伝統芸能まで押し上げるにはそうするしかないんですけど……。では次。
02・
「さて何から言おうか消せない誤用
セテライト?はぁ(呆) 『satellite』」
【押韻箇所】
主韻
「さて何k/satellite」
「消せない誤/セテライト」
副韻
「ら言おう/ない誤用」
主韻の「k/te」についてですが、これは子音の調音法を根拠に韻としています。あと「sa」の発音記号は「sæ」なのに「さ」と母音踏み出来てるの?という声があると思います。良い質問ですね。これは「Rumor ルーマー - ポリスピカデリー feat. GUMI / Police Piccadilly」の「satellite」の発音を参照されたいです。GUMI姐さんは「サテライト」って発音してると思います。そういうことです。
副韻が弱い韻とされている理由は「おう/誤用」です。音節数のズレと子音の阻害度の乖離ですね。まぁでも綺麗な脚韻にはなっていますから、先ほどの疑惑の韻と比べるといくらか強めの弱い韻とも言えるでしょう。
03・
「聴けよGUMIの発音 無知を暴露
罪を隠そうとしてもむしろ逆効果
躍動感はあるが、聴き取れないライム
でもだ~れも気に止めない」
【押韻箇所】
主韻
「聴けよ/しても」
「GUMIの発音/無知を暴露/罪を隠そう/むしろ逆効」
「逆効果/躍動感」
「聴き取れない/気に止めない」
副韻
「はある/ライム/だ~れ/ない」
特筆するべきところは無いですね。模範的な韻だと思います。あとここnqrseのフロウを模倣しているんですが気付きましたでしょうか。彼のフロウというかニコラップのフロウかな。同じ手法を用いてクオリティの高さを見せるのが一番説得力あるかなと思ってやりました。趣旨は違いますが美大のデモストに似てますね。
副韻に関しては頭韻という捉え方をしてもらえると理解しやすいと思います。あと「はある/だ~れ」の3文字目は子音踏みですね。以上、次。
04・
「『ラップの中身』に擁護が無ぇ、ホントやで?
正しい評価やね」
【押韻箇所】
主韻
「擁護が無ぇ/ホントやで?」
「中身に/正しい」
副韻
「擁護が無ぇ/ホントやで?/評価やね」
副韻について、真ん中を踏み外してしまっていますね。
「護/ト/価」
これがなぜ韻として認められているかですが、まぁ前後4文字が踏めているというのもありますが、一番は最も目立たない部分だからですね。
先ほど少し触れた語感踏みの話になります。
語感踏みというのは基本的に韻の最初1~3文字、末尾1~3文字を母音踏みすれば成立します。韻マンの韻をライムスキームすると分かると思います。
このことから分かるのは、人間は言葉の響きのイメージを最初と最後の数音によって構築しているということです。最初と最後の音を柱として音のイメージを構築、支えているため、その真ん中を通す梁の色や形が違っても似た形の音として認識するっぽいんですよね。
簡単にいえば「ありがとうございます」と「あした駅弁食べます」を早口で言われたら聞き分け辛いよねって話です。
今回はその梁の違いも一か所でしかも母音だけです。(子音は破裂音で統一されています。トに至っては無声という共通点もあります。) 語感踏みが成立しない理由が無いですね。よって副韻、Q.E.D. (←「ふくいん/きゅーいーでぃー」で踏める韻。)
次。
05・
「いつまで気取んのラッパー
視聴者さんら引き込んだ半端」
【押韻箇所】
主韻
「視聴者さんら/き込んだ半端」
副韻
「気取んのラッパー/視聴者さんら/引き込んだ半端」
「気取ん"の"/視聴"者"/き込ん"だ"」の踏み外しについては前述した語感踏みの梁の話を繰り返すことになるので割愛。
また、副韻では「引き込んだ半端」の「引」も韻の構成音素として挙げられていますが、これは阻害度が低いならモーラとしても短くなるんじゃね?という前述した持論と、同じ母音が連続する部分に於いては1音節程度のズレは許容、韻の響きを悪くしないという持論の悪魔合体ですね。「届いて/戦いて」の部分を見返してください。
06・
「バイリンガル気取り配信者すり寄り
催眠ガスみたく『rhymin'』か?パンピー」
【押韻箇所】
主韻
「バイリンガル気/配信者すり/催眠ガスみ」
「ル気取り/すり寄り」
「バイリンガ/配信者/催眠ガ/rhymin'』か」
「バイリン/配信/催眠/rhymin'/パンピー」
特筆事項無し。次。
07・
「きっと意味さえ分からん英語
ならまず言語から学んでこう」
【押韻箇所】
主韻
「分からん英語/ならまず言語/ら学んでこう」
副韻
「気取り(※前項)/きっと意味」
「分からん英語/ならまず言語/から学んでこう」
副韻の「"か"ら学んでこう」は説明済みなので割愛。
「気取り(※前項)/きっと意味」についてですが、これは「気取/きっと」で同音踏みにニアミスであるゆえに韻踏んでる感が生まれている点。「気取り」は1小節2拍子目に、「きっと意味」は1小節目1拍子目から2拍子にかけて音素が配置されているがせいでちょっと韻っぽくない点。この2点がお互いを相殺しても尚ギリギリ踏んでる感あるなと思ったので、韻として認めることにしました。ここを意識して聴いてみると確かに踏んでいる気がしてきます。
08・
「ついでにill.bellと梓川も首根っこ洗って待ってなさい」
【押韻箇所】
主韻
「ついでn/首根っ」
副韻
「ill.bell/洗って」
「梓川/待ってなさ」
主韻の「n/っ」について。これはnを発声する際に鼻腔への通路を一旦完全に閉鎖してしまうせいで、撥音「っ」と同様空白を生むと考え、空白が継続している箇所までは韻を踏んでいると判断し主韻に含みました。
副韻の「ill.bell/洗って」は「るべる」と巻き舌の「rrら」の子音踏み。「梓川/待ってなさ」は最初の「あ/待」と最後の「川/なさ」に加えて、「ずさ」と「さ」の子音踏みを総合してギリギリ副韻としています。ここの韻はそういうコンセプトなので別に気にしていないんですが、別世界の私がこの韻を見たら韻とは認めなさそうなので減点対象ですね。ちょっと韻が甘すぎる。
09・
「レモネード、
『わたしはわたしだ』 を『しはしだ』
もしかしたら無い頭に問題があるみたいだ門外漢」
【押韻箇所】
主韻
「を『しはしだ』/もしかした」
「問題が/門外漢」
副韻
「ら無い/頭に/あるみ」
レモネードと『わたしはわたしだ』が放置されているのがいただけませんね。まぁここは流れが切り替わって一呼吸置かせるのに最適な場所でもあるので聴いてる分には不快感無いんですけど、お世辞にも手本と呼べないことは間違いないので減点対象。ただこの後に連続韻の濁流が押し寄せることを考えると益々ここで一呼吸置くしかないんだよな。う~ん……。これを全て狙ってやってるなら良いんですけど、部分的にしか意図してないし偶然収まった感を自負しているので減点したいな。これを狙ってやって楽曲全体の流れを掌握出来る人はやっても良いと思います。それが出来ない、コンセプトではないのに韻を踏もうとしないのは私が許さない、ということだけ念頭に置いておいてください。
ちなみに部分的な意図というのは、ディスする対象をビートの雰囲気が切り替わるときに明示すれば展開を理解しやすくなるのではというものですね。成功していると良いんですけど……。
副韻は例によって語感踏みです。次。
10・
「とりあえず『読み書き』を鍛えるときだ
置きなマイク 針上げな
間違えたところに書き足せ『✕音読み』」
【押韻箇所】
主韻
「とりあえず/を鍛える」
「読み書/ときだ/置きな」
「針上げな/間違えた」
「針上げ/間違え/書き足せ」
「ところに/音読み」
副韻
「書き/マイ」
副韻について。これはフロウのアクセントがある位置に丁度2文字の母音踏みがあったというだけで、正直韻踏んでる感があるのかないのか分かりづらい韻です。意識して聴いたら踏んでるし、意識しなかった聞き流してします。それくらいの弱い弱い韻だと思います。とはいえ踏み外して全体の流れを悪くしている要素も無いですし、加点にも減点にもならない部分として処理して良いと思います。
主韻は特筆事項無し。綺麗な韻だと思います。次。
11・
「おめぇ、尊い日本語勉強し『とっぽい素人』汚名返上しろ」
【押韻箇所】
主韻
「おめぇ/汚名」
「尊い日本語/とっぽい素人」
「勉強し『と/返上しろ」
副韻
「本/ぽ」
めっちゃ綺麗な押韻だと思います。手前味噌ですが。
「おめぇ/汚名」をA、「尊い日本語/とっぽい素人」をB、「勉強し/返上し」をCとすると、ここの押韻構造は
ABC BAC
となるんですね。この入れ替わりによって非常に揺さぶれらるフロウになっていると思います。
少し関係無い話をします。私は、この先日本語ラップの向かう方向に、韻をコード(和声)のように扱う地点があると思っています。今のラップの押韻構造は、例えるならピアノをめちゃくちゃに弾きながら任意の場所でコードを抑えるだけ、というものだと思います。というかそれが脚韻として認知されています。韻を固く踏み続けられる一握りのラッパーも、ずっと同じコードで進行させるのが関の山です。ですが、今回のような韻の配置によってフレーズ全体に音楽的な魔力、引力を纏わせるという技術が発達、必須になっていくでしょう。これこそ日本語の韻律を操作し音楽として昇華する、私の思い描いた日本語ラップであり、それ以外は過渡期の蛹です。
ピアノの演奏など、ミスタッチ無く演奏するのが当たり前に求められる技術であるのと同じで、意味を通しながら韻を踏むのが当たり前とされる、そんな時代を迎えられるほどの土壌が、日本語ラップの水準が上がることで出来上がると良いですね。そこでみなさんを歓迎したいところですが、私は間に合わないかもしれません。
「『と/ろ」が主韻なのは、どちらもその小節内の4拍子目に配置されているためです。綺麗な音素配置だと思います。100点!
12・
「ぼやけた描写にオートチューンかけたボーカリスト
やめた方がいい
私が削り出した韻 煙に巻いてすり替え?
目くじら苛立ち絶える火無し」
【押韻箇所】
主韻
「やけた描写に/かけたボーカリ/やめた方がいい」
「私が削り出し/ら立絶える火無し」
「削り出し/煙に巻い/目くじらい/える火無し」
副韻
「削り出し/煙に巻い/てすり替え/目くじらい/える火無し」
副韻は「てすり替え」が追加されています。最後の「替え」が二重母音でかなり主張の弱い音なので、副韻としては強い方ですね。主韻と副韻の境目といった具合です。
オートチューンとかいう如何にもこれで踏みます!みたいな単語で踏んでないのはなんで?オートチューンって語彙使いたかっただけなのが見え見えですね。その程度の押韻力で自由に言葉を扱えると思い違いをしていらしたようだ。もっと語彙力を増やし任意の単語を入れながら韻文を構築するラッパーとして必須の能力を鍛えて出直しなさい。ここ踏んでないの凄いイライラします。あと「ボーカリスト」は「vocalist」と表記して英語で発音すれば「スト」を無視出来るんで、vとlの発音出来るようになってから出直して来てください。「satellite」もネイティブからしたらカタコトですよ多分。詰めが甘い、やり直し。次。
13・
「増えゆくFuel
崩れる音韻じゃ進めぬのにさ続ける凡人のレイブに酔いしれた盲信者 ヘッズ匂うシンナー」
【押韻箇所】
主韻
「Fuel/崩れる/進めぬ」
「音韻じゃ/のにさ」
「音韻/のに/凡人」
「レイブに酔いしれた/ヘッズ匂うシンナー」
「盲信者/おうシンナー」
副韻
「増えゆ/Fuel」
「酔いしれた/盲信者/おうシンナー」
「増えゆ/Fuel」は「増え/Fue」の同音踏みに近い韻と、「えゆ/l」を母音踏みと捉えて副韻としています。「ゆく」の主張が強すぎて韻踏んでる感が無いかなと思って主韻にはしませんでした。あと「同音踏みに近い」というのは、日本語と英語では若干母音が違って完全な母音踏みが出来ないからですね。私英語分かんないんで、踏めてるか分かんない韻を胸張って主韻って呼べないだけです。
「酔い/盲/おう」は二重母音を無視するお手本みたいな例ですね。
てかここ、「凡人は」にしたら「凡人はレイブに酔いしれた/盲信者ヘッズ匂うシンナー」で踏めるじゃん。意味も破綻しないし、なんでやんなかった?致命的だぜお前。あ~でも「酔/盲/おう」の頭韻っちゅーか、アクセント踏みとしても成立はするか……、そう考えるとここを「凡人の」にするか「凡人は」にするかは好みの範疇、つまりどっちでも良くなってくるな……。
とはいえ、両方試して選んだのではなく、単に気付かなかっただけってのは致命的だぜお前。アスキンナックルバールもそう言っている。
14・
「お前の声色の為すトランスでご愛嬌とはいかないト書きのご法度
『英語風な適当日本語では、全国誰にも聴き取れません。』」
【押韻箇所】
主韻
「声色の為/ご愛嬌とは/ト書きのご法」
「の為す/トランス」
「声い/ご愛/とはい/ト書き」
「お前の/ご法度」
「英語風な適当日/全国誰にも聴」
「語では/取れま」
副韻
「お前の/声色/ご愛嬌」
「では/れま/せん」
まぁこれも別に、特別なことはあんまりやってないですね。語感踏みしようとしたら思ったよりちゃんと母音踏みしてしまったっていう自慢でも挟んでおくか。イライラするでしょ?そのイライラをラップ制作にぶつけてください、感情が高ぶってトランス状態になれば録音も驚くほど上手くいきます。言葉に感情が乗って、自然とビートに言葉がハマるんですよね。スピリチュアルですが、実際体験すると眉唾とは言えなくなりますよ。
っていう全然関係無い話を挟むくらいには言う事ないですね。次。
15・
「外来種ソングが滞在し淘汰
ワナビーと大元は大概にしようか
VVS 君に言ってる
胸ならいつでも貸してやる」
【押韻箇所】
主韻
「外来/滞在/大概」
「滞在し淘汰/大概にしようか」
副韻
「VVS/君に言ってる」
「外来/滞在/ワナビー/大概」
「淘汰/元は/ようか」
副韻として追加された「ワナビー」「元は」ですが、これは二重母音「ai」と「ワナ」の「ああ」を韻と見做したとしても韻として弱さが目立つから、二重母音「ou」を長音化していると見做しても「もと」のtの破裂音の阻害が無視出来ないから、という理由から副韻に収まっています。自分に甘いラッパーはこんなんでも韻が固いとか言い出しますので、騙されないよう注意です。たまたま上手くいった副韻で自身を過大評価してしまっているため、優しく誤謬について教えてあげましょう。逆ギレされても責任は取りません。
「VVS/君に言ってる」は最初の一音がはみ出していることを考慮しても主韻でいいんじゃないかなって感じなんですが、前述した通り英語と日本語で母音踏み出来た!とは言いづらいため副韻という扱いをしています。(我ながらこの副韻とかいう概念便利だな。みんなも使っていいよ。)
で、問題の「胸ならいつでも貸してやる」ですよ。
韻どこ?「ってる/てやる」の1文字の脚韻しか無いですけど。
ここの4小節ただでさえ主韻少ないのに締めの1小節でこれはいただけませんねぇ~。本当に日本語ラップと向き合いました~???してないからこういう結果になってますよね~~~。万死。
とはいえ、じゃあどう踏めばいいんだよという声が上がってきているので、一応代替案を考えていきますか。その過程でこれよりもっと良い韻が生まれれば私の勝ちで私の負け、生まれなければ私の負けで私の勝ちです。
1,「胸なら貸したるむべなるかな」
【押韻箇所】
主韻
「胸な/むべな」
副韻
「たる/かな」(脚韻風のアクセント韻)
展開が早過ぎるというか、説明不足だな。なぜ私が胸を貸すのが当然であるのかをこの4小節内で説明しないと、外来種として敵視していた相手に急に優しくするキチガイDV暴行犯になりますからね。同音踏みじみた主韻の響きは良いですが文として成立しない気がするため没。
2,「上なる秘所まで胸貸す所存」
【押韻箇所】
主韻
「上なる/胸貸す」
「所/所存」
まぁ悪くは無いですが、全体的に韻が少ないという問題点は解決出来ていませんね。「秘所」を汎用性抜群の「ここ」という単語に置き換えるとより固く韻は踏めますが、汎用性のある韻に頼ってこの程度かよ……って感じなのでこれも却下。目的地となりかつ高いイメージのある語彙と、自身の心持ちや決意を表す語彙で韻が踏めれば満点ですね。語彙力の無さの前に涙。
なので、これを使うよりはメッセージとして伝わりやすい原文の方が良いでしょう。
3,「見かねるあまりに胸を貸そうか」
【押韻箇所】
主韻
「淘汰/ようか/そうか」
副韻
「言ってる/見かねる」
「滞在し/あまりに」
4小節内で使われた韻を回収しつつ原文と同じようなニュアンスのフレーズ。副韻に頼り過ぎている感はありますが、原文の上位互換といって差し支えないでしょう。
1,2,4小節目の末で母音踏み「おうあ」と子音踏み「た/か/か」による脚韻が成立しているので、全体としても綺麗なフロウになると思われます。
4小節目で敢えて崩さなければならないのっぴきならない事情があるのであればともかく、ここにそれは無いと思うので、このフレーズを思いつかなかったのは純粋に怠惰です。死ぬか悔い改めろ。制作期間ガーとか言い訳するくらいなら死んだ方がいいですね。
はい、というわけで私の勝ち、私の負けでした。猛省。
次。
16・
「ローレン・イロアス、葛葉に叶
当面気負わずぶつかり給え
挑戦し伸ばす蔓巻き栄えども縁起逃す『踏む』欠いた真似」
【押韻箇所】
主韻
「ローレン・イロアス、葛葉に叶/当面気負わずぶつかり給え/挑戦し伸ばす蔓巻き栄え」
副韻
「ローレン・イロアス、葛葉に叶/当面気負わずぶつかり給え/挑戦し伸ばす蔓巻き栄え/ども縁起逃す『踏む』欠いた真似」
ギリギリ踏み切ったみたいな韻ですね。最後の「ども縁起逃す『踏む』欠いた真似」が副韻に含まれるのはそういう理由です。
というのも、まず最初の「ロー/当/挑」は全部長音 (後半二つは二重母音が長音化している。) で終わる「おー」の音なんですね。しかし「ども」だけはそれぞれが自立拍なので、音としては「おお」。母音踏みは出来ているんですが、聴こえは非常に違って聞こえる弱い韻ということに、私の中ではなるわけです。
次に途中の「葛/ぶつ/蔓」は全て破裂音の子音から始まっていますが、「踏む」だけは声門摩擦音「h」で始まりますから、阻害度が著しく乖離していて弱い韻となっています。
最後に「葉に/かり/巻き」は、全てが自立拍「あ」と「い」が続く音の並びなんですが、「欠い」だけは二重母音であるため「あい」で1つの音節に近い音のまとまり方をしているわけです。最初の例とは逆ですね。
これらの踏み外しというか、3か所の弱い韻によって「ども縁起逃す『踏む』欠いた真似」だけが副韻となっている。というわけですね。
「イロアス」の「ア」が弱い韻判定されない理由について考察します。これは多分「ア」の部分にアクセントが来ているからですね。本人の名前のアクセントを知らないので間違っているかもしれませんが、少なくとも楽曲内ではここにアクセントをつけて歌っています。
あとは、「oa」の音素配列の二重母音は無い、とか、人名は丁寧に発音するので日本語ではヒアトゥスになる、みたいな説が考えられますが分からないですね。いつか言語学と音声学の知見が深まったらまた考察します。次。
17・
「私が神になってお前らを全員改宗させるしかない
正したがり嫌ってもダメだよ芸に対する負けん気が無い」
【押韻箇所】
主韻
「私が神になってお前らを全員改宗させるしかない/正したがり嫌ってもダメだよ芸に対する負けん気が無い」
ここにも弱い韻があります。「改宗/対する」「負けん気/させるし」の2か所ですね。
「宗」は口語だと「しゅー」になりがちですが、楽曲内では「しゅ う」と丁寧に発音しヒアトゥスにしています。「する」も子音の阻害度はそこまで大きくないため、弱い韻ではありつつも全体を主韻から副韻に落とす程ではないと判断しました。
「ん」と「る」を母音踏みとして認めるかどうかは諸説ありそうなんですが、私は一定の条件下においては「ん」の母音要素を考慮せず、どんな母音を持つ音節で対応しても良い、と考えているため、これも同様弱い韻ではありつつも……という扱いにしました。
その一定の条件下についてですが、今回の場合は前後が主韻として成立していること、語頭や語尾などの韻として響きを支える部分ではないことを満たしていることがそれに当たります。
とはいえ、これも個人的にはしっかり韻として聴き取れるからという理由が根底にあるので、人によっては副韻に落とさざるを得ない弱い韻だと判断することもあるでしょう。
あなたはどちらですか?
18・
「培われた悠久の時想い
失われりゃ種々の掘り起こし
踏み固めた大地 (ヴァース) 耕す
極れ長ぁく放つマザーフレイム
雷神 (アマル) 伝来 我が神なり
重なる言語だけ讃えたい
絡まる音色織り成すメロディ
宝船にも乗りますね
質すテーマ欠けたら死体だ
生漬韻を並べた間違い
頭振れんのを執り成すメロディ?
あらなるめいも ハバナイスデイ」
【押韻箇所】
主韻
「培われた/失われりゃ」
「の時想い/の掘り起こし」
「踏み固めた大地 (ヴァース) 耕/す極まれ長ぁく放」
「耕す/長ぁく/放つ/マザーフ/雷神 (アマル) /重なる/絡まる/宝ぶ/質す/だ生づ/頭振/あらなる」
「雷神 (アマル) 伝来 我が神なり/質すテーマ欠けたら死体」
「重なる言語/絡まる音色/宝船にも/頭降れんの/あらなるめいも」
「あらなるめい/ハバナイスデイ」
「織り成すメ/乗りますね/執り成すメ」
「想い/起こし/フレイ/なり/たい/音い/ディ/テー/死体/漬韻/違い/ディ?/めい/デイ」(脚韻)
副韻
「悠久/種々」
「耕す/放つ」
「言語/音色/け韻を/めいも」
「我が神なり/だけ讃えたい/欠けたら死体/らべた間違い」
まぁ全部踏んだら頭韻も脚韻も含まれるよねということなんですが、脚韻に関しては違う母音踏みをしているところであっても偶数拍で「い」を強調しているので明記しておきました。アクセント韻な気もしますが、まぁ全部踏んだらアクセント韻も含まれるよねというあれです。
副韻について少々。
「悠久/種々」はもう語る必要も無い程ですが、単純にモーラがズレています。が、「うぅうぅ/うう」と捉えれば「う」で踏み通す韻としても聴こえるので、副韻に留めておきました。
「耕す/放つ」は「がやす/はなつ」と見れば普通に踏めているし、同じ母音の連続する字余りなら別に良かったはずでは?という感じなんですが、ここは耳で聴いた時のモーラが3と4で明らかに一致しないため、弱い韻とせざるを得ませんでした。しかしながら、この長短の差がある母音踏みを連続で繰り返すことによって、独特の小気味良いフロウが完成していると思えます。
「韻踏むリズムに気付くリリシズム」にも同じことが言えます。この母音の引き延ばしについて、考察を深めていきたいところですね。そのうち分かるでしょう。
「言語/音色/け韻を/めいも」は
げん (撥音)
→ねい (ヒアトゥス)
→け韻 (自立拍「い」+撥音)
→めい (二重母音と歌い方による引き延ばし、又はアクセント)
という風に、音素が不規則に入れ替わっているため弱い韻としました。
「神/讃え/ら死/間違」は「たえ」の二重母音要素「e」を無視した母音踏みなので弱い韻ということですね。それ以外は綺麗な母音踏みです。以上。次。
19・
「『なるせのファンです!酷いこと言ってるあなたこそ下の外道』
折角なんでじゃあ一言
黙っとれ素人」
【押韻箇所】
主韻
「こと/こそ/道/言/人」
「一言/素人」
副韻
「なるせ/ファンで」
「酷いこと/下の外道」
「酷いこと/一言/素人」
もうちょい固く踏めや、舐めんとかクソガキ。って感じですね。まぁここも流れが切り替わるところなので、緩急という意味で押韻を控えてキャッチ―なフレーズを使っていくのはありなんですが……もうちょっとどうにかならんか???
ともかく副韻の解説です。
「なるせ/ファンで」はお馴染み特殊拍の母音的な要素を考慮しない母音踏み。音節を合わせるだけで誰でも簡単に出来る弱い弱~い韻ですね。ちょっと口に出したくなる程度の能力は持っています。
「酷いこと/下の外道」は「どい」の二重母音の第二要素「i」を無視し、代わりに自立拍「の」と「げ」を当てがっています。この部分だけ見れば韻ではありません。副韻選考外です。
とはいえ、語頭と語尾の2音ずつ、つまり柱の部分がかなり固めに (※当社比) 母音踏み、子音踏みされているので、語感踏みとして成立することを考慮してギリギリ副韻補欠合格ですね。押韻Tier表があったら間違いなく一番右下に居る。
「酷いこと/一言/素人」は「酷いこと」の解釈次第って感じで韻の強さが変わってくるかなと思いました。
例えば「いこと」だけ取り出せば「ひとこ/しろう」でそこそこ綺麗に繋がります。とはいえ、「酷」の部分の主張が強すぎるうえ、こちらも「ひど」で部分的に押韻出来ているため、ここを無視して韻とすることは不適切だと判断出来ます。
なので、「ひど/ひと/しろ」と「いこと/ひとこ/しろう」の2種類というか、ショート (short) とトール (tall) が織り交ぜられた母音踏みと解釈することも出来ます。
が!「酷いこと」を「酷 / いこと」と区切って認識したりはしませんよね?よって同じコーヒーのサイズ違いを交互に飲むイカレスタバ野郎解釈も不適切だと思われます。
というわけで最終的には「ひど(い)こと」とパーレン内の「い」を省略、すなわち二重母音の第二要素を華麗に無視しつつ、その分の音節のズレを語感踏みでなんとかするという、なんの面白味もない押韻解釈になると思われます。語感踏みだから副韻ってだけだったんかいって感じですね。期待を裏切ったので減点。
あ、「一言/素人」が主韻なのは「と/ろ」の子音の阻害度にそこまで差が無いと感じたこと、語末の「と/と」が同音踏みかつアクセントでもあるため、着地した感が大きいこと、この2点が「とこ/ろう」のズレを打消しなお韻を強くするに足ると感じたからです。
主観と言われればそれまで。次。
20・
「お前はラップに喰らったんじゃなく『なるせ』ってキャラにハマっただけ」
【押韻箇所】
副韻
「ラップに/キャラに」「喰らった/ハマった」
驚異の主韻無しお気持ち表明パートきちゃあああ(軽蔑)
まぁどうしてもセリフ調にしたかったんでしょう。それは分かりますけど拍の位置を揃えた語感踏みしか出来てないのは流石に看過しかねますね。まぁでもここは代替案が出てこないので、韻を踏んでないという部分だけ減点しておきます。それも織り込み済みでセリフ調っちゅーか、バトルライムっちゅーか、ポエトリーラップもどきっぽくしてると思うので。日本語ラップをやってくださいねという話ですな。
一応解説しておきます。両小節の2拍目に「ラップに/キャラに」が、3拍目に「喰らった/ハマった」が発音されています。どちらもギリギリ語感踏みになれない語彙の組み合わせなのですが、頭韻や脚韻と同種の、拍の位置と音節の数を合わせることで響きを似せるテクニックが使われています。小細工というやつです。だから日本語ラップとして認められないわけですね。
以上、次。
21・
「バースに蹴られてビートに乗られて掌で転がされてるね」
【押韻箇所】
主韻
「バ/ビ」(子音踏みの頭韻)
「掌/て」(同音踏みのアクセント韻)
「られて/られて/されて」(カスの押韻)
お?ラッパー辞めたんですか?そうですか、じゃあマイクとペン置いてもろて。
ってくらい酷いですね。セリフパートの代償は大きいです。なんか言ってるようで言ってないワードですしねここ。深そうで何も無い。空白を「あいうえお」で埋めただけの尺稼ぎ。恥を知った方が良いですね、知った上で改善出来なかったのでただ単に私がラップ下手くそというだけなんですが。
カスの押韻について解説しておきます。といってもなんとなく分かる方も居るかと思いますが……。
これは同じ品詞、もっといえば同じ語彙で作られた韻であるからカスなんですね。確かに主韻としては申し分ない韻の響きを持っているんですが、その制作難易度の低さから駄洒落以下として扱われるお粗末な韻です。
今回は助動詞統一構築ですが、もっと酷くなると
「~~だぜ!~~だぜ!~~なお前ダセェ!~~だぜ!」
みたいになります。そんなライムで飛ベルところなんて無いと思いますが。
これも、断定の助動詞「だ」と終助詞「ぜ」の統一パーティ。だぜ偽装型ダセェも居るので実況動画映えはしそうですね。(ポケモン対戦の用語による意味不明比喩。)
つまり良いところが一個も無い2小節ということです。
0日本語ラップ至極ポイント。
アベレージを大幅に下げていきます。
22・
「韻踏むリズムに気付かんリスナー
死ぬか韻踏むか悔い改めな」
【押韻箇所】
主韻
「リズム/に気付」
「気付かん/リスナー/死ぬか」
「ぬか/むか/めな」(「あ」の脚韻)
副韻
「韻踏む/リズム/に気付/韻踏む」
自分がラッパーだということを思い出しつつありますね。でもまだちょっとペンとマイク取り戻せてないかな、耳にペン挟んだままですよ。
それはそれとして。
この「韻踏むリズム」の韻は前述したヒプマイディスのセルフサンプリングですね。使い回し乙。
あとルール違反の同単語使用。「韻踏む」のことですが。
私は言葉の無駄遣いを失くすため、努力義務として同曲内で同じ語彙を使わないというルールを定めており、ゆえに理由無く重複することをご法度としています。今回は士道不覚悟で切腹ですね。
総じて、形だけ間に合わせたフレーズって感じがしますね。虫唾が走ります。まぁ取り繕えてはいるので20点くらいはあるんじゃないですか、それで満足するかどうかは私くん次第ですけど。
23・
「安全圏らしいコメント欄にトレンドばっかの奴隷と娑婆増
おめぇもラップで語らんと響かんぞ 踏むことなしに言う事は無い」
【押韻箇所】
主韻
「コメント欄/トレンドばっか/奴隷と娑婆/おめぇもラッ」
「トレンドばっかの/奴隷と娑婆増」
「らんと/かんぞ」
「踏むことなし/言う事は無い」
副韻
「全/めぇ」
ようやく正気を取り戻したみたいですね。
副韻は同じ位置で踏んでるってやつですね。1小節1拍目の裏、3小節1拍目の裏にそれぞれ配置されてるはずです。
あと「踏むことなしに言う事は無い」ですが、これもヒプマイディスで吐いたライムですね。彼はお気に入りなんでしょうねこれ、まぁ割と完成されてるし私も嫌いじゃないですよ。使いどころも悪くないように思いますね。まぁ今は押韻分析の時間なのでメッセージがどうとかフレーズの使いどころがどうとかはどうでもいいんですが……。
ともかく、ここも特別説明することはないですね。次。
24・
「再生数でしか判断出来ない金魚の糞ども良い気になるな kick'n the verseか韻を含む その弾幕で言いな小せぇ不平
回転数激化 ライムマシンガンで立場過信したガキは破壊」
【押韻箇所】
主韻
「再生数でしか/回転数激化」
副韻
「再生数で/な小せぇ不平」
「判断出来ない/弾幕で言いな」
「金魚の糞ども/韻を含むその」
「良い気になるな/kick'n the verseか」
「立場過信/ガキは破壊」
「ライムマシン/立場過信」
意外と主韻少ないな。
とりあえず副韻の説明だけ軽くしておきます。
「再生数で/な小せぇ不平」→「さい/な小」(二重母音の無視)、「数で/不平」(音節のズレを補う語感踏み)
「判断出来ない/弾幕で言いな」→「出来ない/で言いな」(音節のズレを補う語感踏み)
「金魚の糞ども/韻を含むその」→「糞ども/含むその」(音節のズレを補う語感踏み)
「良い気になるな/kick'n the verseか」→「になるな/the verseか」(踏み外しを補う語感踏み) (加えて、日本語と英語による母音踏み)
「立場過信/ガキは破壊」→「過信/破壊」(音節のズレを補う語感踏み)
「ライムマシン/立場過信」→「イムマ/立場過」(踏み外しを補う語感踏み)
で、こんなに副韻を使ってまで何をやっているかというと、韻を回転させることでマシンガンの回転しながら弾を掃射する様子を表しているんですね。
動画にも補足テロップはつけましたが、韻の組み方としては
「ABCD → DCBA → Aライムマシンガンで……」
となっています。
これは志人の「"発酵人間 ~回帰~" 志人 [Official]」という動画内のコメントから着想を得たものです。
まぁあの曲聴いてディスラップしか出来ないようじゃお里もお先も知れてるってもんなんですが、ラップという文化が積み上げてきたものを切り崩して現金化し自分の懐に入れることしか考えていない不埒者が居なくならない限り暴牛シリーズを止めることは無いので、ラッパーを名乗るのであれば二流の私如き易々と越えてもらわなければなりません。あと部外者がラップの恩恵にあやかるときは最低限の誠意を押韻に表してくださいね。ゆりやんとかはその辺弁えてましたよ。→ Bad B*tch 美学 Remix
お気持ち表明はそこそこにしてもろて。
25・
「回転数激化 ライムマシンガンで立場過信したガキは破壊
はい2人 そこに直りなさい
待ちくたびれない内に行こうか
ライブラリーのバトル化『ヤミィ』
パクリばかりには野次『Mont4ge』」
【押韻箇所】
主韻
「ライムマシン/はい2人/待ちくたび/ライブラリー」
「破壊/なさい/化『ヤミィ」
「行こうか/次『Mont4」
「ばかり/は野次」
副韻
「はい2人 そこに直りなさい/ライブラリーのバトル化『ヤミィ』」
「待ちくたびれない内に行こうか/パクリばかりには野次『Mont4ge』」
副韻ですが、これは文章単位での語感踏みですね。
「はい2人 そ/ライブラリーの」と「なさい/化『ヤミィ」の柱によって支えられています。
この語感踏みが先に来ることによって、「待/パ」と「行こうか/次『Mont4」の貧弱な柱しかない後ろの2行も語感踏みっぽく聴こえるというわけですね。慣性の法則みたいですね。
とはいえ真ん中全然踏めてないので別に加点対象でもなんでもありません。
ただ、こういう技術によって韻の踏めなさをカバーしつつ聴き心地を保とうとしている曲やラインは非常に多いので紹介しました。
まぁ脚韻してるだけで褒めそやされる現代のJ-RAPシーンにおいて、推しが頭韻まで抑えてきたら多分信者の脳味噌爆発して興奮のあまり脳汁失禁してしまいそうですが、ラッパー視点で見れば別に加点でも何でもないということだけ覚えておいてください。恋は盲目ですが過大評価は普通に迷惑なので。
あ、忘れるところでした。ここはもう一つ誤魔化しの技術が使われています。同じ音節数で区切りながらフロウすることで小気味良く聞かせる、というものですね。副韻以下なので押韻箇所の欄には書けないのですが、表記するならば
1拍目を除き、3音節ずつ分けたときの末尾1音が「い」で揃うことで、アクセント韻として機能しています。
アクセント韻は一行単位というかフレーズ単位というか、基本的には短い間隔、アクセント韻が成立している部分でしか韻律を保てないのですが、今回は4行とも同じ配置でアクセント韻があるため、脚韻的な、頭韻的な機能も果たしていますね。
分かりやすく書くとこう
まだアクセント韻になってるだけマシですね。こういう誤魔化しの技術に頼るラッパーのコスプレイヤーさんは、音数だけ合わせただけで韻もクソもない歌詞を、くどいくらい丁寧に胸やけするくらい抑揚を付けて読み上げることがとても多いです。まぁ底辺と比較してマシですね~なんて言ってるの情けないですけど。日本は諸外国と違い銃殺される危険も飲み水に困ることもありません!だから文句を言わずに我慢!ほどほどの貧困に飼いならされましょう!みたいな、「貧すれば鈍する」を美徳とする謎理論と同じ持ち上げ方。
主韻についても、直前に出た「ライムマシンガン」を引っ張ってきていること以外特筆することもないですね。普通、凡人のライムです。次。
26・
「『ばちこり』とか『ピンポイント』とかMCバトルの書き取り?
ガチ恋狂 多神を信仰 咎める阿漕な便乗心」
【押韻箇所】
主韻
「ばちこり/か『ピンポイン/書き取り/ガチ恋/多神を信/な便乗心」
「『ばちこり』とか『ピンポイント』とかM/ガチ恋狂 多神を信仰 咎める」
全部踏んだら脚韻も頭韻もアクセント韻も含まれるよねのやつです。
今更ですが、なんか今回日本語のリズム崩し過ぎでは?あんまり良い気しないですね。「ガチっ恋っ狂 多神っを信っ仰っ」とか現実で言うんですか?言いませんよね?
いやでもこれヤミィのサンプリング元のフロウを意識してんのか。あ~~~、意図してるならまぁ……う~~~ん……。でも「便乗心」の撥音に合わせて「書きっ取りっ」とか言っとるしな……。一応綺麗に踏めてはいるので、大幅加点は無し、程度にしておきますか……。
27・
「ゆたぼん考察 バズった投稿略奪
今更ご意見番?
つか新鮮な言説の根拠待つ陰険な顧客に隷属の脚韻」
【押韻箇所】
主韻
「察/奪」
「待つ陰/客に/脚韻」
副韻
「ゆたぼん考察/ズった投稿略」
「意見番/新鮮な」
「根拠待つ陰/属の脚韻」
今更説明も要らないですよね。特殊拍の無視や語感踏みによるズレの補完などの説明は省きます。
説明がないと分からないということであれば追記しますので、気軽にコメントしてください。
次。
28・
「『病み』には送り仮名が必要だし
『私』は英語じゃありません。」
【押韻箇所】
主韻
「病み/だし/私/あり」
「には/り仮/私』は/りま」
え~~~……ラップ辞めたんか君。
まぁ最低限は抑えてるからラップにはなってるか。
ここセリフ口調で韻踏んでないのは意図的ではありますし、狙い通りにハマってもいます、代替案も思いつかないわけなんですが……これを良しとすると全編この程度のクオリティで良いんだ!と勘違いする人が雨後の筍みたいにワラワラ出てきそうなので減点対象としておきます。それでも30~40かな。
次。
29・
「嵩増したフレーズ憚り
称えるまだガキなヘッズ
頭痛い」
【押韻箇所】
主韻
「嵩増したフレーズ/憚り 称える/まだガキなヘッズ」
「嵩増した/憚り称/まだガキな/頭痛」
「嵩増した」の「し」、はみ出してますね。気付かんかったな……。とはいえ踏み外してる感は無いですね。「し」の子音が歯茎摩擦音だからかな?主韻で良いと思いました。
同様に「フレーズ」の「フ」も無視されていますね。なんでこれで綺麗に聴こえるんだ……?と思ったらこれ英語で発音してるっぽいな。「ふれえず」ではなく「fréiz」と発音しているために「フ」も「ズ」も無声化していますね。じゃあ「phrase」って書けよボケが。減点。
とはいえこれは面白い現象ですな。日本語にも母音の無声化というのはあるので、それを利用すれば子音をメインとした押韻も出来そうですね。音の響きではなく、音の質感を軸にした押韻、いつか実現したいと思います。
そして先ほどの「し」がはみ出しているのに母音踏み出来ているように聞こえた理由、これも母音の無声化が関わっているかもしれないですね。
今回の「かさまししたふれーず」に於ける「しし」の部分は、
・母音「い」「う」が無声子音に挟まれたとき
に該当します。「嵩増し」の「し」はアクセント核を持たないので、おそらく一つ目の「し」が無声化した結果、韻の響きに影響しなくなったと考えられますね。
てか「嵩増」って送り仮名いるくね。他人にとやかく言う前に自分が悔い改めろや。(※概要欄の方の歌詞は直しておきました。)
ついでに「だけ讃えたい」と「称えるまだガキなヘッズ」で表記揺れしてますね。詰めが甘い。手抜くなアホンダラ。
あと関係ないけどここのコーラスすこ。次。
30・
「そんな程度の考えじゃダメ
思わせてよ天晴れだ彼
韻はマナーだよ?知らなかったの?今分かったろ?
悔い改めろ」
【押韻箇所】
主韻
「そんな程度の考えじゃダメ/思わせてよ天晴だ彼」
「韻はマナーだよ/知らなかったの?/今分かったろ?」
副韻
「韻はマナー/知らなか/今分かっ/い改」
特筆事項無し。次。
31・
「出涸らしの出涸らしの出涸らしの出涸らし
みたいな出囃しなげうって」
【押韻箇所】
主韻
「出涸らし/出囃子」
「ビビビビ」のサンプリング箇所ですね。まんま歌詞引用してるので押韻もクソもないです。私が書いた歌詞じゃないので評価不能。次。
32・
「踏めなくなったらバッシングするタイミングだね
何人踏んでる?『ライミング』」
【押韻箇所】
主韻
「バッシング/タイミング/何人踏/ライミング」
これも「風 / Guiano」のサンプリング箇所ですが、後半は「Mont4ge」のサンプリングです。
コーラスの歌い方は梓川の歌ってみたバージョンを参考にしました。
これも私が書いた歌詞じゃないので評価不能。次。
33・
「改心しなさいシンガー
いなたい信者持ち上げんな
見かねる半端を諌める判断」
【押韻箇所】
主韻
「改心/さいシン/たい信」
「しなさい/いなたい」
「シンガー/信者」
「シンガー/げんな」(脚韻)
「ち上げん/見かねる/諫める」
「持ち上げんな/を諫める判」
「見かねる半端/諫める判断」
ようやく韻が来た、息が吸える……。一文字も余さず韻に関与させていて美しいですね。次。
34・
「ただラップに関心持ってくれたこと
何はともあれありがとうだね
技術はある模様
上手いが誰だろう
つまりサルバドール・ダリにはなれなそう
thugなdope life?
あ~嘘は良くない」
【押韻箇所】
主韻
「何はともあれ/ありがとうだね」
「上手いが/つまりサ/ル・ダリには」
副韻
「ラップに/関心」
「ある模様/誰だろう/サルバドー/なれなそう/thugなdope/あ~嘘」
語感踏みの鬼ィ~~~。ここ語感踏みだけなのに綺麗に聴こえるの面白いですよね。副韻メインのラインなので高得点にはならないですが、日本語の発音のまま語感踏みを成立させるという試みは達成出来たので満足です。
特に「ダリには」を「ダリにゃ」と転訛させて発音することで耳馴染み良くかつ母音踏み出来るようにしている一挙両得ムーブには結構感動していますね。(※転訛って何の気無しに使ってしまいましたが、世代を経ない場合でも転訛って使っていいんですかね。語形変換の動機が発音を易化するため~みたいな感じならいいのかな……?でも転訛が生物の進化だとしたら今回のこれは完全変態って感じしますし。有識者の人教えてください。)
35・
「道楽の不毛な文と音楽のモンタージュ
勉強はしたらしいよ かなり
でも現状成りたがりのワナビー」
【押韻箇所】
主韻
「道楽/毛な文/音楽/モンタージュ」
「道楽の/毛な文と/音楽の」
「道/の不/毛/音/モン」
「勉強はしたらしいよ かなり/現状成りたがりのワナビー」
良いんじゃないですかね。「でも」以外全音韻に関与してて、ちゃんと日本語ラップ出来てると思います。
あぁでも人によっては早口過ぎて聴き取れない!詰め込み過ぎ!と感じる方も居るか……。それは否めない。この早口過ぎゆっくり過ぎ問題、未だ解決の兆しが見えないんですよね~、聴き取れなくなっては本末転倒ですが、ゆっくり過ぎるとそれはもう日本語ではなく歌では?調子を付け過ぎると想定していた韻律を崩してしまうのでは?と、他人のJ-RAP聴いてて思っており、妥協案としてとりあえず自分が自然に喋るスピードに合わせたのが現状ですね。
早口でぼそぼそ喋るんですよ私。陰キャなので。
結局、脳内で文字を読み上げるペースを基準に文章書いた方が自身のスティグに合った詩になると思うので、とりあえず韻文先行で後からビートを探す、もしくはビートを改造してBPMを変えるというのが良いのかなと思います。
あ、余談ですがビート探しの話をしておきますか。
コラム:ビートの探し方
36・
「type ralphのお前が正解?
ほざけ停滞待ったなしだ鎮まる文化
シュレディンガーの仲間(笑)、
落ち着けイツメンごと沈めんぞ」
【押韻箇所】
主韻
「お前/ほざけ」
「正解/停滞」
「ち着け/イツメン/沈めん」
「落/ごと/ぞ」
「イツメンご/沈めんぞ」
副韻
「待った/なしだ/仲間」
「type ralph/だ鎮まる文」
「正解/停滞/レディンガー」
最後の副韻「正解/停滞/レディンガー」は疑惑かもしれないですね。「正/停/レディ」の二重母音と普通の自立拍の母音踏みも不自然だし、撥音「ン」は無視されているし、「解/滞/ガー」の二重母音の第二要素を無視するのも無理がある。机上では踏んでるけど実戦では機能しない、弱いを通り越して役立たずな韻ですね。
ここちょっと甘いところ多いな。減点。
37・
「Apple信者のビート みんなトレンド
死んだ個性の似合った奴隷よ
エデンの林檎を実食
言えたら知恵なら貸すのになぁ」
【押韻箇所】
主韻
「みんなトレンド/死んだ個性の」
「林檎/実食」
「言えたら/知恵なら」
副韻
「信者のビート/みんなトレンド/死んだ個性の/似合った奴隷よ」
「レンド/性の/隷よ/エデンの」
前作「なるせをラップでディスってみたw」のセルフサンプリングという名の使い回しですね。
あと「言えたら/知恵なら」の後半2文字が近い語彙過ぎてちょっとテン下げ案件かな。それくらいですね。次でラストです。
38・
「韻踏むメンターがキツめの制約
導く正解と行き着くエリア
躾と成果をプレゼント
いつでも連絡ください」
【押韻箇所】
主韻
「韻踏む/行き着く」
「メンター/制約/正解/エリア/成果/連絡」
「躾と成果/いつでも連絡」
「プ/く」(頭韻)
副韻
「韻踏むメ/キツめ」
「導く/行き着く」
主韻の「制約」と「連絡」の語尾の「く」は、先ほど紹介した母音の無声化が起こっているので、母音踏みとして成立するという判断です。
副韻は2つとも語感踏みによる補正での韻判定です。
【採点結果】
以上、ここまでお疲れさまでした、私。
というわけで採点結果ですが、まぁまずは結論から。
「なるせ、梓川、ill.bell 及び 騎士Aをラップでディスってみたw」の日本語ラップ至極ポイントは75点とさせていただきます。
2小節ずつ全ての音節で踏んだり、韻の組み換えで日本語ラップ然としたフロウを実現していたり、語感踏みや韻の配置によるマシンガンの表現など、技巧的に目を見張る部分は多々ありました。良いと思います。
しかしながら、踏めるはずなのに踏めなかった「胸ならいつでも貸してやる」や、目立つ割に他パートと重要度が変わらないセリフパート、あと「嵩増し」の脱字。そういった致命的なケアレスミスが積み重なってアベレージを下げ、75日本語ラップ至極ポイントという結果となりました。
これが二流ライマーの最底辺だと思ってもらって結構です。配信や楽曲内、その他公の場で一流のラッパーを名乗るのであれば、この程度の点数は当たり前に越えてください。
あとお前、「神になる」とかライトみたいなこと言うなら相応の努力はしろよ、脱字がある時点で足元にも及んでないからな。
まぁそんな感じです。以上、押韻分析でした。
福韻書 (リリック解説)
さて、ここからはリリック解説です。いや日本語ラップなのに「リリック」とかアメリカ語使ってるの意味分からんか。さては英語帝国主義か?
さておき、今回はライムメモをコピペしてきた関係上、結構分かりやすい歌詞の構成になっているので、その構成ごとに歌詞を解説していけたらなと思います。
また、理解力の無い方や、ラップの独特な省略の仕方及び婉曲表現に慣れていない方、または単に元ネタや言及元を知らないという方のために、少しやり過ぎな程度に解説をしていこうと思っています。
それじゃ、やっていきましょうか。
暴牛 to なるせ
0:13~1:22までが、なるせへ向けたパートになります。
まず言及元ですが、これは「nqrse] ルーマー(Rumor) うたいました」のリンク先の部分、「satellite」の発音になります。
原曲の「Rumor ルーマー - ポリスピカデリー feat. GUMI / Police Piccadilly」ではこうなっています。(リンク先参照)
少なくとも私の耳にはGUMIの発音は「サテライト」と聴こえます。もっといえば、「sa」の母音「æ」を「a」っぽく発音しているように聴こえます。そもそも綴りからして「a」っぽいですが。
(ていうかここ、フラッピングが起きてるからカタカナ表記するなら「サレライト」になるのか、また勉強不足を晒していますね私。
↑ こういう部分を的確に責めつつ、自身が相手よりも精通していることを端的に示すのが、ディスの基本的な攻め方だと私は思っています。ので、ディスラップ制作志望の方は参考にしてください。)
よってここの4小節は、
・なるせのアメリカかぶれ的なアティチュードへの責め
・原曲を聴き込んでいないのではないかという歌い手としてのアティチュードへの責め
・ミスに気付く分、まだ私の方が英語出来るんじゃないの?という煽り
・言い訳しても恥を重ねるだけだぜという教科書的な煽り
などの要素が詰め込まれています。
※中卒ゆえに箇条書きが上手く出来ません。読み辛かったら教えてください。
ラップにおいて、今行ったような自虐は基本的に裏切りの展開のための伏線に使われます。
「俺はダメダメだったけど~~」という前置きをしてから、
1,「~~今は改心して良くなった」(感動ポルノ系でよくある)
2,「~~お前は俺が出来てることすら出来てない」(反動技系統のディス、今回使ったのはこれ)
3,「~~逆に今も変わってないがそれでも良いんだと気付けた」(深いこと言ってる系、現実を肯定する教訓モノによくある)
といった具合ですね。
なので、私がディスラップとその解説をしているという側面を強く意識して※以降の注釈を読むと、「中卒ですら気付く発音の間違いに、英語ハナセマスーを売りにしているあなたは気付かないんですか?」という煽りとも取れます。
ただ、頭足りなくて箇条書きが苦手なのは本当に悩んでいることなので、本音半分煽り半分といったところですね。こういう人をおちょくる姿勢も信者の方には効果抜群だと思いますので、ディスラップをする際はこれらを理由に私の言動を非難し、勢い余って人格否定まですると良いでしょう。(そうすると今度は私が「私は人格否定まではしてない」とカウンター出来ます。)
メッセージが先行しがちなラップ楽曲について、作品から相手の無自覚な欠陥を見つけ出し、そこについて言及するのがディスラップのセオリーの1つです。無自覚な部分を見つけ出す、というところまでは文芸批評の在り方にかなり近いですね。
「消せない誤用」について。
「誤用」はセテライトという発音の誤りを表しています。
「消せない」は、ネットに投稿してしまった作品は無かったことには出来ないよねという意味を込めています。
あと一応補足ですが、「GUMIの発音」の「GUMI」とはボーカロイドの名称です。「Rumor」でボーカルとして使用されているというか、原作者ポリスピカデリーさんちのボカロの一人がGUMIなんですよね。
(全然関係無いですけど、私は闇音レンリの歌ってる4曲が好きです。
「曖昧さ回避」「Cynic」「Sugar Guitar」「ナーヴ・インパルス」
歌ってみただとこの人たちのが個人的に好きです。(私の行いを理由にした誹謗中傷は止めてね。)
「曖昧さ回避 (有倉佐紀)」「Cynic (LOLUET)」「Sugar Guitar (ゐづ Izumi)」「ナーヴ・インパルス (菅原白湯)」)
ようは「言葉ばっかり沢山並べちゃえるけど、中身有るのはひとっつも無かったな」ってことですよね。
躍動感とはそのままなるせの、というかニコラップ特有の、アクセントが効き過ぎてもはや何言ってるか聴き取れないフロウのことを指しています。冒頭に述べた日本語ラップの定義として、日本語のリズムを云々とありましたが、それ以前に歌詞カードが無いと内容が分からないというのは相当なハンディキャップですから、理由が無いなら止しましょう。
そして結果、彼の信者 (まぁ彼に限らずなんでしょうけど) にとってラップと歌詞が別々に受け取られてしまい、それによってラップを鑑賞する耳が育たないまま、言われるがままに推しはラップが上手いんだ吹き込まれ、吹聴してしまうわけですね。
その証拠として、前作のディスラップへのなるせ擁護コメントは、ラップの出来などどうでも良いという考えが透けて見える意見ばかりでした。
↑ これは彼の曲の内容、つまり歌詞の意味の部分だけを見ている意見ですね。「ラップ込みのオリ曲」という発言からも、なるせのことをラップをメインにしている人ではなく、他人に上げてもらわないといけないような自身の自己肯定感を介助してくれる曲を作ってくれる人、と認識していることが窺えます。
↑ この人も「ラップとしてどうかとかより」と、ラッパーに大事なのはラップの実力ではなく再生数であると主張しています。聴いた人が良いと思うかどうかは好みの多様性の話であって、ディスの根幹にあるのは、技術も無いのに知名度に頼ってゲタ履いてんなよという、ラッパーとしての矜持の話ですから。「世間の評価」を悪用濫用して穢すなという主張に対して「それが世間の評価だから」が返答になっていると思っている時点で話にならないので、日本語読めるようになってから出直すべきですね。そもそもラップを書いたことも愛したこともない部外者にとやかく言われる筋合いは無いですが。
↑ この方も同様、「〔なるせは〕ラッパーとはいえないので」とはっきり言っていますね。これ煽りコメントなのかな?と思ったんですけど、別に私に噛みついているわけでもないですし、ただのお気持ち表明なのかな……。ちょっとこの人は何考えてるか分かんないですね……どういう意図のコメントだったんだろう……。まぁタレントとしての彼をどう思うかは自由だと思いますし、私はあくまでラッパーですから、そこをとやかく言うつもりは無いので、安心して節度ある推し活をして欲しいですね。
↑ 一番マシな人でしたこの方は。noteが挑発的で不快な内容であったことは確かですしね。怒りに任せて文章を書かない方がいいということを教えてくれて感謝。
問題は、「ラップの実力を分かった気になっていること」ですね。
「実際至極さんのラップが上手いのは理解できます
しかしヒップホップの文化としてbeefを起こすなら自信 (自身) が実力のみあった方とするべきと思います」
まずここで私となるせの力量差を正しく認識出来ていないですね。これは単にこの人がラップを聴く耳が育ってないというか、韻やフロウが韻律によるものか音楽的なものかの区別がつかないことが原因だと思われます。日本語ラップの音に於ける質の高さとは韻律によって判断されるものであり、キャッチ―なメロディが作れるのは作曲家としての実力であってラッパーとしての実力ではありません。そしてこの韻律の操り方がラッパーとしての実力であり、それを見極められるのがラップを聴く耳です。(見極める耳とはこれ如何に。)
例えば志人と私を比べて私の方が劣ってるとか言うならまだ分かりますが、この人はあろうことかSee meの時のなるせと私を比較して、私の方を過小評価してますからね。ラップを聴く耳が無いのは明白でしょう。
またその証左として、
「初心者にも分かりやすい押韻やテンプレート的なバース」を評価しています。基礎的なことしかやってないから叩いているのではなく、基本が出来ていないのにイキがってるから叩いてるんですが、これもラップを聴く耳が無いと分かりませんからね。仕方ないと思います。
そもそもこの人の主張の着地点は「マーケティングの勉強をしては」ですからね。ラップの話は興味無いんでしょう。残念です。
とまぁ、こんな具合で、勇気を以てなるせを擁護してくださった方々は悉くラップに興味の無い方でした。
"歌詞"の擁護はすれども、誰も彼も「ラップの中身」について擁護はしていませんでしたね。まぁそういうマーケティングをなるせはしてたんでしょう、ファンが自分をラッパーとして擁護する際も、言い訳みたいにラップの実力以外を評価して並べ立てる苦し紛れの方便がそのマーケティングの成果であり、「正しい評価」なんじゃないですか?
あと、言い逃げ出来るのをいいことに他人を挑発するだけしてだんまり決め込んでる上記の4人とあともう1人には、後述する暴牛 to 信者パートで懇々と説教垂れてあげるので、もし本人が居たら読んどいてください。
少々脱線しましたが、この2小節は、実際に私の動画に寄せられたコメントを証拠に、「誰もあなたをラッパーとして見てないらしいですよ。」もしくは「誰もあなたのラップに喰らってないらしいですよ。」というディスをしているわけですね。ここまで来たらディスというより事実の指摘って感じしますけど。
お粗末なラップ芸をしたところで、誰もそれに向き合ってくれていない。これは本心からの同情ですが、ラップを愛していない人たちに囲まれながらマイクを握る虚しさは想像を絶するものだろうと思います。ラップ以外の配信活動で視聴者からの反応が沢山返ってくるという蜜を味わっている分、その落差は相当堪えるでしょうね。
「いつしか死んでた 君が信じた倫理や審美眼」という前作のライムが時間差でやってくるなこれは。RIPします。
前半2小節は結構ストレートな表現なので多分伝わると思っています。あぁでもラップに興味の無い方は「半端」の後ろに「~な行い」「~な野郎」みたいなニュアンスが付け加えられてることに気付けないかもしれませんね。
「気取んのラッパー」に繋げれば「半端なラッパー」と解釈することも出来ますし、「視聴者さんら引き込んだ」ことを「半端な行い」と批判している見方も出来ます。正直この「半端」はどちらにも掛かるようにしているというか、ディスラップに於いて汎用性が高い語で着地させたという感じなので、具体的にしようとすると混乱しますね。
でもまぁラッパーとしてのアティチュードや行いが「半端」だ!と云っているのは伝わっているはずなので、大丈夫だと思います。いや分からんけど……まぁどうせ伝わらないんだろうな私の言葉なんて……こういうときに大勢にアンケート取れたらいいんですけどね、
みたいなね。
(とはいえ、この「回答文がテンプレートなせいで質問に対して不自然な答え方にならざるを得ない5択アンケートあるある」ボケも通じないだろうし、このボケが通じないなら私の作品の意図も通じてない蓋然性は高そう……。)
「バイリンガル気取り」はまぁ分かるでしょう。英語風に発音を崩した日本語だったり無理に英語の歌詞を挟み込んでみたり、普通に成瀬とかで良いのにわざわざnqrseとかリート語を使って「おれアメリカのノリとかも詳しいんでw」アピールしてみたり、ラッパー活動以外の節々にもそういうところ出てますよね彼。まぁ切り抜きでしか勉強してないのでもしかしたら違うのかもしれませんけど。
「配信者すり寄り催眠ガスみたく『rhymin'』か?パンピー」ですが、これは冗長な日本語に訳すと「ラップの良し悪しも分かんない配信者に自分ラッパーなんすアピールしてキャラ売りするのに精力的ですね、一般人並みのスキルなのに」みたいなニュアンスになります。
素人に見栄張ってそれを信じさせることを「催眠ガス」と例えています。「『rhymin'』」はラッパーアピールですね。「パンピー」は一般人というスラングです、これも若干死語なんだろうな。「すり寄り」はシンプルな情景描写のためと、相手の背後から近づいて催眠ガスを吸わせるを想起させるために採用しました。これにより日本語ラップの看板を勝手に使って泥まで塗るような売り込みに、映画で悪い奴らが催眠ガスを吸わせてるくらいのマイナスなイメージを持っていることを表現出来ていると思います。私説明下手なので、多分リリック見返してもらった方がピンとくると思います……。
流石に説明要らないと思います。
あ、まぁ英語を売りにしてる癖に英語もままならんのとちゃうんけ?という意見をしっかり踏み固めてはいますね。冒頭の「セテライト」の件といいバイリンガル気取りというワードにもそれは表れていたんですけど、ここでもう一度再確認しておこう、みたいな意図はあります。
「ならまず言語から学んでこう」も、私が推奨しているのはあくまで悔い改めることであるという意志表示になっているかと思います。この後も度々「悔い改めろ」と出てきますが、これは煽りでもなんでもなくて、間違いを正してより良い方向へ向かえと言っているだけなので、誤解なきよう。
今曲でディスした全員に対して、「ラップ舐めんなシャバガキが」という敵対的な気持ちと「俺たちで日本語ラップを盛り上げていこうぜ」という友好的な気持ちを同時に抱いていて、アンビバレントな心情のままリリックを書いているので、たまに情緒不安定になります。
(※ここもディスポイントですね。あなたが「創作は曖昧な気持ちのままやるもんじゃねぇ、敵対するなら敵対するで一貫してその姿勢を貫くべきだ。」みたいなことを思っているのなら、そういう切り口で攻めるのをオススメします。まぁそう来たら「幾度となく敵対し合戦は目的でなく、日本語ラップを溺愛し発展が理想の明日」みたいにカウンターしますけどね。
(「幾度となく/日本語ラップ/理想の明日」「敵対し合戦は/溺愛し発展が」))
最後の「ついでにil~ってなさい」は尺合わせです。元々なるせディスだけの予定だったんですけど、絶妙に尺が合わなくて倍の尺でやることにしたんですよね。で、批評記事も書いててある程度言いたいことが決まってる2曲に白羽の矢が立ったわけです。めちゃくちゃ立ってほしくない白羽の矢ですよね。「Mont4ge」に関してはビートジャックする予定で書いてたライムストックもあり、尺が埋まる見通しが立ってからこの部分を書きました。韻踏めてないのは尺が短すぎることと詰め込まないといけない固有名詞が多過ぎたことが原因ですね。計画的な作詩が大事だなと実感しました。
タイトルの通り、「レモネード」に対するディスですね。
動画内のテロップにもある通り、当該曲の1:50~1:57の読み間違いについて怒り心頭である旨を語っています。メロディのために訓読みを音読みに、というか本来とは違う読み方をするのは言語道断、HUNTER×HUNTERの技名とはわけが違いますので。それをするならJ-RAPの下層、第5層へどうぞ、せいぜいエイ=イ一家に気を付けて。
「もしかした~鍛えるときだ」は、漢字もまともに読めないんだから小学校からやり直してこいという強い非難ですね。
「置きなマイク 針上げな」ですが、ここだけ急にHIPHOPではお馴染みのジャーゴンに近い表現を使っています。
よくHIPHOPかぶれのラッパーたちが「マイク一本でどーのこーの」と言っていますよね。またレコードを再生する際の針をレコードの上に落とす動作を「針落とす」などと呼び、ラップをするためのビートを流すことを指していたり、単純にビートを流し始めることを描写したりします。
今回は「読み書きすらままならない状態でラッパーをするのは無理があり過ぎる、とりあえず手に持ったマイクを床に置いて、自分の声で汚されるのを待つビートも止めなさい。」ことを伝えるために、マイクを「持つ」のではなく「置く」、針を「落とす」のではなく「上げる」べきだと言っているわけですね。
そして「✕音読み」を書き足せ、と書いています。これは「私は私だ」のところに、音読みをしないという意味で、バツと注釈を自分のリリックに書いてこいという叱咤です。
当て字で「しはしだ」って読んでることくらい分かってるんですよ。そのうえで、ラップすんなら言葉を遊びもんにしてんなよ、お前は野球するときもグローブ改造すんのか?と怒りを露わにしているわけですね。
あれで自己肯定感が上がるってことは本当にどいつもこいつも日本語にもラップにも興味無いんでしょうね。客様気取りかアイドル気取りか知らんが、んな奴らが一丁前に文化支えてる気になってんじゃねぇぞ他所者が。
最後2小節はそのままの意味ですね。
日本語を勉強し直して、悔い改めて、「とっぽい素人」という汚名を返上してくださいねというラインです。
1行目と2行目は「VVS / nqrse × ローレン・イロアス ( self cover )」についてです。
これは歌詞についての感想なのですが、配信者なら誰でも言えそうなありがちな話を抽象化しているように聴こえました。まぁこの曲は元々葛葉と叶というVtuberのユニット「ChroNoiR」のオリジナル曲として描き下ろしたものらしいので当たり前と言えば当たり前なんですが、言葉を沢山使えるラップの持つ「歌詞で具体的かつ固有のストーリーを展開する」という強みを全く活かせていないように感じました。
ラップパートのトリにある「たまに苦労掛けたな すまねえ 未だ口にしない この手離すまで」というラインも、キャラクターの固有の部分ではなく2人の関係性だけに着目して"エモさ"だけを一人歩きさせたような印象を受けました。というかこれこのライムが先にあって、後からうってつけの仕事が来たからそのままお出ししたんでしょうね。じゃなかったら「ひどい終わりの童話」の内容にも、「たった1人」で遊んでただけなのになぜか苦労掛け合っていつの間にか信頼を築いているのにもなんの言及も無い、風呂敷を広げるだけ広げて尺が来たんで匂わせだけですみたいなライムにならないと思うんですよね。私がChroNoiRに詳しくないからこの空白部分を補完出来ないだけなんでしょうか?(反語)
とはいえ、空白部分があるというのは別に問題では無いんですよね。作者が余白を持たせて作った作品の隙間に、視聴者が自己や物語や解釈を投影して更に作品に深みを持たせていく。ゆえに空白部分が存在すること自体は何も悪くないのですが、ただあまりにスカスカ過ぎる。なぜスカスカかというと、肉付けの部分である個々人の掘り下げや具体的なエピソードが出てこないからですね。骨組みだけしかないことを無限の可能性があると解釈するのは簡単ですが、キャラソンみたいなものを作るときまでそれをする意味、意図が分かりません。恣意的に切り取られ、それぞれが独立している一瞬の場面場面をただ並べただけ、なぜこんな表現を選んだのでしょうか。
嫌味な言い方をしてしまいましたが、これが私が「ぼやけた描写」だと感じた背景になります。一度VVSの歌詞、主にラップパートを聴いてからここに戻ってくると、納得してもらえる方は多いのではないでしょうか。
こういう、ぼかしを掛けて誰にでも当てはまるようにした歌詞というのは昔から歌謡曲の鉄板作詩方法ではありますが、それをわざわざラップでやる意味ある?ということですね。
そんな「ぼやけた描写」を加工でどうにかしようってのは、このときの八虎と同じですよ、やめた方がいいですよ、と、このラインは始まっていきます。
(とはいえ、こういう芸術に過剰に意味を持たせる風潮も、創作が窮屈になりそうなので疑問は残ります。が、自由を言い訳にテーマを深く考えず、行き当たりばったりで創作する自己満姿勢が蔓延るよりはマシでしょう。
これは持論ですが、大抵のことは「意味」を求め始めると行き詰まります。だって全ての営みは無意味ですから。行き詰まらないときは「意味」ではなく「意義」を求めています。それでも自分に「それやる意味ある?」と問うのが大事なのは、それが自分の本当にやりたいことを見つけることに繋がるからだと思います。自身の活動、創作、人生に意味を求める。その抑圧を押し退けるほど抑えきれない魂の叫びを引き出すのが、この考え方がもたらす恵みなのではないかと、私は考えています。)
(※ちなみにオートチューンはサビでガッツリ掛かっています。)
「私が削り出した韻 煙に巻いてすり替え?」というラインですが、これは同曲VVSの「纏い付くルーマー 煙に巻いて1抜けよう」という歌詞をサンプリングしています。
前半の「セテライト」のくだりは「Rumor」という楽曲の話でしたね。そのタイトルとVVSの「纏い付くルーマー」を紐づけ、自身に都合の悪い「貴重な意見も『boomers rumors』と切り捨て」、指摘に対して「そんな指摘すら気にしない俺のタフネスぱねぇw」と論点を「すり替え」る姿勢を揶揄しています。
そしてその姿勢、コメントでネチネチ文句を言うのではなく、ラッパーとして向き合うため限りある韻を削り出した私の意見を煙に巻いている姿勢を見て、目くじらを立て苛立っているということを表したのが、次に続く「目くじら苛立ち絶える火無し」というラインですね。
火という単語には怒りのイメージがあります。漫画の影響なのかな。
その怒りの火は消えるどころか、その煙に巻く姿勢によって更に勢いを増していきます。
次行の「増えゆくFuel」。Fuelとはまきやガスなどの燃料を意味する名詞です。私の怒りは更に増していく一方であることを表しています。
また、これは小ネタなのですが、この燃料が増えていくという表現はEminemの「Eminem - Fuel (feat. JID)」から着想を得ています。
参考にしたのが和訳動画なので、二番煎じの知識を披露しているみたいで恐縮なんですが、「増えゆくFuel」の元ネタはこれになります。まぁ分かる訳がないし、分からなくても問題無い枝葉末節な作り込みなので、動画内では紹介せずここで触れるのみとさせていただきました。
次に続くのは、その煙に巻いた姿勢以外で私が怒っていることについての説明です。
「崩れる音韻じゃ進めぬのにさ 続ける凡人のレイブに酔いしれた盲信者 ヘッズ匂うシンナー」
日本語ラップとは、フロウとは、韻律によってなされるものであることは再三説明してきました。その韻を踏み外す、「崩れ」てしまえばフロウやそれによって生まれるグルーブは途切れてしまいます。韻による推進力を失ったライムは「進め」ないのです。それにも関わらず歌詞を「続ける」のは、途中で進めなくなるような「凡人」並みの技術しか持たないなるせです。
レイブとは、多幸系ドラッグをキメながら行う屋外での音楽ライブイベントのことです。ラップ的なグルーブは無くなっているのにも関わらず、そんななるせの楽曲を聴いて陶酔している盲信的な視聴者に対して、まるでレイブでラリってる若者のようだなというのが、後半部分のディスになります。
シンナー、については説明要らないかもしれませんが一応。シンナーというのは塗料の薄め液、有機溶剤の名前なのですが、これを吸引すると酒を飲んだときのような酩酊感が味わえるんですね。それが若者の間で「シンナー遊び」という名前で大流行したそうです。愚かの一言しかないですね。私からすればなるせのラップに酔いしれているヘッズも同じことですよ、というのがこの部分に込められた意味です。
(※参考サイト「シンナーと危険ドラッグを解説」
参考文献「有機溶剤乱用による動因喪失症状群とその治療」)
「お前の声色の為すトランスでご愛嬌とはいかないト書きのご法度
『英語風な適当日本語では、全国誰にも聴き取れません。』」
トランス(trance)とは、催眠状態のようなことを指します。トランスミュージックというジャンルの音楽が、それこそレイブでかけられていたそうです。
直前のラインで「視聴者はレイブで騒いでいる若者のようだ」と表現しましたので、それに続いて「なるせの歌声にはトランスミュージックのシンセのような魅力があるのかもしれないね」と、歌手として評価しています。ラッパーではなく。
ト書きとは演劇用語で、台本に於いてセリフ以外の動作などを指示したり注意を促したりする部分のことです。
(画像コピペ元記事→「ト書きとは-脚本を読み物として楽しむススメ-」)
続く「」内のラインは、そのト書きによって注意されている、ラップに於けるご法度を意味します。それが「英語風な適当日本語では、全国誰にも聴き取れません。」なわけですね。
一貫してディスしているこの英語とも日本語とも取れないどっちつかずな発音、そんなことでは誰にも聴き取れない、誰にも届かない、聴いてくれている人にすら何も伝えられないのだという注意喚起を行っています。
英語のラップと日本語のラップの大きな違いは、そのフロウにあります。リンキングやフラッピングからも分かる通り、子音によって阻害されることを嫌う英語は、ラップに用いられた際、流麗で淀みないグルーブを生むことが特徴的です。それに対して日本語は基本的に一音ずつ粒立たせて聞かせることが前提の言語であるため、早口でかつ子音や母音を省略したり繋げたりされると聞き取ることが難しくなります。滑舌悪い芸で有名なプロレスラー天龍源一郎氏の笑ってはいけない24時での動画とかを見ると分かりやすいと思うのですが、音と音の間に隙間というか、境界線のない喋り方をしていることが、天龍氏の早口を言葉として認識しづらくさせている原因だと、私は考えています。(あと電車のありえんくらい早口のアナウンスとか魚市場のせりとかが素人に聴き取れないのも同じようなことだと思います。)
つまり、日本語と英語では、言語として認識させるプロセスが異なるということです。にもかかわらず日本語を英語のように発音してしまうと、ただただ聴き取りづらい日本語になってしまうというわけなんですね。
認識しづらいものはダサいです。これはデザインや書道など、視覚的な印象を伝えなければならない業界に於いては、みんな無意識ながら気付いていることだと思います。ラムダ技術部によれば「認識に戸惑わせることでダサく感じさせられる」ともあります。
私が英語風な、というか、なるせに限らずUSのラップを翻訳するだけのラッパーもどきが嫌いな理由の1つがこれです。英語を印象的に聴かせるために発展してきたUSラップの、その上澄みだけを掬って日本語に当てはめたところで、それはUSラップの猿真似であり、日本語の韻律を音楽に昇華させる日本語ラップとはその出自、目的からして別物であるというのが私の見解です。ラッパーのコスプレイヤーもどきという蔑称はこの見解から来ています。きちんと言うなら「USラッパーのコスプレレイヤー気取り」ですね。すっぽんはすっぽんとして評価されててください。すっぽん鍋が美味しい、食べられるから実用的、というのを根拠にすっぽんが月より優れていると主張する意見が多過ぎます。
そして、「外来種ソングが滞在し淘汰 ワナビーと大元は大概にしようか」です。前述したUSの翻訳ラップ、もしくは英語に寄せたラップを外来種と比喩し、それが日本語ラップシーンを食い荒らしていることを前半で表現しています。アメリカかぶれの出羽守を「ワナビー」と揶揄し、そしてそれを生む、助長しているインフルエンサー、アーティストに対して「ふざけんのも大概にSayよ」と云っているのが後半です。
(ちょっと俗語が多いので解説をば……。ワナビーはwanna beからくる外来語です。或るものに憧れ、それに成りたがってはいるものの、口だけで結果が出せていなかったり、上辺だけ真似していたりするものを嘲笑するスラングです。出羽守とは「アメリカでは~、日本では~、東京では~、第3宇宙では~」といった具合に、他者を引き合いに出して持論を展開し上から目線で講釈を垂れる人の事を揶揄する俗語です。「~では」ばっかり言ってるからですね、よって「ではの神」と解釈する説もあるそうです。「大概にSayよ」は配信者ボドカ氏のミームです。)
そして一通りディスった後、これがなんの曲に対してのディスだったのかが開示されるのが「VVS 君に言ってる」というわけですね。ここで曲名を出したことで、この次のラインに繋がっていきます。
その前に「胸ならいつでも貸してやる」という全然韻踏んでないセリフ調の手抜きラインがありますね。押韻の甘えについては前章「ライムスキーム(押韻構造)」で解説したため割愛します。
ここをセリフ調にしてまで伝えたかったことは、日本語ラップに向き合うなら私はいつでも手を貸しますよというメッセージです。楽曲内で繰り返し言っている「悔い改めろ」もそうですが、当楽曲は舐めた姿勢を非難すると同時に、活動者や信者に対して更生することを強く推奨しています。まぁ更生しなかったら下手くそなり節穴なり貶すので実質脅しみたいなところあるんですが……目的は処罰だけでなく、最終的には日本語ラップの発展を望んでいることを要所要所で主張しています。
楽曲制作よりはるかに面倒な解説記事と日本語ラップのやり方講座を執筆していたり、擁護派にアンサー曲制作の手助けをしているのも、日本語ラップの発展を望んでいるからに他なりません。
金稼ぎや余興のためのラップ芸ではなく、芸能としての日本語ラップを興隆させたいです。そのポテンシャルが日本語ラップにはあります。USの物真似をして小銭を稼いでいる場合ではないです。
脱線しましたが、今言ったような志が、以降のラインで顕著に露われていきます。
「ローレン・イロアス、葛葉に叶 当面気負わずぶつかり給え 挑戦し伸ばす蔓巻き栄えども縁起逃す『踏む』欠いた真似」
ここで名前を出したのはVVSを歌っているVtuberです。オリジナル曲として提供された葛葉と叶はもちろん、ローレン・イロアスは作曲者であるなるせと供に歌ってみたを投稿しています。そしてその3人に対し、私はいつでも胸を貸すぞということを伝えるために「気負わずぶつかり給え」と言っているわけですね。もちろんこの3人に限らず、日本語ラップをしたいという方には出来る限りの手助けをします。
「挑戦し伸ばす蔓 巻き 栄え」は暗喩です。蔓はラッパーや日本語ラップ文化を指しており、それが支柱に巻いて高く広く覆うように栄える情景を指しています。
けれども、日本語ラップに於いて最も重要な「踏む」つまり押韻を疎かにしては、縁起を逃す、つまり神に見捨てられ衰退の一途を辿るであろうという忠告が後半部分です。
このように前後のライムを関連させながら展開していくやり方を私は好み、またかなり高く評価しています。これは押韻とはまた別の軸の、リリックを詩として見た時の評価です。
ラップのリリックはこの押韻技術とメッセージ性の2つの軸によって評価されるべきだと私は考えています。
メッセージ性だけならブログや小説、その他どんな表現方法でも良い訳ですからね。"それをラップでやる意味"という視点の無いアーティストはラッパーではなくエッセイストとでも表した方が正確なのではないかと思います。犯罪自慢や治安の悪い生まれ育ちを語るだけならラッパーではなくヒップホッパーとでも名乗るべきでしょう。自分の意見を伝えるだけの活動に、日本語ラップを芸能として発展させたいといったラップ主体の動機は含まれていないはずです。「単に好きだから」で良いのでもっとラップを大事にしてからラッパーを名乗って欲しいですね。
前半は言葉通りの意味です。強いて言うなら、先ほどの「盲信者」という表現と「改宗」「私が神になって」という表現が繋がっているくらいですね。
仮想世界線舌戦の用語解説でも触れましたが、この「私が神になって」「日本語ラップの神となり」はEminemのRap Godのサンプリングですね。論旨とは関係無い小ネタです。
そして、ラップを「芸」と表現しました。更に直前で「栄え」という語彙も使い、ラップを文化として捉えていることを垣間見させています。
「培われた悠久の時想い」とは、日本語ラップが発展してきた過去、またはこれから芸能として発展していくであろう未来について視線を送っているわけです。
そして、最後の「掘り起こし」ですが、これは落語の用語です。やられなくなった古典落語を復活させることを言います。
(参考記事:あかね噺-第86席・新風会-感想)
仮に培われた芸が失われたとしても、様々な方法で復活させるし、そうするべきであるという、文化としての日本語ラップの土台の強さをアピールしているわけです。
まぁただ、まだそうなってはいないので、これから落語のような伝統芸能にしていくぞ!という抱負でしかないのが現状ですね。
怒涛のワンピースサンプリング。マザーフレイム以外は全て空島編、というかエネル関連のサンプリングをしています。そもそもエネルのモデルがEminemですしね。
空島では大地のことを「ヴァース」と呼びます。これはラップのverseから来ていると考察されていて、作中でエネルが「限りない大地 (フェアリーヴァース)」を目指すのも、エネルのモデルがEminemであり、永遠にバースを蹴るということに掛けているとも言われています。それを受けてかEminemもRap Godにてルフィのことを指すようなフレーズを使っています。
「雷神 (アマル) 」とは、エネルが作中で見せた技の名前です。「伝来」は外から伝わってくるという意味で、これもビルカからスカイピアにやってきたエネルと、急に「なるせラッパーとする界隈」ひいては「フェイクをラッパーとし、日本語ラップの看板に泥を塗る界隈」を潰しにやってきた私を表しています。
最後の「宝船」は七福神が乗る船ですが、これはエネルの乗る箱舟マクシムにも掛かっています。また、シャンディアの黄金郷の黄金をふんだんに使ったマクシムを文字通りの宝船とする意味でも使っています。詳しくはワンピースを読んでください。
「踏み固めた大地」は文化の土壌、土台を強固なものにするという意味と、固く押韻されたバースの2つを指しています。
そして文化の土壌を耕すことで作物、つまりは作品を育て、その結果収穫出来る、極まり長く踏まれたライムを、ワンピース作中で最も威力のある「マザーフレイム」に例えた訳ですね。(本当ならエネルの技名で韻を踏みたかったのですが、「万雷 (ママラガン) 雷迎 (らいごう)」だと語感が悪く、他に「ああう」で始まる技名も無かったため断念しました。ちなみに私の知る限り雷迎の威力はマザーフレイムに次いで作中最大。)
「我が神なり」はエネルの代名詞といっても良いセリフですね。雷と神なりの掛詞です。
「重なる言語」とはつまり韻を重ねたライムのことを指し、そうして音同士、言葉同士が「絡ま」って出来た音色は、宝船に乗せられるほど素晴らしい宝物であり、私はそれを「讃えたい」という旨のラインですね。
ゆえに「宝船にも乗りますね」というのは、良いライムが宝船に乗るほど優れた宝物だという意味と、私は神なので宝船にも乗りますよという2つの意味が掛かっています。
あと余談なんですけど、この「乗りますね」の録音時、何回やっても某男優の「やりますねぇ!」がチラついて地獄でした。最悪のチラリズム。一番録音が難しかった箇所でしたが、なんとか「〇〇しておきますね~」「ちょっと通りますよ~(cv.くぷら)」みたいな砕けたニュアンスまでもっていきました。それによって「いやこれくらいなんでもないッスよ~」みたいな軽薄な感じが出て、嫌味っぽく聞こえるように頑張りました。まぁでもこの解説見たら「乗りますねぇ!」にしか聞こえないと思いますけど。なんというお呪い。なんという詐欺!
一行目がちょっと難解ですね。「質すテーマ」は文字通り、そのテーマ、コンセプトについて深く考えろという意味です。「質すテーマ欠けたら死体」は、そういう制作の前段階の構想や、そもそもテーマ自体が欠けてしまっては作品としては死体同然であろうという意味の注意喚起です。
さらに注意喚起は続き、「生漬韻を並べた間違い」に繋がります。ようは練り込みが足りないと言っているわけですね。表現や押韻の詰めが甘いライムを、漬け方が充分でない生漬けに例え、それをリリックとして並べることを間違いとしています。そしてそれをやっているお前は間違ったことをしている、というディスに繋がります。
それは頭の振れない、乗れないラップを聴かせるレベルにするためメロディに頼ったフレーズに繋がり、先ほどの「重なる言語」によって生まれたメロディとは月とすっぽんであると言っているのが「頭振れんのを執り成すメロディ?」です。
あらなるめいはあらき、なるせ、めいちゃんの3人の歌い手からなる歌い手グループの名前です。切り抜きとアイドルの歌ってみたしか視聴してないので詳しいことは知りませんが、まぁグループ活動をするくらいなので仲は良いのでしょう。
なるせはこの中でラッパー枠としてキャラを立てているようですが、そんな「間違い」のラップをしていたらそのグループともお別れしないといけないよ?という煽りが「あらなるめいも ハバナイスデイ」ですね。まぁここは額面通りあらなるめいもオワコンになっちまうぜwみたいな意味で取ってもらってもいいですが。
一応補足ですが、ハバナイスデイはhave a nice dayのことです。学校で習ったと思います。「良い一日を」転じて「さようなら」ということですね。
あと最後の「ブッ」みたいな音はリップロールです。いや厳密にはリップロールではないんですけど、まぁ転失気の音真似というか、中指立ててるみたいなものですね。当初はメッセージ的にブレかねないので蛇足かなと思っていたんですが、音的にビートにハマってたので採用を決定、直前に「執り成すメロディ」を表すハモリを入れ、それをこの音で中断させることで、「ラッパーがメロディに頼ってんじゃねぇよ」というメッセージを強調することが出来たかなと思っています。
以上で暴牛 to なるせのパートは終わりです。
結構注釈が必要なライムが多かった気がするのですが、動画内では全然触れられませんでした。ここで解説出来て良かったです。
とはいえ、「重なる言語」の「ご」が鼻濁音じゃなかったり、「正しい評価やね」が実は別録りじゃなかったり、録音時に「半端」が何故か「かんぱ」としか発音出来なかったりみたいな発声裏話が出来なかったのはちょっと心残りありますね。まぁその辺は録音時の話であって、リリックの解釈には影響しないので割り切りましょうか。
それでは次のパート、やっていきましょうか。
暴牛 to アンチ
1:57~2:31とイントロ部分がアンチ及び信者や擁護派へ向けたパートになります。あと2:55~3:06もそうなんですが、これはアンチ単体というよりは全員に向けたディスなので、この次の「暴牛 to ill.bell」の項で解説します。
今回はシリーズものというか、いうなれば「なるせをラップでディスってみたw2」なので、続き物っぽい始まり方にしてみました。
前作での私のディス及びメッセージは君たちに伝わっていないのか、それとも理解出来ないから戦いたりといったリアクションも取れないのか、という失望と煽りから始まります。
後半は少し難解ですが、誰も彼もが使う「多様性だから」という言い訳は、結局その問題を見なかったことに、「知らん」といって取り合わなければ平和は保たれる、戦争 (war) は起きずに済むと楽観視している甘さからくる言い訳なのではないかという指摘です。
誰かが「多様性多様性」と言い始めたら、それに連鎖し、やまびこの様に同じことを口にして「多様性という名のもとの画一化」を多数派にしてしまう暴力的なやり口を私は軽蔑しています。そしてその軽蔑を、前作を無視して「自分は自分、他人は他人、でも都合の良い評価だけは受け取ります。」といった態度を取り続けるエセラッパーやそれを擁護する信者に向けているわけです。
ここだけ同じフレーズを繰り返しています。hookにするつもりは無かったんですが、ビートが静かな始まり方をするので、それに合わせるよう、またイントロなので歌詞が頭に入ってきやすいように、徐々にヒートアップさせながら繰り返すという手法を選びました。
1回目は喉ベースとウィスパーボイス、2回目はチェストボイスとAdoが使うような浅い方の、喉の上の方、鼻と口の合流地点くらいで出すがなり声を使って録音しています。ウィスパーボイスは別録りしてしまったせいで、前半2小節と後半2小節で音の距離感が違います。ミスです。録音難しいですね。
これ別に解説要らんか。
あ、分かるはと思いますが冒頭の女声はただの裏声です。加工とか出来ないので……。
のでまた余談を少々。
コラム:ラッパーの語法
あ、あと全然関係無いんですけど、私の座右の銘の一つに「悔い改めるか死か」というのがあります。「死ぬか韻踏むか悔い改めな」はそこから来ています。
【わくわく!】アンチコメントに返信しますのコーナー!
さて、では前回寄せられた素敵なアンチコメントに、とっても心のこもったお返事を書いていこうと思います!
こちらが返信してから何か月も返信が無いので、これは「フリー素材として使っていいですよ」ということでしょう。そのお心遣いに感謝して、この記事がトラウマになるくらいまで人格否定してあげましょうか!
(ここから汚い言葉遣いになるので、苦手な人は次の項「暴牛 to ill.bell」にどうぞ。そもそもこの項は曲の解説と関係無いので、そういう意味でも無理に読む必要はありません。拝読の要否はご自由に。)
まず創作に正しい内容があると勘違いしているあたり、今まであまり芸術に触れてこなかったんだろうなと思います。自己肯定感を上げることだけが芸術の存在価値であり、それ以外は低俗なものとする前提が、この女の見てきた世界の狭さを物語っていますね。
nqrseが様々な活動を通じて築いてきた影響力、それによって実現した数字、1から100までnqrseの努力の賜物でしかないその実績を、なぜこの女は自分のことのように語っているのでしょうか。お受験ママによくいるタイプですよね、頑張っているのは子供自身なのになぜかそれを自分のステータスだと勘違いしてママ友の集まりでマウントを取る材料にする、子供のブランドバッグか何かかと勘違いしている腐った女。
この女がやっているのはそれと同じです。「自分は自分だ」みたいなことを歌っているnqrseを、自分が気に入らない奴を攻撃するために使っている。ようはnqrseのファンは自身の幼稚な攻撃性を肯定してくれる都合の良い言い訳が欲しい奴ばっかりということですかね。その割には腰巾着が板に着き過ぎていますが。
どうせ今までも論点の把握出来ていない馬鹿丸出しの詭弁で相手を挑発して、殴られそうになったら「女の私を殴るとか正気?!」とか言ってたんでしょう。話が通じない相手は殴るしかないんですけどね、それとも自分が話を理解出来ていないことすら無自覚なんでしょうか。こういうアホの相手するのが一番イライラしますね。幼稚園からやり直して来たらどうでしょうか。か弱い女の子は算数ボックスを持つ筋力も無いでしょうから、弱味噌を鍛える前にお外で遊んできてもろて。
自分で喧嘩する気もないくせに挑発だけするようなゴミムシ以下のことをなんていうか知ってますか?「女の腐ったような奴」って言うんですよ。
バカが調子乗って相手の人格を否定することに罪悪感を感じさせないようにするためにnqrseは自己肯定感の上がる曲を作ってるんですか?だとしたらnqrseは暴徒を扇動するテロリストなのでラッパー以前に人として最低ですね。暴動が起こる前に刑務所にぶちこんでしまいましょう。意味分かりますか~?腰巾着が主人の顔に泥塗ってどうすんのつってんですよ~。
まぁどうせ読解力も無いだろうから「長すぎw頭良い人は簡潔に分かりやすく説明出来るんですよwあなた頭悪いんですねw」とか言ってくるんでしょうが。そうやって分かりやすく説明してくれる人の大半は詐欺師なんで、自分が頭足りないがゆえに搾取されるのを甘んじて受け入れれば良いと思いました。
簡潔に分かりやすく説明出来るのはざっくりとした概要だけであって、本当に正しいことを伝える場合は頭が良い人ほど慎重に丁寧に説明するんですよ。じゃなかったら日本でトップクラスに頭の良い人たちが書いた六法は1ページで充分ということになりますからね。「悪いことをしてはいけません」で成立すると思いますか?思うなら冗談抜きで脳味噌に問題が有るのでネットなんか見てないで病院行くかお勉強するかしてください。
で、まぁ仮にこれが「ディスラップを聞いてもやっぱりnqrseくんの方が好き~」みたいな脳味噌お花畑コメントであったとしても、「nqrseのラップはクソ」という主張に対して「nqrseくんかっこいい」とズレた回答してることには変わりないですからね。ラップの話してんのに「でもオリジナル曲が~」とか言われても端からそんな話してねぇんだよアホが。日本語読めん日本人と猿の違いを教えてくれ。
「nqrseのラップはクソ」という主張に「数字取れてる方が凄い」って反論してんのも、物事を表面だけでしか捉えられない考えの浅さが丸出しで見てられんな、ほんまにこいつ同じ人間か?数字取れてる方が優れた作品であるなら一番優れたラップはTokyo Driftやで。それ以下のラップは自己肯定感上げてくれないし数字も取れない無価値なラップなんだろ?なんでnqrseとかいう無価値なラッパーの曲聴いてんの?言行不一致は三島由紀夫を自害に追い込みました。
越冬も禁断の惑星もStreet Dreamsもどうせ聴いてねぇんだろ?数字だけで判断してるうちは本質なんて見れないですよ。あなたは値段の高さでバッグ選ぶんですか?
たった4行だけでもお前が「自分の価値を上げてくれる何か」にしか興味が無いことは明白。nqrseの曲じゃなくたって伸びてるそれっぽい曲だったらなんでもいいんだろ?そんでそれ聴いて良い女気取りたいだけの中身も頭もすっからかんな女なんだろどうせ。自分が好きかどうかじゃなく周りから見られてどうかで聴く音楽選んでるようなビッチにつける薬はないでしょうね。一生周りの目を気にしながら脱走者みたいにビクビク生きて行けばいいんじゃないでしょうか。ちなみに、そういうときは死ねば楽になれますよ。人に攻撃的な態度取って私どころかnqrseの顔にも泥塗って迷惑かけてるような女のどこに生きてても良い理由があるんですか?子供産んでもブランドバッグみたいに扱うだけでしょうし、どう転んでも他人を傷付けるんでしょうね。あれ?自分は生きてて良いなんて、どうしてそんな勘違いしてたんでしょう?
薬に逃げても同じですよ。必要としている人に薬が届かなくなって、ODして緊急外来に不必要な負担をかけて、それに罪悪感を覚えてまた薬ですか?薬やるために産まれてきたならますます音楽なんてお前には必要無かったんだろうな、nqrseの音楽は一ミリもお前に伝わってなかったんだな。
次。
お前の考えた最強のラップが聴きてぇんならお前が己で作れや。こっちが親切心で解説つけてやったら文句垂れやがって何様やねんお前、そんなに日本語ラップが嫌いなら見なければいいんじゃないですか?お前の都合を押し付けられるためにラップやってんじゃねんぇんだよこちとら。何が「でもまぁ面白かったわ」やねん、ちょっとnqrse聴いとるだけのシャバガキが偉そうに、上から目線も大概にせぇよ。
そもそも創作に負けもクソもないわ、仮にあるとすれば伝わったかどうかやろ。自分から耳塞いでおいて伝わらなかったのでお前の負けでぇ~すは調子に乗り過ぎとちゃうか?
そんなにアクセントマシマシで盛り上がりどころが"きちんと"あって聴き取りやすい「音楽」が好きなら一生アイドルラップでも聴いてサビとhookを勘違いし続けとけよエアプキッズが。
てか今見たらコメント消しとるやんけこのクソボケ。怖くなってコメント消したのに動画で晒されてnoteで言い返されて可哀相ですね。それで言われっぱなしですか、ラップで返答も出来ず旗色が悪くなったら逃げの一手。こういうのなんて言うんでしたっけ~?あ、負け犬って言うんでしたね~。「だっせぇよ」
nqrseをちょっと聞いてるだけで他人に講釈垂れれるくらい立派な負け犬はさぞ音楽的なラップが出来るんでしょうね。ところでそれラップって言うんですか?笑「執り成すメロディ」じゃ日本語ラップにはなりませんよ。そもそもの理想がアイドルラップじゃお話になりませんね。
勝手に期待してそれを満たさなかったら逆切れとか察してちゃんと同じじゃん。文体と論理展開からして男なんだろうが、中身はメンヘラかまってちゃん以下、女の腐ったような奴やな。nqrseってのは女の腐ったような奴に人気なんだなぁ~、ろくでもねぇ男なんだなぁnqrseってのは。ファンを見てるとそう思っちゃうな~。
クソみたいなラップ少し聞いた程度で日本語ラップ分かった気になってんじゃねぇよ。勘違いと思い上がりもほどほどにしやがれガキが。無知丸出しのコメントぽちぽちしてる暇があんならグーグル開いてダニング=クルーガー効果でも検索しとけボケ蛙。
次。
はぁ、初投稿楽曲とニコニコからのファンに宣伝しての楽曲とが全く公平に再生回数という指標で評価されてると思ってるんだ。ものごとの背景を考えるっていう能力が著しく欠けているみたいだね。
いいかい?まず私が言っているのは「ラップが下手くそなら一流ラッパーを名乗るな」ってこと。君が言ってるのは「視聴者には好きなラップを聞く権利がある」あたりのことでしょう?どう聴くかどうかの話はしてないの、未熟な奴がプロ名乗ってんなよっていう同業者間の話なの、分かるかな?
そんで技術があるかどうかに世間の評価は関係無いよね?それともあれかな?女性は役職に就かせないべきという世間の真っ当な評価によって、仕事に適性のある有能な女性よりも仕事に適性の無い男性社員が優遇される社会の方が正しいと考えている人なのかな?結局は第三者が見た時にその会社の雰囲気が良いかどうかだもんね。周りの足引っ張ってたり嫁と子供捨てるようなクソ野郎だったとしても清潔感ある身なりと人当たりの良さがあればなんでもいいんだもんね。
なんかそもそも私の主張を理解出来てないからどこから突っ込めばいいか分からんな。なんで世間の評価とラップの出来が一致すると思った?それなら論文より陰謀論の方が優れた学説ということになるが?そういう考えの浅さと、浅くてもどうにかなるように「結局個人がどう思うかどうか」という便利で何も語ってないに等しいカスの自己啓発本のような結論に頼ってきた人生が見え見えなんだよな。
まぁそんだけ思慮浅かったら仕事の適正は無さそうだし、誰かのヒモになっておうちに引き篭もって、ネットに有っても無くても変わんないようなうっすい意見だけ書き込んでればいいんじゃないの?
どうせラップもしねぇんだろお前。行動もしないやつが首挟んでくんじゃねぇよ邪魔臭ぇな。
次。
この子は別に私に敵対しているわけでも無さそうなんだよな。
そもそも「nqrseは歌い手なので」って言ってるし。いやでも「なるせのラップはクソ」ってサムネ見て「上手いかどうかは気にしない、、かな?」とか言ってるから、一応煽ってはいる……のか?単純に話が理解出来てないだけのような気もするが……。なんか、私がnqrseの存在自体を否定していて、その理由の1つがラップの下手さにある、みたいに勘違いしてそう。別にnqrseの歌ってみた活動とか配信活動とかには触れてないですよ。自由にすれば良いと思うので。ただその過程で日本語ラップに泥を塗るなよという主張ですから、ここが変に簡略化されて伝わっているのかなと感じました。
最後のパーレン内の言い訳?みたいなのから察するにまだティーンなんだろうなこの子は。あのね、売れるためには若さは最大の武器だけれども、技術の有る無しに年齢は関係無いんだよ。部活とかだと学年差を飛び越えてレギュラーになったり、学力テストとかでは順位がついたりというのがあるから、知らず知らずのうちに相対的なものの見方をするくせがついているのかもしれない。でも部活で一番上手いのは基本的に監督だし、授業が出来るのは生徒じゃなく先生でしょ?絶対的な実力を測るとそうなるじゃない。
「~なのに」って枕詞が付く時点で、その実力は大したことないと思われているんだよ。
「女社長」って言葉がちょっと前に炎上したんだよね。この言葉は文脈によって「女なのに社長」って意味で使われるときがあって、それが「女」という性別を理由にした偏見、差別であるっていう風に言われてた。「~なのに」って枕詞はそれだけバイアスのかかりやすい言葉なんだよね。
「19歳なのに~」っていう表現だと、「19歳じゃなかったら普通に下手」って言ってるのと同義になっちゃうよ。
あと、「これから上手くなるはず!」という期待を込めてこういう言い方をしているんだと思うけど、芸術、少なくともラップに於いてその言い訳は通用しないかな。「良いラップかどうか」が全てだから。作品で語られていること以外の要素、作者の若さとか限られた制作時間とか、そういう付加価値は飽くまで付加価値の中でしか評価されない。作品自体の価値とは違うところで評価されるので、それは「良いラッパーである」という理由にはならない。評価されるべきは「出来たこと」であって「出来たかも」ではないからね。
加えて、日本語ラップは知識や技術、ユーモアや知性なんかも大事だけど、それ以上に感性が作品の出来に大きく関わってくるから、あまり年齢は関係無いんだよね。それぞれの年齢ごとに良さがあるし、見える世界がある。もちろん立ち返って過去の事を語ることも出来るけど、そのとき語っているのは当時の自分ではなく、当時の自分を思い出している今の自分だから、やはりそのときそのときでしか出てこないラインやフロウっていうのはあると思うな。
つまり、若いからといって作品の出来が良くなるわけじゃないし、その先の成長が約束されているわけでもないってこと。
未だにHappy Halloweenのラップが一番凄いって言われてるってことは、nqrseは19歳の時から全く成長してないってことだからね。
上手いかどうかは可能性ではなく結果で語るべきだと思うな。だから私もラップで語っているわけだし。
あと、原曲投稿から1か月でラップと録音は別に早くもなんともないです。私は録音が尋常じゃなく遅いからあれだけど、ラップの作詞に関しては基本的に1週間もかからないし、多分大体のラッパーはそれくらいか、もっと短いんじゃないかな。
もちろんテーマやコンセプト、ビートから考えるとなると1か月単位でかかることもあるだろうけど、歌ってみたはそれらが全部原曲によって用意されてる状態だから、あとは書くだけ。そして書くだけなら大体1日かそこらあれば書けるから、本当に何も凄くないよ。でも別に早く書けば上手い!ってわけでもないからね、日本刀を何回も叩いて美しい刃文を作り出すように、推敲を重ねてリリックをより美しくしていくこともあるだろうし。
ラップを語るなら一度やってみるといいよ。じゃないと釈迦に説法だからね。あと別にラップ以外のnqrseをディスってるわけじゃないよ。リリックをよく読んでね。
次。
前述しましたが、まず日本語ラップを聴く耳が育ってないので、ちゃんとライムスキーム出来るようになってから私とnqrseのラップを分析してみてください。それをするまでは所詮主観に過ぎないので検討するに値しません。音楽と日本語ラップがごっちゃになっていると思われます。
まず、私がnqrseよりラップの実力が低いという前提で話していますが、この時点で「あぁSee meを聴いてあれをラップだと思ってしまう程度には日本語ラップの造詣が浅いんだな」というのが分かってしまいます。ようは前提から間違ってんでってことです。
ゆえにそれを土台とした主張を成り立ちませんね。
「人気者の逆張り」だとか「目立ちたがり屋」だとかは全て誤った見積もりからくる印象でしょう。nqrse>私という見立てが逆転すれば「調子に乗っている未熟者への忠告」「専門家による注意喚起」という印象に変わると思いますよ。ただの主観ですからね。
ていうか、強者は本来悪なので弱者に寛容でなくてはならないという考え方がそもそもルサンチマンですよね。なんで弱者に合わせて日本語ラップを食い物にしてる奴を黙認しなくてはならないんですか?言葉選びも巧みですよね~「実力は認めますがあなたは弱者です。でも強者の振る舞いをするべきです。」私を貶したいがあまりに矛盾だらけの主張になってますよ。実力があるかどうかも、私が弱者か強者かも、そして強者斯くあるべし論も、全てあなたの主観に基づく感想ですよね?少なくとも私はラップの分析に於いてあなたより精確ですし、ラップ以外のnqrseの活動方針には口出ししてません。
それなのにあなたはあろうことか自身の主観、感想に基づいて「マーケティング」のオススメまで私にしてくださって。
nqrseを尊敬するのは勝手ですが、ラップをしたことも無いうえに聴く耳も無い人から分かったようなことを言われる筋合いは無いですね。少なくとも私よりラップ聴くの上手くなってから出直して来てください。
あと揶揄したいだけなら「私はnqrseを尊敬しているから叩かないで!」でよくないですか?別に私はnqrseの全てを批判しているわけじゃないですが。再三言っている通り私が叩いているのはラップのスキルも無い癖に日本語ラップの手本を自称しているところ、そしてそれを信者に吹聴して看板に泥を塗っているところですから、本当に尊敬してるなら感情を優先した擁護よりnqrseへの諫言が先じゃないですか?
自分の感情を正当化するために理論武装してますけどそこに根拠が無ければ全て無意味ですよ。nqrseのラップは一流を名乗るに相応しいものだ!と信じているならまずはそれを他の一流ラッパーと比較しながら証明するべきであって、間違ってもマーケティングがどうこうとか初心者のために手を抜くのは仕方ないとか、本筋からズレた言い訳を並べるべきじゃないと思いますが違うんでしょうか?教えてください。
で、なんでしたっけ、「自信が上だと感じるなら淘汰せず、強者の余裕を持つべきと感じました」でしたっけ?
随分平和ボケされてますね、滑稽なルサンチマンを慈悲的なミソジニーに温室で育てられた結果かな?それが許されるのは実力が正当に評価される業界だけですよ。スポーツとかそうでしょ?大谷翔平ってマーケティングの勉強してますか?野球の練習よりも英語の特訓を優先してました?他の選手もそうですよ。全員野球の腕前だけを磨いているし、それが正しく評価される業界になっている。だから強者の余裕を持っていれば勝手に偽物は消えて秩序が保たれるわけです。作家業もそうですね、審査員の審美眼が本物だから、賞を取った作家には信頼と確かな実績が担保されている。
転じて日本のラップシーンはどうでしょう。実績、プロップスなどと言われているものは即興でネタ帳を読み上げて相手を貶す、最低な人間決定戦であるMCバトルと、これまでの人生で気付いてきた人脈(笑)を使って行われる再生数レースでしか獲得出来ないトロフィーになっています。このどこにラップの実力を評価するファクターがあるのでしょうか。あなたなら分かると思います。
作品を評価するのはメロディとフロウの違いも分からない素人だけ、数字に繋がるのは素人へのマーケティングとファン迎合、ラップの腕前は二の次三の次ですよ。このままじゃ小銭稼ぎの道具として衰退していくでしょうね日本のラップは。如何に素晴らしいラップをするかではなく、如何に効率的にラップで金を稼ぐかになってるからへったくそなラップで素人騙くらかす出涸らし音源が憚ってんでしょう?ヒプマイみたいに。
平和ボケって意味分かりましたか?真っ当な競争すら出来ないんですよ今のシーンは。
カスみたいなラップで信者騙してる配信者を思考停止で応援してれば良い自分の特権階級っぷりが分かりましたか?ブルジョワジーが机上で現場を語んな、意見があるならこっちの景色を見てから言えよ、ラップに主体を置いてるラッパー達の景色をよお。それをしないうちはいつまで経っても部外者の素人意見ですよ。庶民の生活をしたことがない政治家と同じだつってんの。
てか今のラップシーン見たことある?nqrseじゃなくてTikTokで流行ってるようなラップ。全部しょうもないでしょ。口だけ達者な不良が相手を言い負かして馬鹿にすることだけを競ってるバトルシーンも、犯罪自慢とセックスアピールが日本のヒップホップだと勘違いしてるラッパーのコスプレもどきどもも、どいつもこいつもラップ使って私服を肥やしてやろうって輩ばっかりなんだよ。See meでその筆頭を名乗ったのがnqrseなんだろうが。VACON居なかったらSee meのラップパートなんて1分も聴いてられねぇだろ。
そういう奴らに食い物にされてる状況を踏まえて、まだ「自信が上だと感じるなら淘汰せず、強者の余裕を持つべきと感じました」とか言えますか?日本語ラップに興味が無いの丸分かりですよ。なぜならこの意見には、今の日本のラップシーンが如何に腐っているかや、それによって光を浴びられない本物達がいることや、資本主義に侵されて日本語ラップの芸術としての存続が絶望的なことが、何もかもが踏まえられていないからです。
そんな、nqrse以外どうでも良いと、ラップなんかどうでも良い、所詮金稼ぎ数字稼ぎ、地位を高めるための道具でしょ?と思ってる奴にセルフボーストがどうとか言われたくねぇんだよ。
出直してこい素人が。
つかリリックにもあったろ
「自称プロを素人とし擁護しようとするコメント欄に、言っとくぞ『みっともないのを気づかせない嘘も方便』とか禁止。」
これ読んでない?マーケティングがどうとか初心者向けがどうとかまさに「みっともないのを気付かせない」言い訳だろ。上の奴は「nqrseはラッパーとして素人だから嫉妬するほどじゃない」とか抜かしとったな。
どいつもこいつもリリックも読まずに一丁前に批評家ぶってコメント送ってきてんじゃねぇよ。どうせ返信しても無視するくせによぉ。
「電話じゃのぉて目の前でゆうてみぃ ビッグマウスも他所向いてチュドン」とはこのことだな。
あぁあと、See meを初心者向けのラップって思ってるならライムスキームでもしてみたらどうですか?基本がなってないんであれ。いやてか今度暇だったらやっといたるわ、See meの採点。それを見てから、See me投稿して「ラップってこんな感じ……だよ?」とか言ってたnqrseの舐め腐った態度を審判してください。
以上。
あ~なんか肩の荷が降りたな。言われっぱなしってめちゃくちゃストレス溜まるんですね。どうせこいつらそれも分かっててやってんでしょ?いけずやわぁ。
反論はラップで示してどうぞ。私はずっと「ラップを真面目にやれ」としか言ってないので。
暴牛 to ill.bell
2:31~3:06の部分です。
一通りアンチに対するストレス発散――さっきのではなくリリック内で――が済んだので、そろそろill.bellと梓川に矛先向けますね~というラインです。
なるせディスのパートで言った「ついでにill.bellと梓川も首根っこ洗って待ってなさい」から繋がるので、「待ちくたびれない内に」という言葉選びになっています。
「ライブラリーのバトル化」というのは、ライムのボキャブラリーがMCバトルみたいだということですね。音楽ソフトとかで使われる方のライブラリーです。言葉の引き出しをライブラリーに例えて韻を踏んでいます。流石に伝わるんじゃないかな。
最後の1小節は梓川に対しての予告ですね。後述しますが、誰かの二番煎じみたいなラップに対して「パクリばかり」と揶揄しており、そんなラップには野次を、ディスを飛ばしちゃうぜ~ヒャハハ (ナイフペロペロ) というラインになっています。
ill.bellが騎士Aというグループに提供したラップ楽曲「ヤミィ」の歌詞についてのディスです。
前半の該当箇所がこちら。
前々々回の採点記事で既に解説したのでとりあえずそのリンクを貼っておきます。
バトルライムっぽい韻はとりあえずこちらです。
「実行委員/(ガ)チ恋/ビットコイン/(ば)ちこり/ピンポイント/執行人/keep goin'」
あとこれはバトルライムではなく韻の質が低い例です。
「ねちっこい/しっとり」
これはどちらも形容詞で、語のイメージも近いもの同士であるため、韻の質が低いといえます。「しっとり」を思いついたあとに「ねちっこい」を思いついたんだろうなぁってのが分かっちゃいますね。
とはいえ、別にこれだけ踏んでれば韻の質が低くて減点されることはありません。まぁそんなもんだよねって感じです。そんな目くじら立てるほどのことではない。
問題はバトルライムっぽい韻ですね。ようは他人が踏んだ韻を集めてるだけですから、オリジナリティがより一層希薄になるわけです。ただでさえ言葉が有限で他人と同じ言葉を使わないといけないラップで、他人が踏んだ韻を使うというのは非常に没個性的です。
その最たる例が「ばちこり/ピンポイント/keep goin'」です。MCバトルを書き取りして覚えた韻ですか?という煽りが一行目になります。
二行目の「ガチ恋」という単語も同じ箇所からのサンプリングですが、それ以降は違います。
「ガチ恋狂 多神を信仰」は、
の部分ですね。これ言うってことは信者の多くがこういうことをしているってことだと私は思ってます。
「多神を信仰」というのは箱推しとか複数人を推すことですね。リアコの癖に目移りしてるから別々の人のパートで発狂するんでしょ?という貞操観念の無さを揶揄しています。
また、そういう風に誘導している騎士Aの方針と、それに協力しているill.bellも同時に非難していますね。
ネット上なのを良いことに未成年者をホスト狂いにさせてるようなもんですから。
とはいえ実際どうなんでしょうね。私はこういうガチ恋してる女子小学生中学生って明日カノの心音 / ぽぽろのイメージしかないんですけど、でもあれはバシモト単推しだったか。
(詳しくは「明日私は誰かのカノジョ」を読んでください。)
で、最後の「阿漕な便乗心」ですが、これは「ヤミィ」の3番のことですね。
ゆたぼんとか三密とか小泉進次郎のミームとか、あと暴露系YouTuberとかも使ってたか、こういうウケが良いだけで中身の無い上辺だけのライム、韻踏んでるだけで面白くないので嫌いなんですよね。音程とリズム感は良いけど感情が全く籠もってない歌みたいなね。
で、こういうライム書く目的ってようはファン迎合でしょ?流行ったフレーズだけオウムみたいに繰り返してミームを消費するような中高生が好きそうですもんね。エグいてぇ!エグいてぇ!
このような、数字のためだけに書かれた「阿漕」で中身のないライムを「咎める」と言っているのが、この部分でした。
これもゆたぼんの話なんですが、先ほどとは少し違うことを言っています。
説明が難しいので日本語訳しますね。
こんな感じです。「新鮮な言説の根拠待つ陰険な顧客に隷属の脚韻」が分かりづらかったと思いますが、一語一語を丁寧に読んでいくと、自然と上のような解釈になると思います。
というか、どの語がどこにかかるのかを書けばいいのか。
「新鮮な言説の根拠」「(その)根拠を待つ顧客」「陰険な顧客」「顧客に隷属」「隷属の脚韻」
新鮮な言説の根拠を待つ姿勢が、陰険な姿勢であるということですね。
これはヤミィのサビの部分に対するディスですね。
そもそも私はサビで歌モノになるラップ、同じ語を繰り返して韻を踏んだことにするラップが心底嫌いなんですが、ヤミィのサビはどちらも満たしています。役満です。
まぁ個人の感想はどうでも良いのでさっさと解説しましょうか。
ここでいう送り仮名が必要な「病み」は、「闇闇闇」の部分……あれ?あぁここじゃねぇわ。すみません。1番のサビの後のコーラスの部分ですね。
その歌詞がこちら
この「病闇闇」ですね。失礼しました。
まず「病」と書いた場合、これは「やまい」と読みます。「やみ」と読ませたいのであれば「病み」と、きちんと送り仮名を付ける必要があることは、小学校の国語の授業を受けたことのある方なら承知のことと存じます。
で、これ曲中通して「病み」を「病」と表記してるなら百歩譲って許せるんですが、サビの歌詞にご注目ください。
「蜜の味 悩みや病み なあ皆」
送り仮名付けとるやんけ~。ここの「病み」と先程の「病」の意味は同じでしょう。明らかな表記揺れですね。
で、繰り返しますが、敢えて「病」って書いてることくらいは分かってます。それが不埒であるという主張です。
こういった、韻を踏むために日本語を改造することを私は強く非難します。だってそれってもう日本語じゃなくて宇宙語ですもんね。なんでもよくなっちゃいますから。放恣なラップに規律も韻律も存在しません。
続く「私」も同様です。
「~ I don't know I どの私(アイ)?」
日本語喋るか英語喋るかどっちかにして欲しいですね。文法もめちゃくちゃだし品詞も誤ってます。「どの私」の「私」は目的語なので英語読みするなら目的格にしないといけませんよね。なので正しくは「どの私(me)」でしょう。「どの私」を英語視点での外来語として捉え、これを名詞句として扱うにしても「I am どの私 .」でbe動詞が抜けてるうえに疑問文の形にはならないし、疑問文にするなら「Which me am I ?」でしょ?どう足掻いても間違いじゃん。
そもそも「私」って「アイ」だの「ミー」だのって読まないんで!!!この場合「わたし」って読むんですよ!!!日本語勉強してこいやアメリカかぶれが。
という意味です。まぁ中卒でも分かるんだから成人はなおのこと、現役の学生ですら分かることでしたよね……。こんな丁寧に説明することもないか……。
あと中学生以下の方でこの記事を読まれてる方!私は英語出来ないのであんまり鵜呑みにしないでください!多分細かいところを間違えてます!ちゃんと先生に訊いてね!
ここはill.bellや騎士Aの信者に対して、というよりは、程度の低いラップを持ち上げるラップリスナーや、そういうラップしか出来ないラッパー全員に向けた喝になります。
まず「嵩増ししたフレーズ」はヤミィにもあった、同じ語彙を繰り返したライムであったり、同じライムを繰り返したサビパートを指します。また流行りのワードだけを入れた形だけで中身の無いリリックもこれに当たります。「嵩増し」ですからね。尺合わせやその他メタ的な都合によって足された中身の無い、もしくは重複する部分は全てこれに該当します。
そんなフレーズが憚っていて、しかもそれを称えるヘッズがいる。ヘッズのその未熟な鑑賞を揶揄したのが「まだガキなヘッズ」というラインです。
(※ここの「称える」ですが、エネルのくだりで出た「讃えたい」と表記揺れしています。私へのディスラップを作る方はここ線引いておいてください。テストに出ますよ~。)
そんなラッパーもヘッズも未成熟でどうしようもない現状に対し、私は頭を抱え「頭痛い」と言っているわけですね。コーラスのニュアンスはまさにそんな感じだったと思います。
「そんな程度の考え」とは、まぁなんとなく分かると思いますが、「数字だけ取れれば良い」「視聴者に受ければ良い」「有名になれればいい」などなど、日本語ラップを主軸に置かない自分本位な考えを指します。
その程度の考え、そんなアティチュードでは良いラップなど書けません。だからこそ、その不埒で阿漕で短絡的な考えを悔い改めて脱却し、私に「天晴だ」と思わせるほど更生、成長してくれ、というメッセージが込められています。
そして最後に、まぁ言葉通りですが、ラップに於いて韻とはマナーである、つまりルールよりも先行する不可欠な要素であることを示しています。これはラッパーとヘッズ両方に向けたラインです。no rhyming no rap. 韻無くしてラップとは呼べません。
そして執拗に押韻に拘ったこの楽曲をここまで聴いたのならば、「韻はマナー」であることも理解出来たでしょう。理解出来たのなら悔い改めるしか残っていませんからね。
これ以上なく分かりやすいライムだと自負しています。
暴牛 to 梓川
3:06~3:54、いよいよ最後ですね。
「ビビビビ」のサンプリング箇所ですね。(2回目)
コーラスのピッチは原曲該当箇所のメロディを踏襲しています。
本来は「コピーのコピーのコピーの……」という歌詞なんですが、Mont4ge内の「だっせぇやつら誰かの二番煎じ」という歌詞を拾って、「出涸らし」という語彙を選びました。
この「ビビビビ」は、歌い手梓川氏が歌ってみた投稿に使用した楽曲です。noteで解説記事を投稿するくらいなので多大な熱意を以て取り組まれたことと存じます。今回はラッパー梓川へのディスなので、歌い手のときくらいの熱意をラップにも向けろやという旨が一つの軸となっています。その表現方法として、歌い手としてカバーした楽曲からサンプリングするというものを選びました。
出囃しとは、あれ?なんかここも誤字ってるな。出囃しではなく「出囃子」です。失礼しました。(概要欄も修正しておきました。)
誤字が多過ぎる……。他人のこととやかく言う前に我が振り直したらどうですか?「やってみせ」が出来ねぇのに「言って聞かせて」に進んでんじゃねぇよ、意識だけ高い系の鼻につく上司みてぇなミスしやがってこのスカポンタンが。
出囃子とは、まぁ本来は登壇するときに流れる音楽なんですが、ここでは梓川の自作ラップのことを指しています。ラップデビューだと思うのでね、新人として舞台に上がる様を出囃子に例えつつ韻も踏んでおきました。
あ、M-1のヒジカンカンカンカンカンカンカンカンイエェェェェ!!!ヲゥヲゥッ ヲゥヲゥッ ドゥ~ン!が馴染み深いかな。あれが出囃子です。
「なげうって」に関しては言葉通りに意味しか想定していなかったんですが、よく考えたらラッパーって自作曲のこと「Brand new shit」って言ったり、発表することを「shitを落とす」とか言うので、「出囃子をなげうつ」も「自作曲を投稿する」という意味に違和感なく取れますね。
いや~棚から牡丹餅。
これも「風 / Guiano」のサンプリング箇所ですが、後半は「Mont4ge」のサンプリングです。(再放送)
原曲の歌詞は「売れなくなったらバッシングなbaby you」です。コーラスではそうなってますね。
こちらもコーラス部分は歌い手梓川氏の歌い方を意識しています。
で、後半のサンプリングについてですが、これはMont4ge内の
「タイミング バズしない計算 ライミング 外さないAimer」
部分からの引用です。
バズ"しない"タイミングを計算するって意味が分かんないんですけどそれはもう以前の採点でやったので割愛します。
今回は手垢塗れな韻についてディスをしていますね。韻って誰かに踏まれてしまったらもうその人の韻になってしまうんですよ。だから同じ語彙で踏んだとて「あぁ誰々のラップで勉強したんですね」ってなるだけで、特に感動とかは無いんですよね、新しさとオリジナリティが無いから。ゆえに「パクリばかりには野次」と前述したわけですが。
で、「タイミング/ライミング」がその筆頭なので、この2つを組み込んで、原曲よりも多く踏むことによって技術を誇示するパートになっています。
内容もサンプリングで身動きが取れない割には伝わりやすいと自負してます。
「踏めないなら野次ります。あなたが踏んでるのって何人も踏んできた既出の手垢塗れな韻ですよね?」というメッセージです。
ここも解説は要らんかな……。あぁ「いなたい」と「諫める」がちょっと聴き馴染みの無い語彙かもしれませんね。リンク貼っておいたので確認してもろて。
最後の行だけ解説要るかな。
サルバドール・ダリはこの絵で有名な画家です。
顔写真もインパクトがあるので、どこかで見たことある!って方も多いのではないでしょうか。
ここでは「オリジナリティ」「パイオニア」「オーセンティック」などをひっくるめた語として「サルバドール・ダリ」という固有名詞を代替的に使用しています。
言いたいことは「個性が無いから唯一無二の本物にはなれないね」ということですが、この「唯一無二の本物」を「サルバドール・ダリ」という巨匠に置き換えているわけですね。
こういう比喩?というか婉曲表現?って独特なので、慣れない人からすると「なんでサルバドール・ダリ?」となるでしょうが、ちゃんと上記のような理由があるんですね~。
「thug」と「dope」はラップで頻出の英単語ですね。
犯罪や非倫理的な行為でお金を稼いだり、そのお金で生活することを「thug life」などと言って、HIPHOP(笑)な自身をアピールする際によく使われます。
カッコいい!最高!みたいな良い意味で使われるのが「dope」です。マリファナや麻薬を指す俗語らしいので、ラリっている状態の良いニュアンスだけを抽出したのが日本での使われ方かな?「鎮座DOPENESS」の「dope」ですね。
どちらもスラングですね。
で、Mont4ge内ではT-shirtで稼げなくなっただの、オフの日はシーシャ吸ってパーリーピーポーしてるだの、まぁアングラッパーっていうか、治安悪そうだったり犯罪自慢してるようなラッパーに影響受けたんだろうなっていうラインが目立ちますね。フロウやビートからしてdrillだけを参考にしたんだろうなっていう感じですし。
でも彼歌い手なので、歌い手が半グレのラッパーもどきみたいな生活してる訳ないじゃないですか。してたら神椿に所属なんて出来ないでしょ。
で、幼少期からピアノやらせてるような家庭なんて富裕層でしょうから、ラップも金持ちの道楽でやってるんでしょう?というのが「道楽の不毛な文と音楽のモンタージュ」です。令和ロマンのケムリがベースやってたみたいなね。
ここの「文」とはリリックのことで、それと音楽。つまり、ラップでない要素を組み合わせただけだよねという意味になります。
良いところのお坊ちゃんが安易にアングラ気取っても不毛、無駄、ただのファッション、意味がないよね~というのがこの3行ですね。
続いて「勉強はしたらしいよ かなり でも現状成りたがりのワナビー」
まぁなんだかんだ言ってラッパー梓川のラッパーの模倣のレベルは高いです。その辺の有象無象とは一線を画すものがありますね。それは「技術はある模様」というラインでも認めています。ただその結果語られるのが「俺って悪い子なんだぜ~」というのはあまりにも滑稽です。歌い手として築いた地位を誇示したり、他のラッパーにはない歌唱力や音楽的な技術をラップに応用したりなど出来るはずですが、それはしていない。彼の目的はdrill rapで大成したラッパーの後追いなんだろうなというのがひしひしと伝わってきます。
歌唱力の高さやメロディセンスをラップに落とし込んだ例として以下の動画を挙げておきます。
「志人 CHIYORI LOSTRAINS / うたかたのうた」
(※多分非公式なので視聴は自己責任で。)
あと「ワナビー」、本曲2回目の登場ですねぇ。まぁこれ以外に思いつかないのでしょうがないんですが、同じ楽曲内で同じ語彙使ってるのイライラするな。
「type 〇〇」という表現があります。フリービートとか聴く人は見かけたことがあるかもしれませんね。ようは「〇〇風」ってことです。「type ralph」というのはすなわり「ralph風」って意味ですね。
ralphを知らない方のために説明しますが、彼はそれこそdrill rapで大成したラッパーです。
「ralph - Selfish (Live at POP YOURS 2022) トーク」
「ralph - Selfish (Live at POP YOURS 2022) ライブ」
上記の動画を見ればまぁ大体どんな方でどんなラップしてるかは分かると思います。
私からすればMont4geはこういうラップのフロウを真似たようにしか聴こえませんでした。別にリスペクトして模倣するのは良いと思いますが、それしかしてないのに「俺らが全部正解」なんてライムは吐けないでしょうということで書かれたのが、
「type ralphのお前が正解? ほざけ停滞待ったなしだ鎮まる文化」
ですね。
〇〇風でしかない君が正解とされちゃあ日本語ラップという文化の発展も頭打ち、停滞して衰退して沈黙するのは目前ですよ。という意味です。
「俺らが全部正解」もMont4ge内のラインですね。
最後に「シュレディンガーの仲間(笑)、落ち着けイツメンごと沈めんぞ」です。
ラッパー梓川はMont4ge内で「土俵は違えどイケてるVerse蹴る 仲間はもう知ってる」と発言しています。
それに続くのが
「誇張しなくてもいいI'm a like L 頭は使えてる」
で、このラインの押韻箇所は
「土俵/誇張」「Verse蹴る/like L」「仲間/頭」「てる/てる」
です。
一つ目は良いですね、入りとしても良さげです。二つ目もまぁ手垢ついてそうですがそこまで気になりません。
問題はその後の誰でも思いつきそうな韻というか、「あああ」で韻踏んでみてって素人に言ったらまず最初に出てくるであろう「仲間」と「頭」での韻な時点でもう「あぁ熱意はその程度か」ってなりますし、最後のに至っては同じ品詞どころか同じ語彙でしょこれ。話になりませんね。
そんなライムで「イケてる~!」なんて称賛してくれる「仲間」はどこにいるんですか?居ないでしょ?存在しない仲間の称賛を根拠にセルフボーストとか不完全なラップですね。
というのを、"状態見分けの原理"に矛盾することを論拠に量子力学は未完成な、不完全なものであることを言及するのに用いられた、シュレディンガーの猫という思考実験と交えてライムにしています。
ゆえに「落ち着け」に繋がるわけですね。お前の主張おかしいぞ、ちょい落ち着けって、というニュアンスです。
そして「イツメンごと沈めんぞ」ですが、「イツメン」はMont4geに客演として呼ばれたはるみん。氏を指しています。そして「沈めんぞ」はこれもMont4ge内のリリック「聞き手に足んないリスペクト おいお前を沈めんぞ」からの引用です。
ラッパー梓川へのディスというか、Mont4geへの野次で統一されていましたね。
Apple信者というワードですが、これもMont4ge内のビートに関連しています。「7 iPhoneからまた鳴る催促」のときに裏で鳴っているiPhoneの着信音です。
まぁ別にここはApple信者に天誅!みたいなニュアンスはなくて、ただ私の中にApple製品使ってる奴はトレンドばっかり気にしてるせいでライトニングケーブルとか使わされて搾取されてるジョブスの奴隷という偏見があって、それをこの次のラインに繋げるために選んだ表現ですね。
「みんなトレンド」というのはビートもフロウも韻も全部流行りものばっかりだね~というディスです。よってアーティストなのに個性は死ぬし、流行に足枷をつけられてしまって、まるで奴隷みたいに無様で哀れだなというのが前半二行の内容になります。
Appleのロゴといえばこれ
お馴染みリンゴのマークですよね。エデンの園に生っていた果物として紀元前からその知名度を誇っています。
まぁここまで言ったら大体分かるでしょう。知恵の実を食べて追放されなくとも、私に言えばラップの知恵くらい貸したのになぁということです。
主語が明記されてないのと、かなり空白のあるラインなので、私が林檎を食べてその知恵を貸そうと言っているという捉え方も出来ますね。私は前者のつもりで書いたんですが、初見だとどういう印象になるんだろう。まぁなんにせよそういうことです。
ようやっと最後です。
意味は額面通りですね。
韻踏むメンターこと私が、君らに稽古をつけてあげましょう。結果は約束しますよ。というラインです。
「韻踏むメンター」というワードですが、これは前作「なるせをラップでディスってみたw」での
「黒板から目を逸らすな
教壇から目を光らす硬派な韻踏むメンターが韻に宣言する、スタイルインディペンデンス。」
からセルフサンプリングしたものです。
自身をメンターを称しているところからも、ビーフの目的が否定だけではなく改善と更生も含んでいることが分かりますね。
そして最後の「いつでも連絡ください」という若干踏み外した終わらせ方。これは動画内でも言及しましたが、「Hideyoshi - Jitsuryoku feat. Leon Fanourakis & ralph」の「業販はキロから承ります」というサゲから着想を得ています。
しかもこの4小節、韻を踏んでないのは「ください」だけなんですね~。遊び心~。
あと、なぜralphをサンプリングしたのかというと、前のラインで「type ralph云々」とディスした時に名前を出したからですね。パクるならこれくらい換骨奪胎しろよという意味も込めてあります。
あとは文字通り「ラップ上手くなりたいなら教えてあげますよ~」という本心と若干の煽りを合わせて、締めくくりとさせていただきました。
【総括】
一番新しい曲ということもあって、かなり満足していますね。まぁケアレスミスがいくつかあるのはいただけないのでそこは要改善ですが……。
なるせ、アンチ、ill.bell、梓川と、綺麗に4つに分かれた構成、「胸ならいつでも貸してやる」を除き、全リリックを通して妥協せず踏まれた韻、あとあんまりボーカルトラックを継ぎ接ぎしなくても良かったのも自身の成長を感じられて良きでした。「ホントやで?正しい評価やね」とか「安全圏らしいコメント欄にトレンドばっかの」とか別録りっぽく聞こえたでしょ?あれ別録りじゃないんですよ~~~、なんか私声が安定しないんでね、歌ってみたとか録音するときもそうなんですけど、一発録りなのに切り貼りしたようにグルーブが途切れることがままあるんですよね~~~。未熟の一言。
あとMIXも未熟ですね。ここ2年はゲーム依存症でろくに活動も勉強も出来てなかったんですけど、VALORANTも辞められたので、これからはMIXとか動画とか、あと言語学を修めるために高校の課程の勉強もやり直していきたいところです。
まぁ私の感想はこのくらいにしておいて、どうでしたでしょうか、「なるせ、梓川、ill.bell 及び 騎士Aをラップでディスってみたw」及びそのライムスキームとリリック解説は。
途中の謎の悪口コーナーはまぁともかくとして、今回は結構分かりやすく解説出来たんじゃないかなと手応えを感じています。
とはいえ私はどうしても作者視点で見てしまいますからね、コメント等で読者視点の感想や質問をいただけると幸いです。
ていうか、今回のラップちょっと早口過ぎたかもしれないですね……。私は普段からこういうぼそぼそ早口で喋っているので違和感無かったんですが、ここまで丁寧に発音しても一般的には聴き取れないんでしょう……。
というわけで、これちょっとしたライフハックなんですが、0.75倍速にすると良い感じのテンポになりますよ!あんまり作者が言うことじゃないんですけどね!
というわけで、福韻書 (リリック解説)はここまでとさせていただきます!
おわりに
ここまで良く読みましたね……?凄いです……。お疲れさまでした、ご拝読ありがとうございます。
noteの記事ですが、これはいつでも編集、修正が出来るみたいなので、
「ここにリンク埋め込みして欲しい!」
「ここもう少し解説欲しい!」
「ここ誤字脱字衍字あります!」
みたいな要望、ご指摘ありましたら迅速に対応いたしますのでよしなに~。
というわけで、今記事はここでおしまいです!
読者のみなさんやラップが好きなみなさんには是非一度、日本語ラップを作ってみて欲しいですね。
そのために今「日本語ラップの作り方!」シリーズの記事を作っていますのでね!乞うご期待!
それじゃ、この記事を読んで何か得るものがあったら、感想なり共有なりフォローなりなんなりかんなりしてください。
それじゃあ、また今度。