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『カメラ・イン・ワンダーランド』

カメラ・イン・ワンダーランド
そんなアトラクションだと
そう、思うことにしませんか?
私は私に、そう、問うたのだ

「にゅうるんとずぼり」
私は下からゼリーを食べた
私は下からカメラ付の管を食べたのだ
そんな30分か40分のアトラクション
カメラ・イン・ワンダーランド
そんな不思議の国のアトラクション
下からカメラを食べながら
私が上から画面で観劇する不思議の国のシステム
操縦士と副操縦士と私のはじめての共同作業
操縦士の私への体位の要求は厳しく
管を避けながら足がつりそうになる
操縦士と副操縦士と私の痴態はつづく
私の大腸を行ったり来たりする
カメラ付のスロウコースター
そんな30分か40分のアトラクション
スロウコースターの操縦士が問う
「ほら、すこし触れただけで出血しています。貧血の気はありませんか?」
私の桃色のワンダーランドが赤色に染まった
うわ、いま、貧血になりそうっす
「せいのさん、何歳でしたか?」
私が49歳のただの童顔だと知るとスロウコースターの操縦士は納得したようだった
なんの責任も背負わない者はつるんとした顔になる見本のような私だ
私は上からぼんやりワンダーランドを観劇している
「踊るコースターを観る阿呆、おなじ阿呆なら観なきゃ損、損」
念入りにスロウコースターは行ったり来たりしている
「抜かりのない、いい仕事ですね」
私は心のなかで称賛していた
下からガスか空気を飲ませているせいで腹が張ってきた
操縦士と副操縦士から屁をすることを促される
「するもんか」そこまでは思いどおりにはさせない
なんか色々と水でびしゃびしゃになる
そんなどっきりもあった
下から食べて上から観劇するアトラクションを私は満喫した
カメラ・イン・ワンダーランド

「フ、やはりな」
私には思いあたるフシがあった
健康診断の『便潜血+』を数年放っておいたからな
見ないフリをしていたからな
2018年から見ないフリをしていたからな
痔かな
痔かな
痔かな
痔かな
痔かな
痔じゃなかったな
「ミスター・ミス・ニッポン」、私のことだ
「フ、やはりか」
『虫垂炎と、盲腸がんのステージ2』の観劇の余韻
スロウコースターは刺激的だった
いいアトラクションだった
カメラ・イン・ワンダーランドは傑作だった
傑作、傑作、これは傑作と私は私を嘲笑した

私はみなさんにも問う
カメラ・イン・ワンダーランドのアトラクションのスロウコースターを下から食べませんか?
下から「にゃうるんとすぼり」食べて
下から「にゅうるんとすっぽり」吐く
『便潜血+』それがスタートの合図です
『カメラ・イン•ワンダーランド』












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