マガジンのカバー画像

エッセイのほう

309
野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
運営しているクリエイター

#がん

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『真夏。休薬期間中。136日目』

毛玉だらけの敷きパッドを変えた。ストレス氏が何処かへ行った。 暑さは半ば居残ったままだ、どうやら夕立はギリギリ北を通り、我が家には立ち寄らなかったようだ。暑気が廊下でむんとしている。 この二日間は、腹いっぱい食べる実験をおこなっていた。腹いっぱい食べることによって、腹圧で肝臓がんの自覚症状がでるのか知りたかったからだ。結果的に自覚症状は現れなかった。もう、食べたいものはない。イカの刺身をちょろっと食べたいだけだ。 もう、だいたいわかった。痩せよう。痩せたほうが調子がいい。

『真夏。休薬期間中。134日目』

昼飯を食べて、いま起きた。午前一時前だ。シャワーは、朝でいいだろう。 一年前のこの時期、私はぎりぎり働いていた。盲腸と癌を患いながら、午前中だけ、お盆休みの前までは働いていた。はるか昔のように感じる。 日曜日はきっと猛暑だったのだろう。私は寝ていたので知らない。午前中、とうとう紐を二階の壁際のヒサシに括り付けた。これで、窓を覆えるはずだ。あと、二月半くらい、ゴーヤカーテンは活躍してくれるはずだ。やるつもりはなかったのだ。今週からの天気予報にびびった側面もあるし、猛暑による電

『真夏。休薬期間中。133日目』

真夏のベランダのアルミニウムの手すりが熱すぎる。ゴーヤの葉がつぎつぎに枯れていく。紐を使ったほうが良かった。私はツーリングキャンパーでもあるので紐ならいくらでもあったのだ。 もう、七月末だ。間に合わない、今年は諦めよう。バケツのプランター栽培も群馬の二階のベランダの環境では過酷すぎる。紐であったなら、今頃はしっかりカーテンの回廊が出来ていたはずだった。 それでも、十センチほどの実がいくつか梅雨の間に成っていた。二階のベランダにも受粉を媒介してくれる虫がやってきてくれていた

『休薬期間。初夏』

休み休みではあるものの、5クールをやり遂げた。尻に負担をかけながら、意地で減薬を断って、体表面積から算出される最大量の抗がん剤の服用も出来た。ほっとしている。あと数日で『腹下り』も収まるだろう。今月は、もう、絶対に抗がん剤を服用しない。3クール連続は私には無理だ。今月は検査だけだ。絶対に、絶対に、絶対にだ。 私は、いま、深夜2時にフィッシュマンズを聴いている。すこしばかり切なくなった。なぜだかしらないが、涙があふれている。今夜は『腹下り』の代わりに『涙下り』が起こっている。

顔がかなり荒れてきたので公開しよう。結構荒れている。抗がん剤の副作用と下痢止めの副作用と49歳の正しい作用の野面マスク顔だ。これで、中坊主だ。「髪ぬけてきたろ」と、母親が訊ねてくる。それはそうだ、両親ともに軟毛なのだ。そもそもこの頭は抜け毛対策だ。パソコンのアップ顔はかなり酷い。

『5クール。107日目』

5クールに入った。このクールでひとつの区切りを迎える。学期末のようなものだ。5クール後のCT検査で落第するかも知れない。大小6の肝臓に転移した癌は果たしてどうなっているのだろうか。大きくなっていたり、増えていたりするとしたら、数か月分の医療費は『ぱぁ』に等しい。「この抗がん剤は効かなかったようだね」、とはすんなりいかない。私は貧乏なのだから。もともと『がんかわいがり』とは博打なのだ。それは理解しているが、せめて現状維持であって欲しい。無駄骨では、私の尻がかわいそうだ。 貧乏

『4クール。106日目。最終日』

のどが、からからで目覚める。下痢止めをアメリカ式(4錠)に倣って服用したからだろうか。今日、明日はなにも食べない。幾種類かの飴とサプリと水分だけのつもりだ。食べなければ『腹下り』には傾かない。じつは簡単な話なのだ。頬と額あたりの私の顔が荒れてきた。これは下痢止めの副作用だ。できればこれ以上服用したくない。これから私はあばた顔になるのだろうか。身体はふらふらしている。 35℃予想がでている。私はそれでも、腹巻とホッカイロで腹を温かい状態でキープしようと思う。1日半食事を取らず

『4クール。105日目』

まずまずの体調に戻った。ただし、文字どおり尻に火が付いているので、数時間は座っていられない。オリジナルブレンドのワセリンで消火活動をしなければならない。25日はリクライニングチェアとはいえ、朝から16時頃までの点滴が待っている。座りっぱなしになる。耐えられるのか。 梅雨がはじまった。よい事をひとつみつけた。軟毛の私にとってこの時期の湿気は大敵で、髪型には苦労していた。くるりんとしたくせっ毛がゴーヤのつるのように自由奔放に暴れていた。髪はいつもくしゃくしゃだった。その悩みが坊

『4クール。104日目』

昨夜、就寝前にひとつの対応策を実施した。 下痢止めの乱れうちだ。万策尽きた私のあがきくるしみの果てのイケナイ賭けだ。決して真似はしてはいけない。『腹下りマイスター」の私だからできる荒業だ。 ただいま朝7時。いまのところはいい。しっかり眠れたので尻の痛みも和らいだ。下痢止めの乱れうちの詳細は書けない。それほど、異常な量の薬と漢方と整腸剤と睡眠薬を同時に身体に入れた。朝の気分はいい。便意もない。 あのまま放置していたら、私の腹は壊れていた。昨晩の就寝前には10分に一回、トイレに

『4クール。95日目』

95日か。 1995年に私は東京にいた。私は当時高円寺に住んでいたのだ。深夜のコンビニのバイトで生計を立てて、そのコンビニのとなりのとなりあたりに、道場があった。その道場から深夜に買い物客が訪れる事もあった。その客は頭にヘッドギアをつけていた。防具ではない。チャクラを開くためのヘッドギアだったのだろう。「あんまんください」、客の言葉は丁寧だった。 ほどなくして、地下鉄サリン事件が起こった。 私はコンビニのバイト終わりに映画を観に行く事があった。場所は渋谷だった。地下鉄で行く

『休薬期間中。82日目。』

今日から、雨籠りだ。籠る事には慣れきっている。 私は毎日、『日籠り』『昼籠り』『夕籠り、』『夜籠り』、或いは『腹籠り』を、強いられている。たまに、バイク。たまに、散歩。たまに、お漏らし。そんな日常が6/4日から、また始まる。ああ、恐ろしや、恐ろしや。 『鬱鬱不安頭』が一等に嫌だ。けれど『腹腹地獄下り』も次点でツラい。 『がんかわいがり』とはなぜ、こんなにも過酷なのだろうか。『がんかわいがり』しながら働くなんて、私には不可能なのだが。行き着くところは、体質か。運か。そのあたり

『健気だ』

ほう、来週は雨っぽいのか。 私がツーリングの予定を立てると、『晴行雨読』の『雨読』になる。 ちなみに、わざと間違えてます。はい。 わかりやすく書くと『晴ツーリング走行雨読』になります。 カワサキW650が可愛そうじゃないか。 タイヤの空気圧を測ったら、しっかり規定値を維持してくれている。健気だ。IRCのGS19を履いているのだが、サイコーだ。もう、ずっとこのタイヤでいい。コストパフォーマンスもいい。昔より、柔らかめになったのだろうか。昔は尻が痛くて仕方なかった。中古で購入し

『フルーティーファスティングフェス』

太る人もいれば、痩せる人もいる。そうは、聞いていました。 3週間で1クールの『ガンかわいがり』治療の事だ。私の場合、1週目 は、ほとんど体重の増減はなかった。 2週目に入ると『ゲリラー』由来の体重の減少がみられるようになってきた。明日、2クール目の2週目が終わる。 5㎏は痩せた。2週目の私は、ふらふらだ。だるだるだ。ぐったりだ。 『ストッパ様』でも私を助けられなかった。 いっそ、「ファスティングフェス」を開催しようか。 何を食べても「じゃーじゃー」排出されるだけだ。ほとんど