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『4クール。95日目』

95日か。
1995年に私は東京にいた。私は当時高円寺に住んでいたのだ。深夜のコンビニのバイトで生計を立てて、そのコンビニのとなりのとなりあたりに、道場があった。その道場から深夜に買い物客が訪れる事もあった。その客は頭にヘッドギアをつけていた。防具ではない。チャクラを開くためのヘッドギアだったのだろう。「あんまんください」、客の言葉は丁寧だった。
ほどなくして、地下鉄サリン事件が起こった。

私はコンビニのバイト終わりに映画を観に行く事があった。場所は渋谷だった。地下鉄で行くか、JRで行くか。その時々の気分で変えていた。その日はJRで渋谷に行った。観劇後、号外が渋谷の路上に落ちていた。そこで、事件を知った。冷や汗がでた。
その後も、ヘッドギアの客はコンビニに「あんまんください」と、買い物客として来ていた。私は、ただの買い物客としていつもどおり対応した。
『95』という数字を見ると、ふと、こんな事を思い出す。

私は、渋谷の『ユーロスペース』で何の映画を観たのだろうか、よく思いだせない。アッバス・キアロスタミの作品か、邦画の小作品だろう。『この窓は君のもの』か『オリーブの森をぬけて』、あたりか。表題に間違いがあるかも知れない。
高円寺のアパートを引き払って群馬に帰る際に、東京で最後に観た映画は『キッズリターン』だった。

さて、2024年にもどろう。
私は、いま、プレーンヨーグルトの善玉菌の採集に取り組んでいる。『善玉菌総攻撃』『善玉菌の無差別爆撃』『善玉菌の逆襲』『善玉菌の腸攻め』『万里の善玉菌作戦』『善玉菌のテロル』、と物騒なものばかりが脳裏にうかぶ。ここは平和裏に事を進めたい。
『善玉菌のあめあらし』で行こうと思う。私の身体の入口と出口にあった、各種プレーンヨーグルトを試している。牛乳感が弱く、濃厚でない、さっぱりとしたプレーンヨーグルトがいい。もちろん、食べた途端に「ごろごろきゅうきゅう」と腹が動くものは避けたい。

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