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エッセイのほう

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野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
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#日記

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『4クール。103日目』

そして『腹下り』はつづく。 タンニンを取るべく葡萄を食べた。また、オリゴ糖を取るべくプレーンヨーグルトにオリゴ糖をかけた。下痢止めも、5時間おきくらいに飲んでいる。 腹と腰にホッカイロを貼った。強ミヤリサン錠をポリポリ食べた。ぬか漬けも食べた。尻は猛烈にひりひりしている。 夜中にトイレに10回以上は籠った。マッハで便意がくる。いつ漏らしてもおかしくない状況だ。危うい瞬間もあった。そんなときには直立不動の姿勢を取る。すると、便意が引くときがある。便意が戸惑っているのが手にとる

『4クール。102日目』

時間差攻撃といっていいのだろうか。今日、『腹下り』がはじまった。 4クール目の抗がん剤の服用は火曜日で終了している。抗がん剤は3日間は身体にとどまると聞いてはいる。とはいっても私の『腹下り』は一度はじまってしまうと容易には『腹止まり』には傾かない。 『腹下り』のまま、5クール目に突入する可能性もあるのだ。 ヨーグルトをローテーションで廻していたけれど、急遽『ナチュレ』を明日から投入してみよう。急な寒暖差で体調を崩したのかも知れない。 やはり、『がんかわいがり』は難しい。なん

『4クール。101日目』

昨日は、終日軟体人間として『ぐでんぐずんだるん』と過ごした。 軟体人間の本領を発揮してみせた。誇らしい、それでこそ私だ。一日中寝ていた気がする。その、余韻が今もある。 そんな私は尿意に起こされて、朝6時からこうして文章を書いている。日記とはそういうものだろう。いや、違う。「今日は、もう、終わっちゃたのかなぁ」「馬鹿野郎、まだ始まってもいねえよ」だ。日記とは一日の終わりにリターンして書くものだ。『日記リターン』か。ああ、北野映画がアマプラに入らないかなぁ。断捨離で色々もうない

『4クール。100日目』

4クールの服薬期間最終日に鼻血が出た。 おしい。もうすこしだったのだが。4クール、100日目といっても、昨秋の、一度挫折した抗がん剤治療は入れていない。二度目の抗がん剤治療の100日目だ。キリはいい。祝福の鼻血も出た。なんだそれは。 最近は恐ろしくて体重を計っていない。『腹下り』を利用して体重を落とす予定が、喜ばしいほうに狂ったからだ。痛し痒しといったところか。明日から6日間は休薬期間に入る。場合によっては『ファスティングフェス』の開催を宣言しなくてはならない。 ヨーグルト

『4クール。99日目』

4クール目も先が見えてきた。 月、火で抗がん剤の服用期間は終わる。『腹下り』もなく、無事に6/25日には5クール目に入れそうだ。絶対に無理だと思っていた、チョコミントアイスも食べる事ができている。 この4クール目の副作用の少なさは、どこから来ているのだろう。休薬期間を長めに取った事が良いほうに働いているのは間違いないとしても、一切の『腹下り』がないのは初めてだ。 食事は1クール目に比べたら随分変わった。試行錯誤を繰り返してきた結果がでているのかも知れない。4クール目の私の日

『4クール。98日目』

24時間前にできあがった無調整牛乳で発酵させたヨーグルトは、牛乳感が消えていた。私の好きな酸味風味のさっぱりに傾いていた。24時間の経過がそうさせたのか。一日寝かせると、こうも違うのか。驚いた。 パックの底に『酸味さっぱり風味』が残り易いのか。若しくは、もっとしっかり混ぜないといけないのか。謎は深まる。すると、私の手が牛乳パックの口にあたり、雑菌の侵入を許しそうで怖い。 結局、1リッターのパックを24時間で平らげた。『腹下り』もない。上々のすべり出しだ。 続いての、『森永

『4クール。97日目』

ヨーグルトメーカーを買った。これで、ヨーグルトの大量買いをしなくてすむ。もともと牛乳嫌いの私にはヨーグルトでも、牛乳感が濃厚なものは食べられない。それは、ソフトクリームにも言える。チョコレートのソフトクリームでも『濃厚』は控えている。『さっぱり』と表記していないと手をだしずらい。 私は、アイスミルクよりも、ラクトアイスを選ぶ。大抵の乳製品は安価であるほど、私の口に合う。この国は『濃厚』が幅をきかせ過ぎている。乳製品に限った事ではない。『さっぱり派』の私は追い込まれている。

4クール。96日目。

真夏日ではない。猛暑日だ。公園の木陰は程よい東風に吹かれていた。私の実感としては、それほど暑くはない。私はどうやら暑さには強い。『真夏の腹巻き』は日常だ。当然、今日も巻いている。 それと、梅雨の遅れは洗濯物の生乾き臭から私を解放させてくれる。あの臭いに私は耐えられない。概ね、猛暑を私は歡迎する。水不足にならなければ。 猛暑日の散歩も悪くない。ぐっと人が減っている。私の半径50mに人はいない。散歩を元気づけてくれる花も良い。なんの花だか知らないけれど。 私が暑さに強い要因の

『4クール。95日目』

95日か。 1995年に私は東京にいた。私は当時高円寺に住んでいたのだ。深夜のコンビニのバイトで生計を立てて、そのコンビニのとなりのとなりあたりに、道場があった。その道場から深夜に買い物客が訪れる事もあった。その客は頭にヘッドギアをつけていた。防具ではない。チャクラを開くためのヘッドギアだったのだろう。「あんまんください」、客の言葉は丁寧だった。 ほどなくして、地下鉄サリン事件が起こった。 私はコンビニのバイト終わりに映画を観に行く事があった。場所は渋谷だった。地下鉄で行く

『4クール。94日目』

昨日、ジョン・フルシアンテがレッチリに戻ってきている事を知った。 いつの間にだ。音楽雑誌を隅から隅まで読んでいた、かつての私が懐かしい。情報社会から勝手に取り残されている。もう、数年前から復帰していたとは。アルバムも出していたとは。「最近のレッチリ、また、いいな」とは思っていた。私の耳は健在なようだ。それでいい。 レールから外れて、情報社会のバスから蹴り落とされて、なんのこそ。 『スロウライダー』である事こそが、私が愛する自由と現実と少しの事情だ。ニュース系のアプリはスマホ

『4クール。93日目』

私は根っからの『痔主』だ。 『腹下り』から『腹止まり』に傾いた私の便は、いま、キレ痔を誘発している。シャワートイレがまことに染みる。しかし、免疫力のおちた身体にはシャワートイレは欠かせないものだ。尻からの細菌の侵入を防がなくてはならない。 私の腹から肛門にかけては、生まれつき軟弱にデザインされていたのだろう。神仏のせいだ。点滴の副作用で『腹止まり』に傾いたときに、「パかっ」と、肛門が割れた。これで一気に『腹下り』になると『腹腹地獄下り』になるのだ。それは、まだ、やってきてい

『4クール。92日目』

とつぜん、常緑樹が欲しくなった。で、50cmほどのオリーブの樹をホームセンターで買って鉢に植えた。オリーブより鉢のほうが値段が高かった。玄関の両脇に配置してみた。なかなか良い。這生のローズマリーも買って二階のベランダで育てようと思っていた。これは、這生のローズマリーが見つからず、断念した。二階のベランダに、ゴーヤ1本では寂しい。なにか、見つけようと思う。 それと、我が家では、夏の台所の生ごみ臭対策として、春から『家庭用コンポスト計画』を、推し進めていた。端的に言えば、失敗し

『4クール目。91日』

穏やかな日日がつづいている。 長い休薬期間を取ったおかげなのか。順調だ。曇天からもたらされる風も気持ちが良い。世間は日曜日だ。今の私には曜日はない。曜日を見失って生きている。 少しの運動と、文章と、音楽と、植物と、散歩と、バイク。充実している。 喧噪から距離を置いた生活だ。大人として、本当はいけない。あまりにも、堂々と『がんかわいがり』を満喫してしまっている。「どうだ。私は病人だ。文句があるのか」、そんな、ふうだ。 どくだみの収穫は早起きした両親が、もう、終えていた。庭に