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エッセイのほう

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野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
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#日記

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『5クール。108日目』

点滴の副作用の吐き気止めの薬を半日服用するのが遅れた。この薬は私には関係ないのではないかと思ってもいた。しゃっくりはとまらないし、このくらいなら耐えられるだろうとも思っていた。が、吐き気としゃっくりの同時攻撃の威力はなかなかのパワーである事が分かった。「うぐうぐしゃっく、うぐうぐしゃっく」、がとまらない。 まったく関係ない話をしたい、突然思い出してしまった事がある。私は 、アン・ルイスの『woman』という曲が好きなのだ。しかし、アン・ルイスはもう、リタイアしているはずだ。

『5クール。107日目』

5クールに入った。このクールでひとつの区切りを迎える。学期末のようなものだ。5クール後のCT検査で落第するかも知れない。大小6の肝臓に転移した癌は果たしてどうなっているのだろうか。大きくなっていたり、増えていたりするとしたら、数か月分の医療費は『ぱぁ』に等しい。「この抗がん剤は効かなかったようだね」、とはすんなりいかない。私は貧乏なのだから。もともと『がんかわいがり』とは博打なのだ。それは理解しているが、せめて現状維持であって欲しい。無駄骨では、私の尻がかわいそうだ。 貧乏

『4クール。106日目。最終日』

のどが、からからで目覚める。下痢止めをアメリカ式(4錠)に倣って服用したからだろうか。今日、明日はなにも食べない。幾種類かの飴とサプリと水分だけのつもりだ。食べなければ『腹下り』には傾かない。じつは簡単な話なのだ。頬と額あたりの私の顔が荒れてきた。これは下痢止めの副作用だ。できればこれ以上服用したくない。これから私はあばた顔になるのだろうか。身体はふらふらしている。 35℃予想がでている。私はそれでも、腹巻とホッカイロで腹を温かい状態でキープしようと思う。1日半食事を取らず

『4クール。105日目』

まずまずの体調に戻った。ただし、文字どおり尻に火が付いているので、数時間は座っていられない。オリジナルブレンドのワセリンで消火活動をしなければならない。25日はリクライニングチェアとはいえ、朝から16時頃までの点滴が待っている。座りっぱなしになる。耐えられるのか。 梅雨がはじまった。よい事をひとつみつけた。軟毛の私にとってこの時期の湿気は大敵で、髪型には苦労していた。くるりんとしたくせっ毛がゴーヤのつるのように自由奔放に暴れていた。髪はいつもくしゃくしゃだった。その悩みが坊

『4クール。104日目』

昨夜、就寝前にひとつの対応策を実施した。 下痢止めの乱れうちだ。万策尽きた私のあがきくるしみの果てのイケナイ賭けだ。決して真似はしてはいけない。『腹下りマイスター」の私だからできる荒業だ。 ただいま朝7時。いまのところはいい。しっかり眠れたので尻の痛みも和らいだ。下痢止めの乱れうちの詳細は書けない。それほど、異常な量の薬と漢方と整腸剤と睡眠薬を同時に身体に入れた。朝の気分はいい。便意もない。 あのまま放置していたら、私の腹は壊れていた。昨晩の就寝前には10分に一回、トイレに

『4クール。103日目』

そして『腹下り』はつづく。 タンニンを取るべく葡萄を食べた。また、オリゴ糖を取るべくプレーンヨーグルトにオリゴ糖をかけた。下痢止めも、5時間おきくらいに飲んでいる。 腹と腰にホッカイロを貼った。強ミヤリサン錠をポリポリ食べた。ぬか漬けも食べた。尻は猛烈にひりひりしている。 夜中にトイレに10回以上は籠った。マッハで便意がくる。いつ漏らしてもおかしくない状況だ。危うい瞬間もあった。そんなときには直立不動の姿勢を取る。すると、便意が引くときがある。便意が戸惑っているのが手にとる

『4クール。102日目』

時間差攻撃といっていいのだろうか。今日、『腹下り』がはじまった。 4クール目の抗がん剤の服用は火曜日で終了している。抗がん剤は3日間は身体にとどまると聞いてはいる。とはいっても私の『腹下り』は一度はじまってしまうと容易には『腹止まり』には傾かない。 『腹下り』のまま、5クール目に突入する可能性もあるのだ。 ヨーグルトをローテーションで廻していたけれど、急遽『ナチュレ』を明日から投入してみよう。急な寒暖差で体調を崩したのかも知れない。 やはり、『がんかわいがり』は難しい。なん

『4クール。101日目』

昨日は、終日軟体人間として『ぐでんぐずんだるん』と過ごした。 軟体人間の本領を発揮してみせた。誇らしい、それでこそ私だ。一日中寝ていた気がする。その、余韻が今もある。 そんな私は尿意に起こされて、朝6時からこうして文章を書いている。日記とはそういうものだろう。いや、違う。「今日は、もう、終わっちゃたのかなぁ」「馬鹿野郎、まだ始まってもいねえよ」だ。日記とは一日の終わりにリターンして書くものだ。『日記リターン』か。ああ、北野映画がアマプラに入らないかなぁ。断捨離で色々もうない

『4クール。100日目』

4クールの服薬期間最終日に鼻血が出た。 おしい。もうすこしだったのだが。4クール、100日目といっても、昨秋の、一度挫折した抗がん剤治療は入れていない。二度目の抗がん剤治療の100日目だ。キリはいい。祝福の鼻血も出た。なんだそれは。 最近は恐ろしくて体重を計っていない。『腹下り』を利用して体重を落とす予定が、喜ばしいほうに狂ったからだ。痛し痒しといったところか。明日から6日間は休薬期間に入る。場合によっては『ファスティングフェス』の開催を宣言しなくてはならない。 ヨーグルト

『4クール。99日目』

4クール目も先が見えてきた。 月、火で抗がん剤の服用期間は終わる。『腹下り』もなく、無事に6/25日には5クール目に入れそうだ。絶対に無理だと思っていた、チョコミントアイスも食べる事ができている。 この4クール目の副作用の少なさは、どこから来ているのだろう。休薬期間を長めに取った事が良いほうに働いているのは間違いないとしても、一切の『腹下り』がないのは初めてだ。 食事は1クール目に比べたら随分変わった。試行錯誤を繰り返してきた結果がでているのかも知れない。4クール目の私の日

『4クール。98日目』

24時間前にできあがった無調整牛乳で発酵させたヨーグルトは、牛乳感が消えていた。私の好きな酸味風味のさっぱりに傾いていた。24時間の経過がそうさせたのか。一日寝かせると、こうも違うのか。驚いた。 パックの底に『酸味さっぱり風味』が残り易いのか。若しくは、もっとしっかり混ぜないといけないのか。謎は深まる。すると、私の手が牛乳パックの口にあたり、雑菌の侵入を許しそうで怖い。 結局、1リッターのパックを24時間で平らげた。『腹下り』もない。上々のすべり出しだ。 続いての、『森永

『4クール。97日目』

ヨーグルトメーカーを買った。これで、ヨーグルトの大量買いをしなくてすむ。もともと牛乳嫌いの私にはヨーグルトでも、牛乳感が濃厚なものは食べられない。それは、ソフトクリームにも言える。チョコレートのソフトクリームでも『濃厚』は控えている。『さっぱり』と表記していないと手をだしずらい。 私は、アイスミルクよりも、ラクトアイスを選ぶ。大抵の乳製品は安価であるほど、私の口に合う。この国は『濃厚』が幅をきかせ過ぎている。乳製品に限った事ではない。『さっぱり派』の私は追い込まれている。

4クール。96日目。

真夏日ではない。猛暑日だ。公園の木陰は程よい東風に吹かれていた。私の実感としては、それほど暑くはない。私はどうやら暑さには強い。『真夏の腹巻き』は日常だ。当然、今日も巻いている。 それと、梅雨の遅れは洗濯物の生乾き臭から私を解放させてくれる。あの臭いに私は耐えられない。概ね、猛暑を私は歡迎する。水不足にならなければ。 猛暑日の散歩も悪くない。ぐっと人が減っている。私の半径50mに人はいない。散歩を元気づけてくれる花も良い。なんの花だか知らないけれど。 私が暑さに強い要因の