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『ま夏。八月二十日。あれから11年』

時々、頼んでもいないのに、八月二十日の十一年前の写真です。とか、グーグル先生が教えてくれる。設定を変えれば、そんなおせっかいもなくなるのだろうけれど、放置している。

私は、十一年前の、ま夏に北海道の網走湖畔にある、呼人浦でキャンプツーリングを楽しんでいたそうだ。今でも同じバイクに乗っている。タンクとサイドカバーの色が変わり、ウィンカーは大きくなった。そのほかにも消耗品を交換している。勿論、事故でも何度か交換している。

今では、テントも居住空間をもうすこし大きくとれるサイズに変更している。ツーリングキャンパーは大体、湖面ぎりぎりにテントを設営している。大雨が降ると湖が溢れてテントが浸水することもあるようだが。

私意外のバイクが見えないところを見ると、他のテントは連泊組で出払っているようだ。此処に泊まると、翌日は早起きして知床(ウトロ)にツーリングにゆく。朝の知床はいい。

キャンプ場の出入口の道はややカーブしていた。地元民が猛烈なスピードで車をとばしているので、網走湖の出入りには注意してもらいたい。車体を大きく上げた地元民の『ジムニー』が急ブレーキをかけて車軸が折れて、オイルをまき散らして動かなくなったこともあった。キャンプ場の全員で端まで手で押した。
ジムニー氏は怒り心頭であった。礼もなかった。キャンプ場から出ようとしていた関東圏のナンバーの車に因縁をつけていた。

普通のスピードで走行していれば急ブレーキも必要なかっただろう。そして余計なカスタムをしていなければ車軸が折れることもなかっただろう。その後、地元警察がどんな判断をしたのかは知らない。

さて、今年は明日から入院だ。一週間分のパンツが足りなくてAmazonで五枚1980円のボクサーパンツを買った。これで、何度か漏らしてもいい。病院食になるので、そこまでお漏らしの心配はしていない。パピコを一日五本食べることもない。ノンアルコールビールをがぶがぶ飲むこともない。四十八時間の抗がん剤治療の副作用次第だ。

一応、病院食とミネラルウォーターしか口に入れない予定ではある。昨年は、そうだった。しかし、一階にはセブンイレブンがあるのだ。私の好物のお好み焼きパンが復刻している。特別な年だ。パピコもあるだろう。カテーテル埋蔵手術など、さほど心配はいらないだろう。あまりにも、病院内が暑いようだったら、しれっとパピコを食べようと思っている。

坊主頭は目立つので、目深に帽子を被って店内か、病院出入口のバス停のベンチで食べればいいのだ。しかも、目の前の道を渡れば大きな公園がある。いくらでも場所はあるのだ。

入院中でいちばん恐ろしいのは、ストレス氏だ。ストレス氏をどうやり過ごすかに、私の健康がかかっている。パピコ一本でストレス氏から遠ざかることができれば、上々ではないか。喫煙やアルコールとは違うのだ。

昨年の退院まじかに「無糖の珈琲飲んでいいですか?」と看護師に訊ねた「いやあ、どうでしょう。一応、刺激の少ないものにしましょう」と、言われた。昨年は大腸のがんだったから、その論理も解る。けれど今夏の手術はそれほどのものではない。抗がん剤の点滴中以外は自由度が高いのではないか。そう思っている。

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