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学校引率の美術鑑賞の破損事故を防ぐために大人達が出来ること

このような事故がきっかけに学校の美術鑑賞を無くさないために出来ることを大人達がはじめないといけません。


追加:6月6日の時点では自分が鑑賞経験がある&記録が残っている「クワクボリョウタさんの作品」のみ記載していました。ご指摘があったのでもう1点の作品に関しても作品動画を追加しました。


悲しいニュースが飛び込んできました。

もっと詳しい記事はこちら。


正直びっくりしました。クワクボさんの作品は本当に素晴らしいんです。


子供心にマジでグッときます。映像せっかくだから貼っちゃうぞ。日常品を使った影絵で新たな世界を作り出します。素晴らしいです。


CARSTEN NICOLAIさんの作品動画も貼っておきますね。
 WELLENWANNE - with 55-65Hz Sweep


クワクボさんの作品、私も実際に拝見しました経験があります。その時を思い出すと「鑑賞人数制限あり」「鑑賞場所の設定」がありました。小さなお子さんが急な暗闇が怖くてパニックになる可能性もあるので、注意書きもあったような記憶。


ただ、あくまで小さなお子さんに対する注意書き。今回、中学3年生が全損させたというニュースに驚きました。同時に作品を何度も鑑賞してる側からして「なぜ全損まで事態がいってしまったのか?」正直理解に苦しみます。

可能性としては

1:鑑賞対象が日常品を使用してるので、美術作品としての認識を鑑賞者である中学生が持てなかった
2:鑑賞時の人数制限を怠った
3:鑑賞時に鑑賞場所から出た(柵を乗り越えたらしい)
4:鑑賞場所から出た中学生を止める大人がいなかった

この4点が同時に起こったのではと推測します。もちろん責任を取ることは重要ですし、破損に関する保険を適用するために被害届を出すことは重要です。

でもね。


これからの被害を出さないために「中学校の美術鑑賞を今後自粛する」のはなんとしてでも避けたい。同時にどうやったらこのような悲劇を防げるか、大人達が真剣に考えるべきだと思うのです。


この4点を同時に起こさないために親子鑑賞歴16年目に突入した私が指針を述べてみたいと思います!では、先程の原因を掘り下げてみましょう。



1:鑑賞対象が日常品を使用してるので、美術作品としての認識を鑑賞者である中学生が持てなかった


これは説明不足故だと思います。でも学校が全部準備するにはちょと酷です。同時に美術館側が学校向けの資料を作るのも大変。。ネットでの鑑賞記録とかが見やすくなってるといいですね。ネットで多く見受けられる鑑賞記録に

「この鑑賞記録は事前にご連絡頂ければ学校の鑑賞資料に提供可能です。」
「この鑑賞記録の著作権を解放します」

このような注意書きをつけたら個人の鑑賞記録も事前資料になれるのかな。私も契約に問題がない場合、何かネットに書く際はこのような但し書きをつけたいと思います。

あと、現代美術において「表現を表現する場所まで持っていくことの大変さ、素晴らしさをもっと青少年に伝えなきゃ」って思います。特に現代美術だと日常品を使っての表現などによって表現の崇高生が第一印象で伝わらないってことがあると思うんです。

すごくぶっちゃけて言うと現代アートを見てない人からすると

「日常で見かけるもので作ったアートなんて、別に壊れてもすぐ作れるんでしょ」

って思ってしまう可能性があるってこと。


そうではない、この表現が完成され、そして展示にいくまでにはものすごく壮大なビジョンとストーリーがあるんだ!ってことを芸術に既に虜になってる我々は伝える義務と責任があると思うんです。そして、そのストーリーを知ることで青少年に新たな世界がある!ってことを伝えたい。それって素敵なことだと思いませんか?




2:鑑賞時の人数制限を怠った

3:鑑賞時に鑑賞場所から出た

4:鑑賞場所から出た中学生を止める大人がいなかった


この4点なんですが、実はこれって「鑑賞時に付き添うべき大人の数が不足してた」に集約できます。おそらくですがこの事態になった時、その場に止める大人がいなかったんだと思います。
日本の鑑賞の場って、立ち会う人が他の国に比べて極端に少ないです。
私は2014年から東南アジアに在住しています。子供はシンガポールやマレーシアの美術館に鑑賞ツアーに行ってます。そのような時は小学校の場合は「保護者の付き添いボランティア」の募集があり、多くの保護者が一緒に鑑賞しました。中学生の場合は美術館のボランティアガイドグループがガイドを担当しながら鑑賞についてナビゲートをしていました。


子供達は保護者だけでなく様々な大人に混じって鑑賞について学ぶ機会があります。日本の団体鑑賞って興味のない親だと学校ぐらいしか機会がない。そしてその時は先生が何十人も引率。鑑賞時に止まることすら許されないこともある。そうなると連れられてる側からするとしんどくなってしまう子もいるかも。。


学校の鑑賞ツアーに関しては「鑑賞をサポートする大人」のボランティアを積極的に集めたいですね。これは別に学校の保護者じゃなくてもいいと思うのです。地元の大学生とか、シルバー人材でもいいですね。自分たちと違う世代と一緒に鑑賞してあとで感想を話し合うのもすごく面白い体験になると思うのです。

今回のこの事件。コロナ禍後の久しぶりの集団行動で

子供の引率の距離感を忘れてしまった大人と、集団行動の基本を忘れてしまった中学生が現場で事故を起こしてしまった

という事態ではないでしょうか。まさにこれ。

今回の事態は被害届が出てるようですが、これは保険の問題もあるでしょう。そして同時に「引率について何を行うべきか」を見直す機会にしてほしいと思います。


ここで絶対に避けなくてはならないのは「青少年の団体の鑑賞の自粛」です。せっかく行事が再開できるような環境になったのにそこで事故が起こったから自粛に戻ってしまうのは絶対にだめです。これ以上青少年から鑑賞の機会を取り上げることをしてはいけない。


私は思春期の子供こそ、現代美術に触れるべきだと声高らかに主張してきました。


この悲壮感に溢れている世の中だからこそ、現代芸術家の表現に触れて自分も表現してみよう!って思ってほしい。生きる活力を掴むきっかけにしてほしい。

散々取り上げた上で「今の若者は。。」とか言うの、絶対におかしいと思います。私が若者だったらそんな大人の言うことなんて絶対に聞かないです。だって、こんな辛いことばっかりの世の中でどうやって生きていけって言うんですか。

だからこそ。


表現に触れる機会を多くの青少年に持ってほしい。そのような場所を増やしていきたい。そして双方が楽しめる環境になるように創意工夫をしていきたい。そのためにアート鑑賞大好きアンティとして自分が出来ることをしていきたいと思います。