見出し画像

伝統芸能は「変化を恐れない」から生き残っていく、自分も変化を恐れず生きていこうと確信した夜。 ーNAOKO TOSA展イベントに参加してきましたー


変化を恐れない文化は地球が残る限り消えない、と確信しました。


昨日、「現代劇を観るんだ」と言ったのに、今日、私たちは狂言を観に行きました。それは何度も作品を拝見している土佐尚子先生が東京で展覧会イベントを行い、その一環で狂言が上演されるからです。


Sound og IKEBANA はシンガポールで初めて鑑賞をさせて頂きました。その後の鑑賞をまとめた記事をご紹介。


その後様々な場所で鑑賞をさせて頂いています。赤ちゃんの産声を使ったプロジェクトは特に印象深かった。


今回は、ファッションだそうです。先日は、京都大内で引越しされたばかりの研究室に伺った際に作品を拝見させて頂きました。

今回はそのファッションのイベントに参加、もちろん息子さんも「Sound of IKEBANA」のカットソーを着用で参加です。


イベントは3部構成。1部、3部がファッションショー、そして2部が狂言とトークでした。ファッションショー、「止まったプロジェクターに表示される動く映像」と「動く人間が着る止まった服」のコントラストが面白かったです。モデルさん美しかった。。。

「Sound of IKEBANA」はものすごくシンプルにいうと「実際にハイスピードで撮影された映像をIKEBANAに見立てた表現」です。でも見方によってはものすごいエネルギーを感じる表現に見えたり、仏像的に見えたり、見方によって常に変化していきます。この「変化」がまた面白いんですよね。



今回は2部である「狂言とトークについて」感銘を受けたのでその点を書き連ねてみたいと思います。今回、狂言を演じて下さったのは「Sound of IKEBANA」のファンである茂山 逸平さん


土佐尚子先生との共演は2015年の琳派以来だそうです。


こんな対談もありました。



今回の演目は「土筆(つくづくし)」。この狂言。正直しょーもない可愛いお話です。

男性二人がお散歩に行く際に歌をお互い読み違え、お互いが「何間違えてんだよ」と揶揄いあって、最終的に相撲を取ってやーいやーい。というお話。

ああしょーもない。でもめっちゃ楽しい。茂山逸平さん、初めて拝見させて頂きましたが、舞台に上がるとその舞台がふあっと明るくなるような優しい明るさを振りまく存在感。

そのような明るい存在感の演者さんが現代のIKEBANAをプリントされた着物で狂言を演じる。思わずクスっと笑ってしまうおかしみと楽しさに満ち溢れていて、鑑賞してる皆がとてもリラックスした笑顔になっている。。


狂言ってすごくね!?


古語が全部わかるわけでもないのになんか伝わる。わかってしまう。そして笑ってしまう。狂言ってこんなに楽しかったっけ?確かに私は東南アジアのロックダウンでガチの古典芸能に3年触れることができてなかった。だから古典芸能好きとして想いが暴走してるのかもしれない。そこを加味したとしても本当に楽しい演目でありました。


狂言を思う存分楽しんだ後は、トーク。このトークが本当に学びが多かったです。狂言というのは室町時代から変化に変化を重ねて600年以上続いているそうです。それは「時代の変化と共に変化していったから生き残れた」ということでもあるそうです。そして先ほどの狂言、「古語だから全部わからないけどなんか感覚的にわかって超おもしろい」という視点が「Sound of IKEBANA」の「存在としてなんかよくわからないけど表現すごく面白い」という視点と結びついているのかなという感想を持ちました。

今回のご衣装は本来の狂言の衣装と違うことを土佐先生はすごく気にしておられたのだけど、芝山さん曰く「常に変化していくものです」とおおらかにお話しされていたのが印象的でした。


芝山ファミリーの狂言、もっと観たい!と家族で盛り上がりました。ここで疑問に思う方も多いと思います。16歳のバイリンガル男子がなぜ狂言が好きなのか。実は息子さん、狂言師の奥津健太郎さんがかつて主催されていたイベントに参加し、狂言を習ったことがあるのです。(現在は開催されていないようです)

これはリハーサル時の写真です。その節は大変お世話になりました。


この時の体験は本当に楽しいものになりました。この発表会の年にシンガポールに引越が決まったので体験は一度きりになってしまいましたが、その後も「古典芸能を楽しむ」という文化は16歳男子の心にしっかりと残っております。


かつて狂言を体験した少年が異国の地で日本の和文化を和で表現に出会い、そしてその表現を身に纏ってかつて自分が体験した和文化を再び楽しむ。


「変化を恐れない文化って地球がある限り絶対に残る!」と確信した夜になりました。とても学びの多い、楽しい夜になりました。ありがとうございました。

 


この記事が参加している募集

イベントレポ