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フィードバックもないこの日々で

フリーランスの仕事を続けて3年半が経つ。
長いようで、短い期間だった。
まさかWEBライターとして、食っていくなんて、
4年前の僕は想像していなかっただろう。

なにせ僕がWEBライターという職を知り、
それに飛びついたのが大体1週間以内に収まるからだ。
それくらいの勢いで、この世界に入ってきた。

元々、文章を書くのが嫌いではなかった。
小学・中学・高校とみんなが嫌がる読書感想文、
僕はそこまで嫌ではなかった。
どうも、文章を創作するのは得意な方なようだった。

読書感想文の課題図書をペラペラとめくり、
ろくに読もせずに書いた作文が
佳作になることもあった。

高校の時の期末テスト、僕は何度か赤点取った。
そういった落ちこぼれたちは、
一つの教室に集められ、反省文を書かされる。

みんなが40分かけて書くようなものを、
僕は10分程度で書きおわり、教室を後にした。
でも、先生はそれが気に入らなかったようだ。

結局、僕は呼び止められると、
日が暮れるまで説教を食らった。

これくらい文章を書くのが、苦にならなかった。
だから、WEBライターも少し甘くみていた。
自分が好きなように書いて、
それで稼げるようになれば万々歳じゃないか。
そんな軽い気持ちで飛び込んだことを覚えている。

でも、実際は違った。
文章が書ける人間は他にもたくさんいた。
WEBの世界でライターは使い捨ての存在だ。
うまくまとめられていればそれで良い。

僕がクラウドソーシングに登録して、
仕事をいただいたクライアントさんは多分
そんな思いで僕に発注をしていたのではないだろうか。

文字単価は0.5円。
これで生活することは不可能に近かった。
でも、僕にはこれしか取り柄がなかった。
勢いで会社を辞めて、何かスキルがあるわけでもない。
だから、しがみつくしか選択肢がなかったのだ。

僕は社会不適合者の烙印を押されていた。
だから、もう逃げ場はないんだと開き直れた。
ひたすら文章を考え、書く日々だ。

フィードバックなんてものは、ほとんどもらえない。
でも、原稿が完成する時の達成感は
なににも変え難いものだった。

初めて1万文字の原稿の発注を受けた時は、
もうだめかと思った。
これを1週間で完成させるなんて、無理に決まってる。
自分の心はそう叫んでいた。
だけど、逃げ場はない。

だから、ひたすら文章を書き続けた。
1週間後、僕は1万字の文章を書き終えた。
今思えば、大して分量があるわけではない。
それでも、その時はまるで偉業を成し遂げたように思えた。

自分でも書けるんだ。
僕がWEBライターであると、
実感し始めたのはこの頃からだろう。

その後も、いろいろな無理難題が飛んできた。
10万文字のコンテンツを作成すること。
知らない専門ジャンルの教材を作成すること。

その時は、やっぱり絶望した。
でも、僕には逃げ場がない。
だから、ひたすらに文章を書き続けた。
そして、全てを乗り終えて今の僕がいる。

今は、昔よりもフィードバックをもらえている。
でも、新しくチャレンジすることは、
大抵、なんのリアクションもなしだ。

でも、やり続けなければならないのだ。
僕は、文章を書き続けると決めたからだ。

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