高校生とトラック競技
小学生や中学生のローディーのみなさんやその保護者の方は、『うちの子(自分)はツールドフランス目指してるんで、トラック競技はやる気ないです』という方も多いかと思います。
とっても素晴らしい志ですし応援したいですが、高校生になるとやっぱりトラック競技をやることになると思います。なぜそうなるか?その理由を書いていきたいと思います。
高校の自転車競技部
先日、機材が高い!ということを書いてきましたが、高校になってしっかり競技をやろうと思うと、やはり自転車部のある高校を考える方も多いかと思います。
同じ目標に向かって仲間と取り組むのは、とても素晴らしいことだと思いますし、何より『部車』と呼ばれる自転車部の機材を使わせてもらえたりできることもあるので、経済的にもとてもメリットが大きいです。
とはいえ、我が家は高校へは自転車とは全く関係のない、本人がいきたいと思っていた公立高校を受験しましたので、その恩恵を受けることはありませんでした。全ての機材を自力で揃えた痛みがこのnoteの原動力です。
某有名高校からもお誘い頂いたんですが、私の過去の経験を本人に話したところ、高校では自分でやりたいということになり、今の高校になりました。その内容は、また別の機会に書きたいと思います。
自転車競技部で目指すものとは
多くの高校の自転車競技部では、選手一人一人の成績を目指すこともそうですが、やはり学校総合成績を狙うのが一般的です。
学校の中の部活動運営費の予算も、この学校としての成績が悪いよりも良い方が当然出やすくなりますし、その学校の部活動として継続していくためには大事なことです。
ここで、自転車競技の学校総合がどう決まるのか?というのがとても大事なことになりますので、これについて少し詳しく今日は見ていきたいと思います。
インターハイの種目
高校生として一番大きな大会と言えば、やはりインターハイだと思いますので、インターハイを例に見ていきたいと思います。
まず大前提、自転車競技としてインターハイが開催される種目は、
1.トラック競技
2.ロードレース
以上2つの競技のみです。BMXやマウンテンバイク、シクロクロスという種目では、残念ながら今のところインターハイに出場することはできません。
そのため、それらの種目の選手も、上記2つの競技のいずれか、または両方をすることで、インターハイチャンピオンを目指すこととなります。
ロードレースの存在感
上で、トラック競技とロードレースと書きましたが、厳密に言えば
1.トラック(チームパシュート)※4名の団体種目
2.トラック(チームスプリント)※3名の団体種目
3.トラック(ケイリン)
4.トラック(スプリント)
5.トラック(1kmタイムトライアル)
6.トラック(3km個人追い抜き)
7.トラック(ポイントレース)
8.トラック(スクラッチ)
9.トラック(4km速度競走)
10.ロードレース
えっ?・・・、トラック大会やん?ですwww
ちなみに、上記3~10の個人種目に関しては、
1位:9点
2位:7点
3位:6点
4位:5点
5位:4点
6位:3点
7位:2点
8位:1点
というふうに、順位によって得点を獲得することができます。トラック競技では1種目約50名前後に対して、ロードレースでは約150名が一斉に走りますが、獲得できるポイントは同じです。
そんな馬鹿な!?と思われたかも知れませんが、これが現実です。しかも、これはまだまだ序の口です・・・。
団体種目の得点
上記1と2は、トラック競技の団体種目ですが、この2つに関してはポイントが違います。ポイントは以下の通りです。
1位:24点
2位:21点
3位:18点
4位:15点
5位:12点
6位: 9点
7位: 6点
8位: 3点
1位だけは違いますが、個人種目の3倍のポイントを獲得することができます。ということで、トラック競技の団体種目で結果を残すことが、学校総合には一番大事だと言う事が分かって頂けると思います。
1校7名制限
さらに、ロードレーサーを厳しくするルールが、1校7名制限です。これについて少し詳しく説明したいと思います。
『トラック、ロードと分かれてるんだし、全ての種目にスペシャリストを用意すれば良いじゃないか?』と思われるかも知れませんが、インターハイでは1校7名の正選手しか使えないというルールがあります。
そのため、ロードレースを除くトラックの個人競技が7競技ありますので、そこに1人ずつ割り当てていき、その中の選手で団体種目(いずれか1つのみ選択)もロードレースもやるというのが強豪校の一般的なやり方です。
そのため、大人数で走りレースの展開によってリザルトが変わりやすいロードレースだけのために選手を選ぶということはまずありません。
まずは得点の高い団体種目の選手を決め、その正選手の中からトラック競技の個人種目を走る選手を決め、その中からロードレースが得意な選手をロードレースに使うというのが基本となります。
トラック競技に取り組む意義
高校生になると嫌でもトラック競技をやる必要性が高まりますので、経済的に厳しいご家庭もあるかと思いますが、こういったことがあるということを今の時点でご認識頂き、少しずつ準備をして頂けると良いかと思います。
とはいえ、トラック競技をやることは、将来ロードレーサーを目指す選手にも、必ずプラスの効果はあると思います。
変速機のない自転車ですから、ギア比と回転数だけが速度の決定要因となりますので、回転技術を磨くことが大事な要素となります。
先に書きました、ジュニア選手のギア比制限について【後編】は、このトラック競技のためには欠かせないことだと思っていますので、まだ読んで頂けていない方は是非ご覧頂けると嬉しいです。
国民体育大会も同じ
これと同じ話で、国体もよく議論に挙がります。どこの県でもそうですが、ロードレーサーよりも、トラック競技の選手に対して手厚い対応がされていると思います。
自分自身、ロードレースしかやっていなかった時は、『ロードレーサーって全然注目してもらえないな・・・』なんて思っていたものですが、国体でも上記のように団体トラック種目が最大の得点源になりますので、県としてはそうなるのも当たり前です。
うちの息子も、元々はロードレースしか興味はありませんでしたが、今ではすっかりトラック競技がメインとなっています。
ジュニアの選手でも、実際に色々とやってみないとどこに才能があるか分かりませんので、まずは前向きにやってみる!と思ってもらえる方が少しでも増えてくれれば嬉しいです。
ということで、簡単ではありますが今回の話題をこれで終えたいと思います。本日も、長々とお読み頂きありがとうございました<(_ _)>
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