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渋沢栄一×組織、人材開発

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#渋沢

渋沢栄一が最期に期待したこと

渋沢栄一が最期に期待したこと

渋沢栄一の生涯をたどる旅もいよいよ最後となった。これまで連載を読んでいただいた皆さんに心から謝意を伝える。
私の中でどこか彼の物語を終わらせたくないという思いがあり、なかなか筆を起こす気になれなかった。人生には始まりがあれば、終わりがある。本稿では、彼の最期の時をご一緒頂ければ幸いである。

彼は1909年に第一銀行頭取と東京貯蓄銀行取締役会長を除き、企業の相談役や監査役の職を辞した。その後、19

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渋沢栄一の人材育成

渋沢栄一の人材育成

社会貢献につながるさまざまな活動に積極的だった栄一は、人材育成についても余念がなかった。名プレーヤー必ずしも名監督(=育成者)にあらずとよく耳にするが、栄一の場合は違ったと言えるだろう。彼は、人材育成にも積極的だった。有名な話として、栄一は面会を求められれば必ず会って話をしていた。そんな栄一に周囲の人は、全員に会わなくても良いのではないかと助言する人も少なくなかったそうだが、彼は生涯にわたり面会を

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SDG'sの先駆者、渋沢栄一

SDG'sの先駆者、渋沢栄一

前回は渋沢栄一が、コネクティングリーダー、つなぐリーダーシップを発揮して社会の発展に貢献し続けていたと紹介した。栄一はコネクティングリーダーとして、社会公共事業の発展にも大きく貢献した。今、達成に向け世界中が動いているSDG’S。彼はそんな言葉もない時代から、もっと言うと社会公共事業という言葉がない中で、創り、貢献し続けてきた。つまり、SDG’Sのパイオニアと言っても過言ではない。

まず、功績を

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渋沢栄一から学ぶ、コネクティングリーダーシップ

渋沢栄一から学ぶ、コネクティングリーダーシップ

前回は渋沢栄一と岩崎弥太郎の思想の違いから見える、異なるリーダーシップスタイルについて探求をし、その中で、渋沢栄一は横のリーダーシップ、岩崎弥太郎は縦のリーダーシップを発揮していたと説明した。
彼が発揮した横のリーダーシップ、コネクティングリーダーシップは、数々の歴史的な事業家、社会や世論、ひいては世界とつながるようになる。その育まれ方と実績を詳しく見ていき、一緒に彼が生きた世界を味わってみたい。

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渋沢栄一と岩崎弥太郎の思想の違いから見るリーダーシップ

渋沢栄一と岩崎弥太郎の思想の違いから見るリーダーシップ

(今回はやや長文となっていますが、最後までお読み頂けますと幸いです)

前回は栄一がどのように立志をしたのか、を探求していった。その中で、栄一はヨーロッパ視察を経て、「合本主義」を考察したとお伝えした。今回は栄一が最も大切にした考え、価値観である「合本主義」について、探求をしていく。

「合本主義」とよく対比されるものが「専制主義」である。独裁主義と言われることも多い。言い換えると、カリスマ型リー

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