原点回帰
漢方医学の原点は傷寒論です。
私が初めて師匠に教えを乞うたとき、師匠はただ一言「傷寒論を読め」と言いました。漢方医学の真髄にして全ての源流は傷寒論にあって、そこを違えては医道を極めることはできないと、そういう教えでした。
昭和期の漢方医学復権の中心人物であった大塚敬節先生は、私の師匠の師匠の師匠の師匠にあたります。彼がなければ今日の漢方医学は存在しなかったでしょう。叶うことなら生前にお会いしたかったと不意に寂しくなることがあります。
先生の弟子であった山田光胤先生も数年前にご逝去され、無常なる時の流れを痛感します。
以降の実名は特定を避けるため明言できませんが、先日大師匠の言葉に触れて襟を正さねばならぬと思い、ここに記す次第であります。
漢方医学の原点は傷寒論です。
邪道や我流に走っては、医学の真髄に到達することはできません。道を極めんとする者が辿るべき「守・破・離」を進むこと。
『師匠を目指してようやく近づけたかと思うと、師匠は遥か先に進んでいる。』
これは私の師匠が大師匠に向けた言葉ですが、はたして私も師匠に対して、同様の感情を抱いております。師匠を超えたいと思えどもその道は険しく、ああそうだ越えよう、超えるのだと思い直して、今この文章を書いています。
ここ最近は色々な古文書を読み漁っていましたが、これを機に再び傷寒論の研究に帰ります。
おそらく時が満ちたのだろうと思います。
何か歯車のようなものが、カチリと音を立てて動き始めました。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の歩みの原点が鮮やかに甦り、前進する原動力となりますように。
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