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今年のバレンタイン

 いいからこっちに来て、と手を引かれ、音楽室で貰ったチョコレート。受け取ったのは小学生の私には難しい感情で、おいしそう!くらいにしか思いませんでした。鈍くてごめんなさい。

 そんなバレンタインから幾星霜。
 例えば運動神経抜群とか、見るからにイケメンとか、そういう大御所からは離れた場所で細々と生きてきましたが、2月になると幾人かから甘味をいただき、3月になるとさて何をお返ししようかと悩む文化の中に在りました。

 そもそもバレンタインデーに女性から男性にチョコレートを贈るというのは限られた地域の文化であって、こと日本においては製菓会社の策略の結果であることは明白です。お祭り騒ぎの大好きな日本文化圏の面々が「ホワイトデー」なるものを作り出したのも面白い歴史ですね。

 「好きにしたらいいじゃない」

というのが私の主張ですが、さて私自身はどうかといいますと、原理主義的な傾向がありますから、バレンタインデーの起源を調べます。するとこれはキリスト教文化圏の風習であって、恋人や家族など愛しい人たちと過ごし贈り物をする日だということに気付きます。

 私は大切な人に花を贈るようになりました。
 結婚してからも毎年欠かさず、多少日程が前後することはありますが、妻に花を贈っています。

 今年はどうしようかと考えていたところ、録画した男子フィギュアのショートとフリーを何度も繰り返し観ているではありませんか。なんなら平昌オリンピックの録画も振り返って観戦しながら泣いています。熱量がすごい。
 妻は羽生結弦がどんぐりみたいな髪型だったときからのファンで、彼の成長をずっと見守り応援してきました。写真集、写真集なー…などと言いながら何やらスマホを見ています。
 …これだ。

 今年は『羽生結弦の写真集』を贈ります。

 花束みたいなものですよね?
 ……ね??


 同じ写真集が2冊届くと困りますから、ちゃんと妻には事前に伝えておきました。嬉しそうにしておりましたので、今年の花束は羽生結弦です。


 拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、貴方がチョコレートの呪縛から解き放たれ、自由で楽しいバレンタインデーが訪れますように。


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