見出し画像

パーソナルスペースの効用 【実践心理学】

 特に恋愛の場においてまことしやかに語られる「パーソナル・スペース」という概念があります。曰く、他者を近づけたくない自分にとって不可侵の領域。エヴァンゲリオンでいうところのA.T.フィールドの範囲と考えてもいいでしょう。

 立っている知人に歩いて近づいていって近づきすぎて、相手が少し後ずさったら、それがその人のパーソナルスペースの距離です。

 このパーソナルスペースは様々な要因によって距離が変化することが知られています。さらに男女でパーソナルスペースの形が違う話も有名です。男性は前方に長い楕円形、女性は円形をしています。女性の方が男性よりもやや狭い傾向にあるようです。

 相手のパーソナルスペースに違和感なく入れることを許されたとき、それは心を許された可能性があると解釈します。どうにかして入り込むことを画策するような論調もありますが、私はこれに懐疑的です。パーソナルスペースはあくまでも心の距離の測り方の術として捉えるべきものであって、信頼関係の構築される前に侵害するのは不快でしかないためです。診察室にもいるんですよ、妙に距離の近い患者さん。あらかじめ椅子を適切なところに置いてあるにも関わらず、わざわざ椅子を動かしてまで近づいてきます。思わずカルテに「近い」と書きます。

 そういう天然モノに限らず、恋愛テクニックを身につけたと思い込んでいる勘違いメンズの距離が妙に近いのは、もしかしたらパーソナルスペースの誤用のためかもしれませんね。男女逆の場合には簡単かもしれませんが、その背景には男女差に関する複雑な背景が関係しているように思います。


 さて、パーソナルスペースはインターネットを介した遠隔、文字のやりとりにも発生しうると考えます。なんだか距離が近すぎる人、逆に遠くてよそよそしい人。かと思えば丁度いい距離感の人もいるでしょう。

 ここを理解して絶妙なところを突いていくのは対人関係の基本です。

 貴方と私の距離は如何程でしょうか。
 貴方とあの人の距離はどうでしょう。

 気になるときにはそっとコメント。
 反応から探るのも一興です。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の対人関係が楽しいものでありますように。


#添付pdfファイルはちょっと複雑で長いのでスルーで大丈夫です
#興味のある方はどうぞご参照くださいませ
#学問への愛を語ろう #多くの心理学系ブログがソースも貼らずにちょっと勘違いしたまま理論展開していて草が生えます #断定なのか考察なのか持論なのか感想なのかはっきりしろといいたい #真偽は自分で確かめる
#わたしの本棚 #どんどんカオスになっていきます #今自宅の机の真ん中にあるのは #存在と時間 #傷寒論解説

この記事が参加している募集

#学問への愛を語ろう

6,258件

#わたしの本棚

18,694件

ご支援いただいたものは全て人の幸せに還元いたします。