見出し画像

五線譜 《詩》

「五線譜」

理不尽を優しく抱きしめて 

キスで閉じ込めた君の言い訳

胸の奥にある 
其のたくらみを育て歓ぶ君が居る 

裏腹な態度 知っているよ

其処にあるのは
熱と匂いと甘美な色彩


答えられない質問を 

君は微笑みながら僕に投げかける

閉じた瞳 触れ合っている肌と肌

何も喋らないで 

薄く開いた唇 

微かに漏れる熱い吐息が物語を綴る

君の身体の五線譜に

指先で音符を並べた

味わう様に舌先で舐め取ってゆく 
欲望に似た甘い蜜 

うねる様に絡みつく粘膜のひだ

ふたりだけの旋律が聴こえて来るだろう

揺れ動いた駆け引きや 

望んでいた淫らな夢

其れが
何処かふたりにはわかっているはず


胸に宿る孤独が君の唇で溶け始め 

始まりを告げる鐘が鳴る

違う夜を超えた後 違う朝が訪れる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?