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anarchism - ベルが鳴る - 《小説》
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「anarchism」 - ベルが鳴る -
電話のベルが鳴っている
僕は受話器を取った
少し間 無言のままの時が過ぎ
小さな声で 誠
そう声が聞こえた
美幸ちゃん? 美幸ちゃんだよね
返事は無い
誠 来て…弱々しい声が聞こえた
何があったの 美幸ちゃん?
そう聞いたと同時に
美幸ちゃんの泣き声が聞こえて来た
激しく しゃくり泣く声
それは尋常では無い泣き方だった
泣きながら 誠 来て
そう美幸ちゃんは
僕に繰り返し言った
ヤバイ美幸ちゃんに
何かあったに違いない
僕は わかった其処に居ろ
何処にも行くな!
そう強い口調で言い放ち
受話器を置いた
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慌ててマウンテンパーカーを
羽織り 家を飛び出した
僕は走った がむしゃらに走った
雨の降る中 傘もささずに走った
美幸ちゃんが泣いている所なんて
見た事無かったからだ
息を切らし
美幸ちゃんのアパートに向かった
明かりは付いていない
僕はドアを数回ノックした
返信は無い
ドアを開けて部屋に入る
美幸ちゃん…そう名前を呼んだ
ベッドの上で
布団に包まり泣いている様子だった
肩が震えているのが
ハッキリとわかった
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