行動せよと煽る人たちへの対処法

基本的に、不勉強である人間が行動しても失敗する可能性は高い。
なぜ、何の勉強もしないで行動する人が多いのか?多くの勉強、とくに資格勉強は確かに無駄であるように思える。実務に全く使えないことが多いからである。

しかし勉強が不要ならなぜ大学が存在し、世界中の人が勉強しているのだろう。勉強が必要だと多くの人が自覚しているからである。

ハーバード大学の図書館には「行動せよ。さもなければ世界は始まらない」との言葉がかけられているという。その言葉だけをきいて、何も考えずに行動を起こす人でも、日本ではなぜか英雄扱いである。ここでは、行動とは起業を示すこととする。

しかし行動した英雄のうち何%が生き残っただろうか? 健全な経営を続けられただろうか? 彼らに不足していたのは何か? 戦略だろうか? 作戦だろうか? 戦術だろうか?

何せよ、事実として、起業しても9割は廃業するという。この客観的な事実から「起業(して経営を成功させる)には勉強が必要なのでは? 」と推論するのが一般的だろう。

たまに信じられないくらいの天才がいる

野生の勘というか、経営的な直感が優れている天才である。私は松下幸之助がそうであったように思える。ビル・ゲイツはほぼ確実にそうであろう。もちろん彼らは勉強もしたが、そもそも天才だった可能性が高い。

彼らを神格化して、勉強しないで起業する人がいる。もちろん、天才ならそれでもいい。問題は(ビル・ゲイツなどを引き合いにして)煽る人々である。何の責任もなく人の人生を煽ってくる人々である。「とにかく行動」と彼らは言う。

しかし多くの人は天才ではない

多くの人々は天才でも何でもなく、必死に社会にしがみついて生きている。
日本の伝統的な企業(JTC)が多く振りかざす精神論に振り回され、心身ともに疲れ切っている。彼らうち何人かは仕事を辞め、自殺しなかったら何十年も引きこもりになってしまっている。引きこもり問題が社会問題になって20年ほど。彼らのうち何人かはまた行動しようとしている。

就職できないなら起業すればいいじゃない

しかしかれらに真っ当な就職先はない。就職先がないから起業するという馬鹿げた発想をする人々がいる。私もそのうちの一人である。消極的な起業である。私たちには自信がない。なくて当たり前だ。しかし彼らに「とにかく行動しろ」と煽ってくる人々は驚くほど多い。私も何度も言われた。言っていることは正しい。なんせハーバードの図書館にも掲げられているのだ。しかし、あまりに無責任がすぎる。

無責任に煽るのはどういう人々なのだろうか?

 地方では地主(賃貸主)や公務員である。彼らは、起業家を食い物に一儲けしようとしているのだ。だから煽る。失敗して人生がどうにかなってしまおうが、お構いなしである。一時的にでも家賃や税金を支払ってくれればそれでいい。失敗したら自己責任を押し付ける。野垂れ死にしても心は一切痛まない。そんな人々が我々に起業を促しているのである。

失敗してもフォローできる人の言うことのみ、聞く耳を持て

私は一度起業し見事に失敗した。誰もフォローしてくれることもなく、ただ自己責任と言われるのみ。次第に縁は切れる。メンターなど都合よく出会えるはずがない。失敗しても話を聞いてくれそうな、フォローしてくれそうな人のみ、縁を保った方が良い。口先だけ精神論を振りかざす人からは、距離を置こう。まずはそれからである。

ハーバードの図書館にも近づかない方がいい?

そもそもハーバードの学生は、言われなくても勉強しているのだ。勉強しすぎなくらいである。世界トップクラスの人々と私たち庶民を比べてはならない。きっとスペースが足りなかったのである。スペースがあったらこう書かれているはずである。「諸君らはよく勉強している。もう十分だ。行動せよ。さもなければ世界は始まらない」

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