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気候変動をこれ以上加速させないために、できることは?→まず事実を正確に知ること

ここ数年、特に夏は暑くなっているような気がしますし、豪雨被害も毎年のように起こるようになりました。ここ1週間で、全国的にも豪雨被害が多く発生し本当に心配です。

ここ最近の、気候は何か変だ。
もしかして、温暖化のせい?
これ以上、気温が高くなったらいったいどうなってしまうんだろう??

そんな不安をなんとなく抱えている方も多いかと思います。

私もそんな一人です。とくに、子どもたちを育てる中で、私がいなくなった後も子どもたち、そしてその先の世代の生活は続いていくのだとリアルにイメージするように。そして、この住み心地のよい地球環境が続いてほしいなと強く願うようになりました。

でも、不安になっているだけでは何も変わらない。


まずは科学的事実を確認したいと、数年前からある報告書をチェックするようになりました。それが、IPCC報告書です。

平たく言えば、世界中の科学者が、多くの論文や様々な見地から、気候変動に関するファクトや、今後予測できることをまとめたもの。様々な政策や話し合いの元にもなります。

じつは、今年、最新の6次IPCC報告書が、約8年ぶりに出ました。(日本では殆ど話題になっていないけど)

これを読めば、だいたいの今の正確な現状や今後の考えられる気候変動の影響がわかるはず!ということで、ポイントを簡単に教えてくださるというCan-Japan(気候行動ネットワーク)が主催するイベントに参加してみました。

スピーカーは国立環境研究所の江守正多さんと、WWFの小西雅子さんです。

まずは、正確に事実を知ることから。そこから、私のようなちっぽけな市民でも何かできることが見えてくるかもしれません。

今回は、そのイベントから、みなさんの生活にも関係する大事な情報の抜粋を、かんたんにこちらでご紹介したいとおもいます!


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昨日、この記事を書いていたら、突然目の前に出てきた虹🌈 応援されてるように勝手ながら感じました😆


ポイント① 温暖化の主な原因は人間活動である

これまでの報告書では、温暖化に対して、人間活動が95%以上の確立で原因になるなどと、やや歯切れの悪い報告書が続いてきました。

が、しかし、最新の報告書では、人間活動が原因であることは、科学的なエビデンスから「疑う余地がない」と断言されました。


今から約15年前に、ゴア元副大統領が「不都合な真実」という本を出して、日本でも話題になったときに、同僚と話していて、「そんなのは嘘だ」という人がいて驚きました。でも、もう、これは疑う余地がないということで、認める必要があるでしょう。


ポイント② 温度上昇は、今後どうなるの?2030年までに1.5度上昇という予測も


ちなみに、観測されている気温変化は、今の所、「+1.06度」です。

グラフで見るとこんな感じ。↓

気候変動_気温変化_キャプチャ

(IPCC WGI AR6 Figure SPM.1aより)

黄色く囲んだ部分が、ここ最近の、気温上昇を表しています。気候システムのこういった大きな変化は、これまで何世紀も何千年もの間、起こったことのない前例のないものとのこと。

そして、

”向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、確実に地球温暖化は「1.5℃及び2℃」を超える。”

という予測がされています。

ちなみに、今のままのペースで、世界が温室効果ガスを出し続けた場合、2030年度頃に、1.5℃上がってしまうというシミュレーションも出されています。


ポイント③ 温度が上がるとどうなるの?「0.5度の差」が大きな影響の違いを生む


もしかしたら、「1.5℃までに抑えなければ…」というようなワードを聞いたことがある方がいるかもしれません。

なぜ、「2.0℃」上昇ではいけないのか。
なぜ、「1.5℃」上昇に抑えなければ、ならないのか?

これは、大きなポイントだと思います。


それは、「0.5度の差」が異常な熱波などの現象が起こる回数を、約2倍に増やすからだそうです。

下の図が分かりやすいかもしれません。

現状は、約1度上昇なので、昔の約4.8倍、熱波が起こる回数が増えてます。

「1.5℃上昇」で、現状の約2倍の頻度8.6倍に。

「2.0℃上昇」で、さらに、「1.5℃上昇」のときの約2倍で13.9倍に増えるという予測がされてます。

「4.0℃上昇」になったら…、これは考えたくもありませんね…><

↓↓↓

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また、洪水を引き起こすような降水量の変化については、もう少し予測が難しいということでしたが、だいたい同じような変化になるのでは、ということです。

また、海面上昇については、現時点で約20cm上昇。例え、気温上昇が一旦落ち着いたとしても、海面上昇は止まらず、上がり続けるとのことでした。

これが、”「1.5℃上昇」に、できるだけ抑えたい”という理由になるかと思います。 

気候が不安定で、不安に怯えるような毎日は送りたくないですよね??


ポイント④ では、「1.5℃上昇」に抑えるには、どうしたらいい?

この気候変化の主な原因は、温室効果ガスである、二酸化炭素の排出。これを減らしていけばいい。非常にシンプルですが、それがなかなか難しいようです。

2015年にパリ協定が、2.0℃上昇に抑えることを目標に採択されました。これは記念すべき動きでしたが、その後も二酸化炭素排出量は増え続けました。アメリカがトランプ政権で離脱したり、どこの国も真剣に対策していないように見えました。

しかし、ここ数年ですが、熱波や山火事や水害、様々な災害が目に見えて増えたことで、いろいろな国が危機感を持ち、具体的な削減目標を発表するようになりました。

下の表にあるのがそれをまとめたものです。最大の二酸化炭素排出国である中国も、2060年までにゼロ排出を目標にあげました。ぜひ期待したいです。これらの目標が予定通り達成されそうか、私達はしっかりウォッチする必要があります。

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ちなみに、日本は世界で5番目に排出量が多い国です。1位が中国、2位アメリカ、3位インド、4位ロシアです。他の国は、どの国も人口が日本より多いですから、日本の責任は結構あるんじゃないかなと思います。ちなみに上位5カ国で、全体の排出量の6割を占めています。

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引用 「人新世の資本論」より

ちなみにこんな感じ↑


しかし、ここでも、ちょっと問題があるのです…!

この各国の目標が全て達成されたとしても、

2100年までに、「2.3~2.6℃の気温上昇」が予想されているそうです。ガーン


というわけで、もっと目標を引き上げるよう働きかける必要があるし、私達も、その事実を知っておく必要があるのかなと思いました。

ちなみに、おおよその概算では、1.5度上昇に抑えるためには、今後、世界であと「400Gt」しか二酸化炭素を出す事ができないそうです。1年間で世界は、おおよそ40Gt排出しているので、このままだとあと10年でその量を使い切ってしまいます。

なんとか、この間に、再エネなどに切り替えて、排出量を抑えて行く必要があるというわけです。

日本では、2酸化炭素の排出の問題は、エネルギー問題とほぼ考えてよく、データから、石油>石炭>天然ガスの順に、排出量の原因となっているよう。同じく温室効果のあるメタンについては、牛のゲップや天然ガス採掘の際に副産物として掘り出されてしまうメタンガスなどが主な排出源になるようです。

なら、再エネに切り替えて、ばんばん太陽光発電パネルをつければいいじゃない?と思うかもしれませんが、山間部の山肌へのメガソーラー設置などは、それこそ、土砂災害の原因になります。それに周辺地域への環境破壊も大きいです。パネルがダメになったときの、廃棄も難しい。

太陽光発電パネルや、電気自動車にしても、蓄電池に必要なレアアースを手に入れるために、採掘現場では放射能の漏れ出しなどもあり、周辺の地域に深刻な環境破壊も引き起こすとのこと。導入は慎重にする必要があるのではないかと思います。

ちなみに、日本では調べたら、このような政策も考えられているようです。

日本の石炭火力が、日本内外から批判を浴びることも多いです。私も石炭火力には反対ですし、上手く減らしていけるとよいと思うのですが、経済産業省の言い分はこうです、、

エネルギー問題、ほんとうに難しい。


ちなみに我が家の電力は、1年ほど前に再エネに切り替えました。見積もりをとって、再エネのが普通の電力より、今はお安い状態です。

江守さんや、小西さんは、気候変動への対策というと、

「何か我慢しなければならないと日本人は考えがちだけど、もっと良い方向にするためにはどうしたらよいか?という明るい方向で考えられるといいのではないか。」

「国として、有効な政策を出すことが、興味のない人にも関心を持ってもらう一番良い方法ではないか」

などとお話されていました!

※イベント当日は、300人の募集に1000人以上の応募があり、急遽youtube配信されることになったそうです。私はイベントを聞いただけで、専門家ではないですし詳しくもないです。もっと詳しい内容を知りたい方は、資料はコチラから見られます。ご興味のある方はぜひ、見てみてください。

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というわけで、最後は、まとまらない感じですみません!一旦、今の科学的に分かってきた最新の事実をお伝えしてみました。

色々な国で、この情報はどれくらい報道されているのか。一般の人にどれくらい知られているのか、気になっています。すでにアジアだと小規模な農家などにも、気候変動の影響は出ていると聞くし、私がいつも英語レッスンしているフィリピンの先生は、最近本当に暑いと嘆いています。でも、電気料金が高くてエアコンが使えなくて、ファンで我慢してるのだそう。

パンデミックにしても、気候変動にしても、世界中に影響が出て、世界中の人が協力しなければ、解決が非常に難しい問題が起きてます。私たちは試されてるのかな?と思うときがあります。

そんな中、ちっぽけな私ができることはなんだろ?と考えたとき、まずは身近な大切な方々に、このことを、わかりやすく伝えることかな?と思ったので書いてみました。

そこから、どんどんと伝わっていけば、何か変わるかもしれないし、大きなうねりになるかもしれない。もし、この問題を乗り越えられたら、今よりよい世界になるかもしれないと諦めたくない気持ちです。

もし、先生をされてる方がいたら、生徒に伝える。ご家族がいたら、家族に伝える。友人に伝える。もちろんnoteに書いてみるもすてき!

そんなことが繋がっていけばいいなと願っています。


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最近、虹よく出ますよね。実は今年は180度の虹を既に何度もみてます。これも、気候変動の変化の一つかと思ったり。

続きもあります!





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