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【パラダイスグレインスパイス】

【パラダイスグレイン】

今はあまり使われていないスパイスですが、カルダモンに最も近いものです。ペパーに似た辛みがあり、ペパーが高価だったころには代わりに使われていました。シエラレオネからコンゴにかけての西アフリカ、ギニア湾岸地方で採れるので、ギニアペパー、ギニアグレイン、またはメレグエタペパーなどとも呼ばれていました。(メレグエタは、ギニアの生姜)14世紀から15世紀にかけてはスパイスがとてももてはやされたので、この地域もグレイン(穀物)海岸とかメレグエタ海岸などと呼ばれ栄えてました。最初のうちは、パラダイスグレインはここからサハラ砂漠を横断してトリポリ経由でヨーロッパに運ばれ、後にはポルトガル人によって海路で直接運ばれるようになりました。

 今日ではパラダイスグレインは西アフリカの民族料理に使われているだけで、現地以外ではなかなか手に入りません。ペパーに少量の生姜をミックスして代用することもできます。

 昔はビールや果実酒の香り付けなどに盛んに使われていました。特に17世紀ごろには香味果実酒に好んで入れられていたといいますが、現在は西洋などではほとんど使われていません。けれど産地である西アフリカの国々では今も重宝されていて、マグレブの北部でも、ミックススパイスのラセラヌーの材料のひとつとして欠かせない存在です。やはり昔ながらの香味果実酒の香り付けにもよく、軽く炒めたラム料理やジャガイモ、ナスなどともよく合います。

 薬用では、西アフリカでは、便秘の刺激剤や利尿剤に使われています。種は動物用の薬にも利用されています。


#スパイス図鑑  20ページより

パラダイスグレイン
メレグエタ

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