西洋発祥のスポーツを日本人が改革するということ
2018年に東洋経済オンラインでフェンシング協会会長の太田雄貴さんを取材して以来、フェンシング協会のホームぺージに関わらせてもらったり、フェンシングの国内大会を取材したりしながら、太田さんの施策を自分なりに紐解いてきた。
これまで執筆した記事では、特に僕の本職である興行ビジネスの視点を中心に、全日本フェンシング選手権における取り組みに焦点を当ててきたつもりだ。
フェンシングを立派な興行に仕立て、スポーツからアートに昇華させた手法は見事というほかなく、スポーツ関係者だけでなく世間から数多くの賞賛が巻き起こった。
そんな太田さんの取り組みを書いた記事を見てくれていたのが、「プレミアムジャパン」の編集部だった。2019年も終わりに近づいてきた11月、僕のホームページから1通の問い合わせメールが入った。そのメールが届いた時、僕は多くの仕事を抱えていたが、太田さんの取材打診とわかった瞬間、即座にその取材・執筆の仕事を受けることを決めた。
なぜかというと、僕は太田さんにどうしても聞きたいことがあったからだ。僕が聞きたかったことは、2019年10月に発表された、2022年に世界選手権大会を招致するという決定についてだった。
太田雄貴のすごい感覚
僕は太田雄貴さんの凄いところの一つは、「ちょっとだけ先を行く絶妙な感覚」にあると思っている。
現在の東京オリンピックへのネガティブな報道からすると、その2年後に日本のスポーツ界がどうなっているかは、かなり不透明な状況だ。「祭り」の後の静けさを漂わせていたとしてもおかしくない時期に、敢えて国際大会を日本で開催するために、2022年まで突っ走ってしまおうというその姿勢に、「やっぱり太田雄貴は絶妙だな」と感じざるをえなかった。
記事の中でも少し触れているが、東京オリンピックで、協会がコミットしているのは強化のみ。だが、2022年の世界選手権では、強化はもちろんのこと、マーケティング力やファイナンス力、メディアとのリレーションシップ、放映権等の販売力、そして大会運営力・・・。これらを全て自らがコミットして勝負しなければ、成功はありえない。協会の総合力が試されることになる非常に難易度の高い取り組みなのだ。
未来へ向けたフェンシング協会のその他の取り組み
本日公開された記事には、世界選手権招致のこと以外にも、僕が聞きたかったもう一つの問いも記載させてもらっている。オリンピック招致にプレゼンターとして大きく関わった太田雄貴さんが、いま何を思いながら東京オリンピックを見ているのか。
この問いに対する太田さんの解は、記事の方をご覧になってほしい。
前編では、これまで太田さんが全日本選手権で取り組んできたことのまとめを、後編では、今回の取材で僕が聞きたかったことを中心にまとめている。
実は、ここに書いた内容の他にも、フェンシング協会が進めている学校訪問の盛り上げ方の手法や、日本代表ユニフォームのスポンサー枠の1つを選手に与えた話など、非常に興味深い話がたくさんあった。文字数の都合でプレミアムジャパンの記事には入れられなかったが、これらの興味深い取り組みのことは、またの機会に書いてみたいと思う(手抜きみたいですみません)。
プレミアムジャパンで太田雄貴を取り上げる意味
「プレミアムジャパン」という媒体は、享受可能な「日本の感性」と「日本の美意識」が息づく、特別な経験、価値ある時間、心豊かなライフスタイルをフォトジェニック&ストーリージェニックに発信するオンラインメディア。
その「プレミアムジャパン」にふさわしい日本発の改革を推進する太田雄貴。西洋発祥のフェンシングというスポーツが、ここ日本から大きく変わろうとしていることを、僕ら日本人はもっと誇りに思って良いのではないだろうか。
瀬川泰祐の記事を気にかけていただき、どうもありがとうございます。いただいたサポートは、今後の取材や執筆に活用させていただき、さらによい記事を生み出していけたらと思います。