明天会更美好

中国メディアのニュース翻訳や文書翻訳をやっています。主に中→日/I am Chines…

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中国メディアのニュース翻訳や文書翻訳をやっています。主に中→日/I am Chinese-Japanese translator. ツイッターもやっています。よろしくどうぞ。https://twitter.com/zhongwenfanyi 微博帐户名@明天会更美好2003

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記事一覧

固定された記事

閑話休題~あの日の事。

私が彼女と最初に会ったのは、中国に留学していたころでした。 当時私は広東語を勉強するために広州の某大学に留学してきたばかりで、「相互学習」する相手を探していまし…

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語学学習に年齢は関係ない・・のか?

私事ではありますが、うちの妻は最近、自宅近くの文化センターで中国語を教えるボランティアみたいなことをやっています。いわゆる月謝を取って講師を務める「ガチ」の中国…

明天会更美好
1時間前
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閑話休題(14)──中国の人たちは変わったのか

前回は私自身の中国に対する思いを自分目線で語りました。ならば、実際私が見てきた40年近くにおいて、中国と中国の人たちの心境は変化したのでしょうか。 これは実際本…

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閑話休題(13)──私にとっての中国

中国の情報に詳しい皆さんならもうご存じだとは思いますが、先日蘇州で現地の暴徒に日本人母子が切り付けられ、2人を守ろうとした中国人女性が重傷を負い、結果なくなると…

明天会更美好
2週間前
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今週はいろいろなことがあり過ぎたせいか、執筆意欲がわかず。また自分の周りでばたばたしていた関係で時間もあまり取れていません。
なので申し訳ないのですが、今週のnoteはお休みさせていただきます。

原稿自体は半分は書けているので、来週には出せることになりそうです。よろしくです。

明天会更美好
2週間前
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中日・日中翻訳者、通訳者に未来はあるのか(2024年編)

最近、米国株に注目しています。現在米国ではエヌビディアを始めとした半導体関連、AI関連の銘柄がバブル状態になっているのは、株を少し知っている皆さんならもうお分か…

明天会更美好
4週間前
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「語感」の大切さとボキャブラリーの幅

今回は中国語学習者の中でも、中級者、上級者向けのお話をしましょう。 中国語(日本語)を勉強している皆さんは「語感」という言葉をご存じですか?多分多くの人は「知っ…

明天会更美好
1か月前
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ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのか(実践編)

先日、私は中国語ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのかというお題でnoteで記事を一本書きました。 前回では、ネイティブの文章に近づけるための手っ取り早い…

明天会更美好
1か月前
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漢字は正確に書くべき?

最近Xの中国語学習界隈の人たちを見ていると、度々「中国語の漢字と日本語の漢字の微妙な違い」を指摘するポストを目にします。 例えば、日本語の「きょしゅ」のきょはど…

明天会更美好
1か月前
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閑話休題(12)――日本の英語教育について思うこと

普段は中国語の翻訳や中国語学習について話しているのですが、今回は閑話休題として皆さんの身近な問題でもある英語教育の話題をしたいと思います。 今既に大学を卒業して…

明天会更美好
1か月前
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閑話休題(11)──私が中日翻訳者として思うこと

最近中日翻訳者として、いろんなことに対して危機感を抱いています。 その1つが、日本人の「中国語学習者」不足です。 Xあたりでも度々ポストはしていますが、最近は「…

明天会更美好
2か月前
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日本語っぽい中国語と中国語っぽい日本語

翻訳者として、中国語を日本語に、または日本語を中国語に翻訳しているといつも付きまとう問題があります。それは「日本語独特の言い回し(語句)」をどうやって中国語に落…

明天会更美好
2か月前
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語学学習にゴールは存在するのか

先日何気なしにnoteめぐりをしていたら、興味深い記事を見つけました。 筆者は中国語学習に「ゴールがある人もいるし、ない人もいる」という主張をしています。 実は私も…

明天会更美好
2か月前
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ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのか

中国語学習を進めていくと、やはりいくつかの壁にぶち当たることがあります。その1つが「ネイティブの発音」「ネイティブが書く文章」「ネイティブらしい文構造」にどう近…

明天会更美好
2か月前
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「~出」表現に見る「違いを出せる翻訳」

中日のニュース翻訳を専門でやっていて初めて気づいたこと。 それは日本語文であれ、中国語文であれ、その言語の後ろにあるバックグラウンドやニュアンス、意味合いなどを…

明天会更美好
3か月前
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外国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか

自分自身常日頃感じていることがあります。それは「中国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか」という問題。 私が主戦場としているSNSは「X」(旧ツイッター)な…

明天会更美好
3か月前
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固定された記事

閑話休題~あの日の事。

私が彼女と最初に会ったのは、中国に留学していたころでした。 当時私は広東語を勉強するために広州の某大学に留学してきたばかりで、「相互学習」する相手を探していました。 「相互学習」とは、宿舎内の留学生が同じ大学の中国人の学生とペアを組み、留学生が日本語を、中国人学生が中国語を教えるというプライベートの相互家庭教師みたいなものです。 私はその大学に広東語コースで入ったわけで、普通話ではなく広東語を教えてくれるネイティブの学生さんを探していましたが、なかなか見つかりません。そ

語学学習に年齢は関係ない・・のか?

私事ではありますが、うちの妻は最近、自宅近くの文化センターで中国語を教えるボランティアみたいなことをやっています。いわゆる月謝を取って講師を務める「ガチ」の中国語教室ではなく、NHKの中国語講座のテキストを使ってゆるーく教えるタイプのものです。 私も傍聴目的で参加したことがあるのですが、驚いたのはその平均年齢。80歳越えの人たちはざらで、90歳越えの人も来ると言います。かなりのおじいちゃん、おばあちゃんなのですが、それをみじんも感じさせないお若くて、バイタリティのある姿を目

閑話休題(14)──中国の人たちは変わったのか

前回は私自身の中国に対する思いを自分目線で語りました。ならば、実際私が見てきた40年近くにおいて、中国と中国の人たちの心境は変化したのでしょうか。 これは実際本人たちに聞かなければ分からないのですが、私自身が客観的に見てきた印象から、独断と偏見ではありますが中国の人たちの「意識の変遷」を少し語ってみたいと思います。 私自身は大きく分けて、80年代~90年代までの「猫も杓子も」期、00年代から10年ぐらいまでの「自信みなぎる」期、10年から18年ぐらいまでの「自意識過剰」期

閑話休題(13)──私にとっての中国

中国の情報に詳しい皆さんならもうご存じだとは思いますが、先日蘇州で現地の暴徒に日本人母子が切り付けられ、2人を守ろうとした中国人女性が重傷を負い、結果なくなるという痛ましい事件が発生しました。 その後の顛末は他の詳しい人に譲るとして、このような日本に関する事件が発生するたびに自問自答することがあります。「自分はなぜ中国に携わっているんだろう」という問いです。 中国語の勉強を始めてから40年近く、日中のニュース翻訳を初めてから20年超になりますが、この間、日中間で私の心を揺

今週はいろいろなことがあり過ぎたせいか、執筆意欲がわかず。また自分の周りでばたばたしていた関係で時間もあまり取れていません。 なので申し訳ないのですが、今週のnoteはお休みさせていただきます。 原稿自体は半分は書けているので、来週には出せることになりそうです。よろしくです。

中日・日中翻訳者、通訳者に未来はあるのか(2024年編)

最近、米国株に注目しています。現在米国ではエヌビディアを始めとした半導体関連、AI関連の銘柄がバブル状態になっているのは、株を少し知っている皆さんならもうお分かりになっているのではないでしょうか。 かの有名なアップルもこのほど、iPhoneの「Siri」にオープンAI社のChatGPTを導入することを決定したというニュースが報道され、大きな話題になりました。 多くの人が持っているiPhoneでさえ、日常的かつ気軽にAIが使える時代が近く来る。このようなニュースを見て、現在

「語感」の大切さとボキャブラリーの幅

今回は中国語学習者の中でも、中級者、上級者向けのお話をしましょう。 中国語(日本語)を勉強している皆さんは「語感」という言葉をご存じですか?多分多くの人は「知っているよ!!」と答えるのではないでしょうか。。 「語感」とは日本語で言うならば、「言葉から受ける主観的な印象」という意味になります。 外国語学習者の視点から言うならば、会話をする時や文章を書く時に、この「語感」を的確に理解した上で、数ある類義語から的確な言葉をチョイスすることが、外国語上達における必須要件になって

ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのか(実践編)

先日、私は中国語ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのかというお題でnoteで記事を一本書きました。 前回では、ネイティブの文章に近づけるための手っ取り早い方法として「真似る」という手段をご紹介しました。 しかし、ただやみくもに真似るのでは「他人の文章のコピー」になりかねません。 そこで今回は「実践編」として、「中国語ネイティブらしい文章」を書くには具体的にどのようなことに注意したらいいのか、細部にわたっていくつか挙げてみたいと思います。 ちなみに最初に念を押

漢字は正確に書くべき?

最近Xの中国語学習界隈の人たちを見ていると、度々「中国語の漢字と日本語の漢字の微妙な違い」を指摘するポストを目にします。 例えば、日本語の「きょしゅ」のきょはどう書くかというと。 挙となります。一方で中国語はというと、簡体字(ju3)はこれ。 举どうでしょうか。ビミョーに違いますよね。具体的に言うと下の作りが日本語のばあいは「手」になっていますが、一方で簡体字の場合は単に二本の横棒に縦一本と少々そっけない感じ。 このように中国語と日本語で同じ漢字でも、細部で書き方が違

閑話休題(12)――日本の英語教育について思うこと

普段は中国語の翻訳や中国語学習について話しているのですが、今回は閑話休題として皆さんの身近な問題でもある英語教育の話題をしたいと思います。 今既に大学を卒業して社会人になっているうちの娘ですが、小6だった当時、進学を希望する私立中学校のオープンキャンパスに行ってきました。オープンキャンパスでは、国語算数理科社会のほかに英語の体験授業も受けられるようになっています。そこで娘に「英語の授業を受けてみなよ」と言ってみたところ、「えー、英語だいっきらいだからいやだ」との言葉。 外

閑話休題(11)──私が中日翻訳者として思うこと

最近中日翻訳者として、いろんなことに対して危機感を抱いています。 その1つが、日本人の「中国語学習者」不足です。 Xあたりでも度々ポストはしていますが、最近は「チャイ語」レベルの学習者ははいて捨てるほどいても、「ガチで中国語を習得した人」「驚嘆するほど高い中国語のレベルの持ち主」が本当に見当たらなくなったと感じています。 確かにX界隈では、私も「すごいな」と思ってしまう中国語学習者はちらほらいます。しかし現実世界では、私が所属している会社に応募してくる人の中国語のレベル

日本語っぽい中国語と中国語っぽい日本語

翻訳者として、中国語を日本語に、または日本語を中国語に翻訳しているといつも付きまとう問題があります。それは「日本語独特の言い回し(語句)」をどうやって中国語に落とし込むか、「中国語独特の言い回し(語句)」をどうやって日本語に落とし込むかといった問題です。 実のところ、中国語のニュース文を訳していると、文法的にはちゃんとなっているのに、「あれ?日本語っぽい中国語文だな」と違和感を感じる文章に遭遇することが結構あります。その時に文章をよく見ると、実は元々の日本人の発言を中国語訳

語学学習にゴールは存在するのか

先日何気なしにnoteめぐりをしていたら、興味深い記事を見つけました。 筆者は中国語学習に「ゴールがある人もいるし、ない人もいる」という主張をしています。 実は私も、この「語学学習にゴールがあるのかないのか」というテーマについて以前noteで自分の考えをまとめています。 この記事で私が主張したように、「語学」の最大の難しい点は「現時点の語学のレベルをこれからもずっと維持すること」でしょう。「そんなこと分かっているよ」という人もいるかもしれません。 確かに、ある言語やそ

ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのか

中国語学習を進めていくと、やはりいくつかの壁にぶち当たることがあります。その1つが「ネイティブの発音」「ネイティブが書く文章」「ネイティブらしい文構造」にどう近づけるかといった問題です。 私たちは中国語を習得する際に、中国語のテキストを使います。そのテキストの例文は中国語に造詣が深い専門家や、中国語ネイティブが考えているわけですから、必然的に中国語ネイティブが日常会話で使っている語句、普段書いている文章に近いものであるはずです。 しかし中国語のテキストの例文は、現地の人た

「~出」表現に見る「違いを出せる翻訳」

中日のニュース翻訳を専門でやっていて初めて気づいたこと。 それは日本語文であれ、中国語文であれ、その言語の後ろにあるバックグラウンドやニュアンス、意味合いなどを深く知らないと生み出せない文章・フレーズがあると言うことです。 要するに平たく言えば、「ネイティブじゃないと思いつかないよね、これ?」と言いたくなるような表現でしょうか。 最近ジブリ映画「君たちはどう生きるか」の台湾版と大陸版の中国語タイトルを並べて目にした時に、私はその思いをより強くしました。そう思わせたのは、

外国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか

自分自身常日頃感じていることがあります。それは「中国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか」という問題。 私が主戦場としているSNSは「X」(旧ツイッター)なのですが、「X」上にはさまざまなレベルの中国語学習者がいます。初級レベルの人もいれば、中国語検定1級に合格してしまうレベルの人も、はたまた中国語や他の言語も操れるバイリンガル、トライリンガルレベルの人もいる。自分の中国語レベルを活用して仕事を見つけた人もいる。そういう人たちをSNSで目にするたびに「すごいなぁ」と思う