明天会更美好

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明天会更美好

中国メディアのニュース翻訳や文書翻訳をやっています。主に中→日/I am Chinese-Japanese translator. ツイッターもやっています。よろしくどうぞ。https://twitter.com/zhongwenfanyi 微博帐户名@明天会更美好2003

マガジン

  • 中国語翻訳者・通訳者向けマガジン

    主に中国語上級者向けのマガジンです。

  • 中国語学習者向けマガジン

    中国語を勉強している人向けに役立つnoteを集めてみました。

  • 閑話休題シリーズ

  • スペース学習会用資料など

    私主宰のスペース学習会で使用した資料などが置いてあります。

最近の記事

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閑話休題~あの日の事。

私が彼女と最初に会ったのは、中国に留学していたころでした。 当時私は広東語を勉強するために広州の某大学に留学してきたばかりで、「相互学習」する相手を探していました。 「相互学習」とは、宿舎内の留学生が同じ大学の中国人の学生とペアを組み、留学生が日本語を、中国人学生が中国語を教えるというプライベートの相互家庭教師みたいなものです。 私はその大学に広東語コースで入ったわけで、普通話ではなく広東語を教えてくれるネイティブの学生さんを探していましたが、なかなか見つかりません。そ

    • 「~出」表現に見る「違いを出せる翻訳」

      中日のニュース翻訳を専門でやっていて初めて気づいたこと。 それは日本語文であれ、中国語文であれ、その言語の後ろにあるバックグラウンドやニュアンス、意味合いなどを深く知らないと生み出せない文章・フレーズがあると言うことです。 要するに平たく言えば、「ネイティブじゃないと思いつかないよね、これ?」と言いたくなるような表現でしょうか。 最近ジブリ映画「君たちはどう生きるか」の台湾版と大陸版の中国語タイトルを並べて目にした時に、私はその思いをより強くしました。そう思わせたのは、

      • 外国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか

        自分自身常日頃感じていることがあります。それは「中国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか」という問題。 私が主戦場としているSNSは「X」(旧ツイッター)なのですが、「X」上にはさまざまなレベルの中国語学習者がいます。初級レベルの人もいれば、中国語検定1級に合格してしまうレベルの人も、はたまた中国語や他の言語も操れるバイリンガル、トライリンガルレベルの人もいる。自分の中国語レベルを活用して仕事を見つけた人もいる。そういう人たちをSNSで目にするたびに「すごいなぁ」と思う

        • 漢字にまどわされるな

          中国語と日本語の共通点は何かと聞かれたら。皆さんはどう答えますか?私なら(多分多くの人がそう思っているでしょうが)、「どちらも漢字を使うこと」と答えるでしょうか。 でもこのこと自体が日本人の中国語学習者、中国人の日本語学習者にとって、互いの言語を習得する上で大きなネックにもなっていると私は思っています。なぜか。それは同じ漢字が使われていることによって「中国語と日本語は全く別の外国語である」という意識が薄れてしまうからです。 「中国語と日本語は全く別の外国語である」。 こ

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        閑話休題~あの日の事。

        マガジン

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          93本
        • 中国語学習者向けマガジン
          64本
        • 閑話休題シリーズ
          15本
        • スペース学習会用資料など
          15本

        記事

          翻訳・通訳で原文にない言葉を付け加えるのは善か悪か

          先日Xをつらつらと見ていたら、次のようなポストが目に入りました。 ポスト主の尾形さんは、先日開催された大谷翔平選手の釈明会見で通訳を務めたウイル・アイアトン氏が、大谷選手が発した「僕自身は何かに賭けたりしたことがない」という言葉を、「野球だったり、何かに賭けたことはない」と英訳し、「野球だったり」という大谷選手本人が発していない言葉を付け加えていたことを問題視しています。 これに対して、後になって「いや問題ない」というコミュニティノートがつきました。このあとのポストで尾形

          翻訳・通訳で原文にない言葉を付け加えるのは善か悪か

          水原氏の騒動で私が思うこと

          米国メジャーリーグの球団ドジャースの大谷選手の専属通訳である(だった)水原一平氏が、球団から解雇されたというニュースが駆け巡りました。このニュースに多くの人は驚いたのではないでしょうか。 私自身も驚きました。今でも水原氏や大谷選手を取り巻くニュースが後を絶たない状況ですが、私は同時に現職の翻訳者として、そして昔通訳を目指していた一個人として、このニュースに違う意味で胸がざわついたのも事実です。 私は今でこそ中日の翻訳者として携わっていますが、今の仕事に就く前は日中・中日の

          水原氏の騒動で私が思うこと

          バイリンガルを目指す上で大切なもの

          バイリンガル。外国語を学んだことがある人ならば誰しも、このバイリンガルになることにあこがれたことがあると思います。実際私も日中バイリンガルにあこがれてそれを目指した時期がありました。 その上で、今回は日本語と外国語のバイリンガルを目指す人に向けて、バイリンガルになる上で重要になる「母国語の能力」というテーマで少し語りたいと思います まず最初に断わっておくのですが、、私は言語学を研究しているわけではなく、あくまで素人考えであることをご理解ください。 語学界隈でよく言われる

          バイリンガルを目指す上で大切なもの

          今年の全人代の総括

          本当は中国政治に関する記事を投稿するのは先週限りにしようと思ったのですが。今日11日は全人代会議の閉幕日。ということでやはり触れざるを得ないでしょう。 今回は今年の全人代会議で話題になった点を総括したいと思います。 総理記者会見の取りやめやはり今回の両会の中で、これが一番ハイライトになったといえるでしょう。この情報は、4日に開催された、全人代会議開幕直前に開催が恒例となっている全人代会議記者会見の席上で、婁勤倹報道官が発表したものです。発表後は中国ウォッチャー界隈では衝撃

          今年の全人代の総括

          全人代の見どころ

          今回は少し毛色を変えて、中国政治のことを触れたいと思います。いつもなら、中国政治のことについて解説するのは当noteの趣旨とは少し異なるので控えているのですが、やはり今週は触れざるを得ないでしょう。なぜなら今週は中国にとって一年一度の重要な政治イベントがあるからです。そう。全人代と全国政協会議の開催です。そこで、今回は全人代と全国政協会議の(私が知りうる範囲の)基礎知識と、今年の全人代会議、全国政協会議の見どころを少しお話したいと思います。 まず触れておきたいのは、全人代と

          全人代の見どころ

          日本語と中国語で違う意味

          今回は中国語ネィティブの人、日本語ネイティブの人両方に見て欲しい話題をしようと思います。そう、日本語と中国語の漢字のニュアンスについて です。 Xを見ていると思うのですが、中国語ネイティブの人たちの日本語はとても素晴らしいと常々思っています。文章も日本語ネイティブとそん色ないものを書いている人がごろごろいる。 しかし同時に、中国語ネイティブの人たちが書く日本語の文章で、「日本語の漢字の使い方を間違っているのでは?」という場面に遭遇するところが多々あり、「惜しいな」と思うこ

          日本語と中国語で違う意味

          中国語にさりげなくある英訳語

          中国語に限らず翻訳をしていると必ず遭遇する問題。それは辞書に出てこない語句、あるいは辞書にある訳語ではどうしても日本語としてしっくりこない語句をどう処理するかということです。 この点の処理については、以前のnoteでも取り上げたことのある話題ではあります。しかしやはり、「中国語→日本語」の翻訳者には今一つ浸透していない印象を受けています。 そこで今回は「重要事項の注意喚起」として、もう一度語ってみたいと思います。 ◇◇ このような「ちょっと引っかかる語句」の処理につい

          中国語にさりげなくある英訳語

          2つの意味がある語句の採用

          今回は久しぶりに中日・日中ニュース翻訳についてお話ししたいと思います。訳語の選定についてです。 通訳・翻訳を目指しているみなさんは、中国語→日本語、日本語→中国語の翻訳をするにあたって、「訳語の選定」について考えたことはありますか? 実のところ、原文の日本語、中国語の語句に対応する中国語訳、日本語訳が「1つだけ」というケースはそんなに多くはありません。辞書を引けば多くは、一つの語句に何種類もの訳が存在するということが分かるでしょう。 翻訳者(通訳者もそうなのですが)はそ

          2つの意味がある語句の採用

          中国語という汎用性

          今回はこれから中国語を勉強しようかと考えている人や中国語初級の人たちに向けて、「中国語の汎用性」と言う観点から少し話したいと思います。 Xや当Noteでも情報をいろいろ出していましたが、1月中旬から下旬にかけて、妻と東南アジアのタイやマレーシアに旅行に行ってきました。 中国以外の国と言うことで、「現地語は使えなくても、せめて英語くらいは使わなきゃ」と考え、携帯にグーグルの自動翻訳アプリをセットし、少々身構えて行ったのですが、結構拍子抜けしたところがありました。 その拍子

          中国語という汎用性

          記事要約のすすめ➁

          2年前、私は「記事要約のすすめ」というnoteの記事で、中日日中の翻訳能力を高める上での記事要約の重要性を説明しました。 この考えは今も変わっていません。その証拠に、今でも私はX(旧ツイッター)の自分のアカウントで、その時その時に華字メディアで報じられたニュースを日本語の短文で投稿することを続けています。 これは、今中国・台湾・香港・マカオで報道されているニュースを日本のみなさんに紹介したいという思いのほかに、自分自身の翻訳能力を高めたいという気持ちを持っているからです。

          記事要約のすすめ➁

          みなさんお気づきかもしれませんが、いま海外にいる状況でして。今週のノートはお休みさせていただきます。 今週は最大の寒波が来るらしいですね。皆さんご自愛ください。

          みなさんお気づきかもしれませんが、いま海外にいる状況でして。今週のノートはお休みさせていただきます。 今週は最大の寒波が来るらしいですね。皆さんご自愛ください。

          閑話休題(10)ーー情報リテラシーの大切さ

          皆さん、情報リテラシーと言う言葉をご存知ですか。ウィキペディアから「暫定的に」意味を拝借すると、「情報を自己の目的に適合するように使用できる能力のこと」だそうです。 私自身は、「得られた情報を」「自分なりに咀嚼し」「アウトプットする」能力だと理解しています。 つまり①「情報を得て整理し」→②「自分なりに咀嚼・理解」→③「これをSNSや他人との会話で話す」という3つの段階で要求される能力と言えますね。情報リテラシーを上げるにはこれら①②③の3つの段階でそれぞれ、意識してトレ

          閑話休題(10)ーー情報リテラシーの大切さ