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中国語学習者向けマガジン

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中国語を勉強している人向けに役立つnoteを集めてみました。
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記事一覧

ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのか

中国語学習を進めていくと、やはりいくつかの壁にぶち当たることがあります。その1つが「ネイティブの発音」「ネイティブが書く文章」「ネイティブらしい文構造」にどう近づけるかといった問題です。 私たちは中国語を習得する際に、中国語のテキストを使います。そのテキストの例文は中国語に造詣が深い専門家や、中国語ネイティブが考えているわけですから、必然的に中国語ネイティブが日常会話で使っている語句、普段書いている文章に近いものであるはずです。 しかし中国語のテキストの例文は、現地の人た

外国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか

自分自身常日頃感じていることがあります。それは「中国語学習者はSNSとどう付き合えばいいのか」という問題。 私が主戦場としているSNSは「X」(旧ツイッター)なのですが、「X」上にはさまざまなレベルの中国語学習者がいます。初級レベルの人もいれば、中国語検定1級に合格してしまうレベルの人も、はたまた中国語や他の言語も操れるバイリンガル、トライリンガルレベルの人もいる。自分の中国語レベルを活用して仕事を見つけた人もいる。そういう人たちをSNSで目にするたびに「すごいなぁ」と思う

漢字にまどわされるな

中国語と日本語の共通点は何かと聞かれたら。皆さんはどう答えますか?私なら(多分多くの人がそう思っているでしょうが)、「どちらも漢字を使うこと」と答えるでしょうか。 でもこのこと自体が日本人の中国語学習者、中国人の日本語学習者にとって、互いの言語を習得する上で大きなネックにもなっていると私は思っています。なぜか。それは同じ漢字が使われていることによって「中国語と日本語は全く別の外国語である」という意識が薄れてしまうからです。 「中国語と日本語は全く別の外国語である」。 こ

バイリンガルを目指す上で大切なもの

バイリンガル。外国語を学んだことがある人ならば誰しも、このバイリンガルになることにあこがれたことがあると思います。実際私も日中バイリンガルにあこがれてそれを目指した時期がありました。 その上で、今回は日本語と外国語のバイリンガルを目指す人に向けて、バイリンガルになる上で重要になる「母国語の能力」というテーマで少し語りたいと思います まず最初に断わっておくのですが、、私は言語学を研究しているわけではなく、あくまで素人考えであることをご理解ください。 語学界隈でよく言われる

今年の全人代の総括

本当は中国政治に関する記事を投稿するのは先週限りにしようと思ったのですが。今日11日は全人代会議の閉幕日。ということでやはり触れざるを得ないでしょう。 今回は今年の全人代会議で話題になった点を総括したいと思います。 総理記者会見の取りやめやはり今回の両会の中で、これが一番ハイライトになったといえるでしょう。この情報は、4日に開催された、全人代会議開幕直前に開催が恒例となっている全人代会議記者会見の席上で、婁勤倹報道官が発表したものです。発表後は中国ウォッチャー界隈では衝撃

全人代の見どころ

今回は少し毛色を変えて、中国政治のことを触れたいと思います。いつもなら、中国政治のことについて解説するのは当noteの趣旨とは少し異なるので控えているのですが、やはり今週は触れざるを得ないでしょう。なぜなら今週は中国にとって一年一度の重要な政治イベントがあるからです。そう。全人代と全国政協会議の開催です。そこで、今回は全人代と全国政協会議の(私が知りうる範囲の)基礎知識と、今年の全人代会議、全国政協会議の見どころを少しお話したいと思います。 まず触れておきたいのは、全人代と

日本語と中国語で違う意味

今回は中国語ネィティブの人、日本語ネイティブの人両方に見て欲しい話題をしようと思います。そう、日本語と中国語の漢字のニュアンスについて です。 Xを見ていると思うのですが、中国語ネイティブの人たちの日本語はとても素晴らしいと常々思っています。文章も日本語ネイティブとそん色ないものを書いている人がごろごろいる。 しかし同時に、中国語ネイティブの人たちが書く日本語の文章で、「日本語の漢字の使い方を間違っているのでは?」という場面に遭遇するところが多々あり、「惜しいな」と思うこ

中国語という汎用性

今回はこれから中国語を勉強しようかと考えている人や中国語初級の人たちに向けて、「中国語の汎用性」と言う観点から少し話したいと思います。 Xや当Noteでも情報をいろいろ出していましたが、1月中旬から下旬にかけて、妻と東南アジアのタイやマレーシアに旅行に行ってきました。 中国以外の国と言うことで、「現地語は使えなくても、せめて英語くらいは使わなきゃ」と考え、携帯にグーグルの自動翻訳アプリをセットし、少々身構えて行ったのですが、結構拍子抜けしたところがありました。 その拍子

記事要約のすすめ➁

2年前、私は「記事要約のすすめ」というnoteの記事で、中日日中の翻訳能力を高める上での記事要約の重要性を説明しました。 この考えは今も変わっていません。その証拠に、今でも私はX(旧ツイッター)の自分のアカウントで、その時その時に華字メディアで報じられたニュースを日本語の短文で投稿することを続けています。 これは、今中国・台湾・香港・マカオで報道されているニュースを日本のみなさんに紹介したいという思いのほかに、自分自身の翻訳能力を高めたいという気持ちを持っているからです。

中国語の勉強に歌は有効か

皆さんは中国語の歌をどれだけ知っていますか?皆さんの中には「中華ソングをたくさん知っているよ」と自慢できる人も何人かいるのではないでしょうか。 かくいう私自身も、中国滞在中は多くの流行歌を聞き、結構はまっていましたし、カセット(当時っぽいです)やCDなどを買いあさっていました。おかげで90年代~00年代の中華ソングはほぼ聞いてわかりますし、いくつかはカラオケで歌えるまでにマスターしています。 そんな私ですが最近、「中国語の歌、とりわけ中華圏の流行歌は中国語の勉強には役立つ

今年もありがとうございました

2023年も残すところあとわずか。2023年は皆さんにとってどのような1年でしたか? 本noteにとって、そして私にとって、今年はいろいろな転機があった1年だったと感じています。 本noteではかねてから、翻訳を目指す人、中国語を勉強したい人に向けて1週間に一回配信でやってきましたが、今年8月、9月は遂に、前々からやりたいやりたいと言っていた、X(旧ツイッター)のスペースを使った「中国語ニュース翻訳勉強会」「中国語初級者・中級者向け勉強会」を主宰させてもらいました。 私

中国語文はSVOとは限らない

先日、次のような文章をポストしました。 中国語の文構造で最も基本的なのは「S(主語)V(述語)O(補語)」であるのは間違いないでしょう。私もそこには賛成です。 しかし実は「すべてSVOだ」と思い込んでしまうとそこには落とし穴が存在します。特に台湾にはこの手の文が多いですね。 そもそも中国語の単文は、主語が存在する「主述文」と、主語がそもそもない(または冒頭に来ない)「非主述文」に分けられます。 主述文はわれわれが中国語を勉強した時に勉強した、あの典型的な「SVO」構文

日本語の強調表現

中日翻訳、日中翻訳共に、中国語の知識とともに日本語の知識を持っておくことは非常に大切です。だからこそ私は、ここ数回の「note」について、日本語独特の表現についてもスポットを当てるようにしています。 そこで今回は、知っておきたい日本語の強調表現について見ていきたいと思います。 みなさんは日本語の文を書くとき、強調表現としてどのような用法を思い浮かべますか。ちなみに、ここで私が言う「強調表現」とは、「文中で、ある文字、語句を読者に強く主張したい時に使用される表現」を指します

中国語を習得したかったらならやっぱり留学なの?

X(旧ツイッター)の中国語学習界隈のポストをつらつらと見ているとたまに目にする言葉があります。それは「やっぱり中国留学や中国での滞在の経験がないと中国語の習得は難しい」といった意見。 これについて私自身は、中国での留学、中国での業務を通じて中国語のレベルを飛躍的に上げたという成功体験があることもあり、全否定をするつもりはありません。 そもそも中国語に限らず、外国語の上達・習得に必要なのは「リーディングとライティング」「ヒヤリングとスピーキング」に分けて、それぞれ「インプッ