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椎名幸夢
2022年5月30日 12:11
また、漠理ねむは夢を見ていた。気がつくと夕暮れに照らされた、積み木で出来た町の上を浮遊していた。自分の背中には天使のような白く小さな翼が生えていて、ぱたぱたと忙しく羽ばたき続けている。「今回もおもちゃの街かぁ」 今回も意識はハッキリとしている。この類いの夢は明晰夢と呼ぶらしい。明晰夢とは自分が夢を見ていると自覚出来る現象をそう呼ぶらしい。両親はまるで夢を見ろと言わんばかりにねむという名前を