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レズさんの集まりに参加してみた話

最近、LGBTQのQの部分の存在を知った。私はきっと、Qにあたる人間だ。


2019年6月、私は勤めていた会社を辞めるのに伴って京都を離れることになり、身辺整理を行なっていた。うつ病が原因だったが、会社を辞められるという事実だけでだいぶ元気になっていて、何かをしたいと言う衝動が割とあった。
まだ行っていない神社仏閣に参拝したいだとか、1回だけでいいからクラブに行ってみたいだとかそういった欲求が、次々と溢れていた。私は6月から7月にかけて、それらひとつひとつをゆっくり消化していった。
その中のひとつが、タイトルにもある、レズビアンの集まりに参加することだった。

昔から、恋愛には縁がなかった。人として好きと言う気持ちはあっても、付き合いたいかと言われたらそれはNoだった。
男の子といるよりも女の子と一緒にいる方が楽しい。高校時代にいろいろあって、男性に苦手意識を抱いていたことも恋愛に発展しない原因のひとつだったかもしれない。
(1人の人間として相手を見るように心がけた結果、今は男性恐怖症は改善している。)

ある日唐突に思い至った。私の恋愛対象はもしかして男性ではないのかもしれない、と。
きっかけは何だったか分からない。特に女性を恋愛対象として好きになったこともない。
でも、自分はレズビアンなのではないか、と薄々感じるようになった。ジェンダーについて知識がなかったが故の暴走だった。今なら男性が恋愛対象でないことが必ずしもレズビアンであるということではない、ということが分かる。

思い立ったが吉日。私はネットの海を漂い、大阪のバーで開催されるオフ会の存在を知った。1日考えて、参加申し込みのメールを送った。
オフ会当日。綺麗めの服装に身を包み、大阪の夜の道を行く。緊張していた。

迷いながらもたどり着いたバー。
オフ会にはいろいろな人が参加していたけれど、話してみるとどの人も普通の人だった。当たり前だ。
年齢も見た目もみんなバラバラ。でも、みんな女性が恋愛対象であるという共通点を持っている。多少の場違い感を覚えながらも、自分と同じようにオフ会参加が初めての人などと話し、少しずつその場に慣れていった。
話題に上るのは、好きな女性のタイプや自分がレズビアンだと自覚したきっかけなど。その他にも、普通の世間話とか。
話を聞いていると、みんな色々考えて、考えた結果ここにいるんだなというのがよく伝わってきた。軽い気持ちでここに来てしまった自分を恥ずかしく思いながらも、自分のジェンダーを模索中なのだと正直に話す。本心は分からないが、そんな私を受け入れてくれる懐の広さがそこにはあった。
そこで私は、同い年の女の子と仲良くなった。クトゥルフ神話が好きな女の子だ。私もTRPGのリプレイ動画を観ていたから、共通の話題で盛り上がった。バーのマスターとも話しながら、終電ギリギリまでおしゃべりしていた。その子と2人、夜の街を征く。反対方面の電車に乗る。連絡先を交換したから、電車の中でも話の続きをしていた。純粋に、楽しかった。

京都の自宅に戻ってから、興奮して眠れなかった。行ってよかった。新たな世界を知ることができた。もしも京都に居続けることができたなら、きっと同性の恋人探しを続行していたと思う。あの当時、それほど愛に飢えていたのかもしれない。

その子とはその後1度、デートみたいなことをした。あれが恋愛だったかといえば、違うと思う。でも、ただのお友達ではなかった。
結局私が関西を離れることを伝えて、最後に1回遊んで、終わり。その後少し連絡をとっていたけれど、それも途絶えてしまった。

これで、私がレズさんの集まりに参加してみた話は終わり。その後女性とも男性とも恋愛することなく、今に至る。
カミングアウトは、していない。するべき内容が分からないからだ。でもきっと、一般的なものと自分のセクシュアリティは違う。それをQuestioningというのだと、最近知った。LGBTQの、Qに当たる部分の代表的な存在だ。

私は、Questioning。いま現在も、自分のセクシュアリティを模索中だ。

ちなみにanone,というサイトで自分のセクシュアリティに近いものを診断することができるのだが、その結果私は心と体の性別が一致しているシスジェンダーで、愛に恋愛感情がないアロマンティック、そして愛に体のつながりを必要としないアセクシュアル、表現したい性別は男性でも女性でもないノンバイナリーである可能性が高いとのことだった。
なるほど、こりゃあ恋愛するのが難しいわけだわ。めげそう。
でも診断にとらわれず、大きな枠を持って恋愛について考えていきたいと思う。

みなさんも良かったら診断してみてね。



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