高校2年、サボタージュを決めた日々
高校2年の頃、不登校気味というか、サボり魔だった。学校に登校はするけれど授業やHRには出たり出なかったり。もちろんそれなりに理由はあって、親も理解を示してくれたのは救いだった。一応進学校の生徒たちの中で、私の存在はかなり浮いていたと思う。自由な校風ではあったから、何とか友達はいた。
授業に出ない時に何をしていたかというと、過ごし方はいくつかあって。当時所属していた演劇部の練習室で時間を潰すか、練習室とはまた別の部室で時間を潰すか(うちの部室だけバグで内側から鍵をかけられる仕様になっていた。さらに兼部していたので気分によって滞在場所を変えていた)、時には数少ないサボり仲間とマックで時間を潰すか、学校から歩いて10分ほどの公園で黄昏れるなどしていた。サボり生活スタートの頃は保健室にも行っていたが、保健室の先生との相性がわるく、早々に選択肢から外れることとなった。
さて、サボりタイムを1人で過ごす時の相棒になったのが、iPod touchだった。
これは高校1年の時の誕生日に買ってもらった物で、いつも持ち歩いていた。大学を卒業して社会人になっても使い続けた。さすがに寿命が来て今はもう2代目をお迎えしたけれど。
当時の私がよく聴いていたのが、LUNKHEAD(ランクヘッド)というバンドだった。愛媛県出身の4人組ロックバンドで、メジャーデビューはしていたものの、あまり有名ではなかった。両親が愛媛県出身なので密かに親近感を持っていた。さらに中二病の延長線上にいた私は、インディーズ寄りのバンドに魅力を感じるお年頃だった。
そしてとにかくこのバンド、歌詞とメロディーの調和が良い。歌詞も心に刺さる。ボーカルの歌声がまっすぐ心に入ってくる。
もう全ての曲が良い。その中でも特にお気に入りの曲が、ガラス玉とギグル。
お気に入りのFORCEというアルバムをエンドレスリピートしながら、練習室の窓際のテーブルの下に身を隠して、目を閉じる。その時間は幸せだったとは言い難いけれど、あの時の私には確かに必要だった。
時にはroot13.という病み系のインディーズバンドの曲を聴いて泣きながら時が過ぎ去るのを待った。それもまた、必要な時間だったと思う。
1人身を丸めて音楽を聴いた時間は、迷子になっていた私に道筋を示してくれたわけではないけれど、確かに私を救ってくれたのだ。
LUNKHEADは、今ではほとんど聴かない。けれど今でも好きだし、公式LINEをお友達登録もしている。大学に入って都会に出てからはライブにも何度か行った。最高だった。久しぶりに、あのアルバムを再生してみようか。そう考える、休み前の夜。