【詩】揺れる花
雨が降る
風が吹く
空はずっと灰色
お日様にはしばらく会えてない
会いたいと願うばかりでは
憂鬱な想いが募って行くだけだった
そんな僕を見つめる花
まるで僕の想いが分かるかのよう
風にその可憐さを奪われてしまいそうな花
花が揺れるのを綺麗だと思うのは
今にも折れてしまいそうだから
可憐さの中にその抵抗を感じるから
花と見つめ合いながら
涙を誘う空を仰ぐ
でも花が教えてくれた
''風が私を遠くに運んでくれる
雨が私に生きる為の力をくれる''
''それがあったから私は貴方に会えたの''
僕には貴方にない手と足がある
貴方の様に揺れる事は出来ないけど
風と雨と歌って踊ることが出来る
そしてどこまでも歩いて行ける
包み込まれた灰色の中で
花に見つめられて
僕は歩き出していた
雨の結晶が反射して
硝子の様に輝く憂鬱の中で
貴方は揺れていた
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