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Youは何しに博士課程に?~私が進学を決めた理由~

今回は、私が博士課程への進学を決心した理由や、そこに至るまでの葛藤などをまとめました。
あくまでも私の体験ですが、「こんな人もいるのか。」と読んでもらえたら嬉しいです。


改めまして、こんにちは。ご覧いただきありがとうございます!
私は、生物系博士課程1年のZOOといいます。
※ニドラン(ポケモン)風に言うと、ZOO♀です。
…すみません、真面目にいきますね。

本記事は、以下の流れで書いています。


簡単な自己紹介


※前回の投稿では、趣味なども含めた自己紹介をしています。
(ほぼどうでもいい内容ですが…)

ZOO♀(博士課程1年生)
・もともとは教育関係の職業に就きたいと考えていた。
・今年の4月に博士課程へ進学し、植物の研究に取り組んでいる。
・Youtubeに「SEA-ZOOちゃんねる」を開設し、YoutubeLIVE(現在は毎週土曜13時~)を行っている。話す内容は、博士課程での学生生活や、研究のことなどがメイン。

※一緒に活動しているSEAちゃん、NERUさんも、博士課程に進学した理由をnoteにまとめているので、よければそちらも見てみてください!
・SEAちゃんの記事はこちら
・NERUさんの記事はこちら
・本記事の元となったYoutubeLIVEはこちら

博士課程進学を意識した瞬間


自己紹介でも書きましたが、私はもともと教育業界に興味を持っており、「修士課程を出たらすぐに教育業界に就職する」という将来の道筋が、自分の中で当たり前のものになっていました。

転機が訪れたのは修士課程2年の5月某日。
今からちょうど一年前くらいのことです。

その日は、それまでの実験の進行状況などから、修士論文をどのようにまとめるか、修士課程のうちにどこまで明らかにするのか、といった内容を指導教員と話し合っていました。

恥ずかしながら、私はこの時初めて、
修士課程では、時間が足りない…!
自分が解明したいことの、ほんの一部にしか手を付けられない…!

ということに、やっと気づいたのでした。(遅いですね…。)

そして、その日の帰り道、一年後の自分の進路について改めて考えてみると、
「後輩に、やりかけの自分の研究テーマを渡したくない。」
「自分の手で、もっと深くまで追究してみたい。」

といった考えがどんどん浮かんできて、
就職するよりも、研究を続けることを希望している自分に気づきました。

(この時点では、「研究者になる!」といった明確な目標がある訳ではなく、「博士号を取得して将来に生かしたい!」ということでもなく、ただ単純に、目の前の研究を続けたいと考えていました。)

こんな訳で、将来について再考したこの日、私は初めて「博士課程進学」を意識するようになったのです。

ただ、実際に博士課程に進学するとなると、いろいろと考えないといけないことも出てくるわけで…。ここから数か月間、葛藤の日々が続きました。


就職VS進学。葛藤から決心へ


「博士課程」というのは、研究者を目指す優秀な人が行くところ。そんなイメージを持っていました。

ただ研究がしたい!というだけで、はたして進学していいものだろうか?
金銭面や将来設計的にも、博士課程に進んで本当に大丈夫なのか?

といった不安なことがたくさんあり、博士課程への進学を即決することは出来ませんでした。

そのため、私が悩んだポイントの「①金銭面」「②自分が女性であること」「③博士課程修了後の進路」に関して、情報収集を始めました。


葛藤その① 金銭面~給料もらえず、学費がかかる~

博士課程に進学すれば、同級生はほとんど就職している中で自分は学生を続けることになるので、なるべく金銭的な面で親を頼りたくないと思っていました。

調べてみると、JASSOの奨学金を始め、大学の学費免除や各種助成金など、博士課程の学生向けの支援もいくつかあることが分かりました。
(「博士課程 助成金」とかで検索すると、分かりやすくまとめられたサイトがいろいろでてきます!)

それらの情報をもとにシュミレーションしてみると、
奨学金・助成金などをかき集めて、指導教員にRA(リサーチ・アシスタント)で雇ってもらって、貯金を多少切り崩せば、(選考のある助成金に落ちまくったとしても)博士課程の3年間は何とかやっていける!
という結論に至り、少なくとも在学中に関しては、金銭的なハードルをクリアしました。


葛藤その② 自分が女性であること

就職して何年か働いて、結婚して産休・育休取って子育てして…。
ぼんやりとこんなことを考えていましたが、博士課程に進学した場合には、ストレートで修了できたとして、すぐに就職しても27歳です。
学生生活を終えて、次のステップに進むのが27歳…。就職してすぐに育休とるのも気が引けますし…。

「20代の3年間」は、なかなかに重みがあります。このことは、博士課程への進学を躊躇するポイントになっていました。私と同じく、ここで悩む方も多いのではないかと思います。

私の場合は、結局いろいろ考えた上で、「博士課程で研究することは、20代の3年間をかける価値がある」と思い至ったので、進学することに踏み切りました。

修士課程を出てすぐに教育業界に就職したとして、(生活が落ち着いたら)その後改めて博士課程に入りなおす、というのも自分には難しいのかなと思っていて…。

今進学しなければ二度と研究はできないかも…!という風に考えたことも、進学を決心した理由です。

この選択を後悔することがないよう、一生懸命研究していきたいと思っています。


葛藤その③ 博士課程修了後の進路

博士課程在学中・修了後のいろいろな人に話を聞いてみると、博士課程を修了した後、研究者以外の道に進む人も多いことが分かりました。

博士課程まで研究に向き合い続けた経験は、きっと、研究者以外の職業にも生かせる部分があると思います。(…という期待!笑)
進学を悩んでいる時には、博士課程進学は一般就職に不利?とか、人生にとって大きなリスク?とかネガティブなことも考えていました。

でも、研究を続けてみたいと思った以上腹をくくって、博士課程の3年間を、自分の武器にできるように頑張るか~!と思うようになりました。
楽観的か、ポジティブか分かりませんが…。笑

今のところ、博士課程を修了した後は教育業界に進んで、理科教育の振興に携わっていきたいと考えています。

科学に対して真摯に向き合い続けた経験を糧に、研究の意義・面白さの普及に貢献することが、今の目標です。

学位をとる段階で自分の気持ちが一区切り…とならなかったら、進路を変えるかもしれませんが…。

…このような感じで、私は数か月かけて自分の中の「進学を躊躇する理由」を一つずつ解消していき、最終的に博士課程に入学することとなりました。


まとめ

私が博士課程に進学するまでの経緯は、こんな感じでした。

・修士課程2年の春に、「まだ研究を続けたい!」という気持ちに気付いた。
・しかし、博士課程進学にあたり「金銭面」「ライフイベントとの兼ね合い」「進路」など不安なことがあったため、情報収集をしながら数か月悩んだ。
・不安をほぼ解消し、博士課程に進む覚悟ができたので、進学した。

おわりに

ありがたいことに、私が博士課程進学をしたいという相談をしても、親や周囲の反対は全くありませんでした。
(指導教員は、「進学してくれるのは嬉しいけど、将来のこともふまえて、よく考えてから決断してほしい。」と言ってくださりました。)
完全に自分の判断に任されたのも、迷いまくった理由かもしれませんが…。情報をいろいろ集めてみて、自分で納得して(覚悟して?)進学できたことは良かったと思っています。

思っていたより長くなってしまいました…!すみません。
何かの足しになるような内容を書けていたら、嬉しいのですが…。

それでは、今回はこの辺りで失礼します。
次回はもう少しコンパクトにまとめたいです。(希望)

ZOO


【SEA-ZOO(NERU)とは?】
SEA-ZOO (NERU)とは、
「博士理系学生をもっと身近に!」
をコンセプトに活動するサイエンスコミュニケーターグループです。
SEAちゃん、ZOOちゃん、NERUさん、それとたまにはゲストを交えて、
研究者っぽいことも、そうでないこともいろいろやっていきます。
活動のメインはYoutubeの予定。
【リンク】
SEA-ZOOちゃんねる
https://www.youtube.com/channel/UCwJOnyFcYmTFpBK51bhzFvg?sub_confirmation=1
【ホームページ】
https://seazooneru.amebaownd.com
【ツイッター】
https://twitter.com/seazoo2020


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