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新・北海道4000km攻略相談室⑥「ゲームに関するあれこれ」

同人ゲーム「新・北海道4000km」の大型連休集中連載の第六回(最終回)です。
ここまでで実際の乗継パターンの一例は紹介できたので、ここからは「まとめ」的な内容です。

前回:新・北海道4000km攻略相談室⑤「ウィニング・ラン」

企画を最初から読む:新・北海道4000km攻略相談室!①「ゲーム攻略最大のコツ」


乗継行程の作り方


このゲームでは「列車の乗継」が肝であるが、どうやって組み立てたら良いのか悩んでる人がいるかも知れないので、書く。
攻略本(時刻表)片手にその都度考えていっても良いと思うが、他にも方法は存在する。

「この列車に乗ったら、あとの接続はこう繋がる!」というパターンを見つけ、ストックしておく方法である。

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例えば前回までに紹介した行程を例に取ると以下のような感じである。

「遠軽4:28発」
遠軽4:28→興部→雄武→渚滑→北見滝ノ上→紋別→14:21名寄


「砂川5:20発(平日)」
砂川5:20→歌志内→砂川→上砂川→砂川→岩見沢→万字炭山→10:59岩見沢→札幌→小沢→14:13岩内

また、今回の行程では使わなかったが、以下のような乗継パターンも有る


「音威子府4:16発」
音威子府4:16→北見枝幸→浜頓別→9:35南稚内9:38→13:51美深13:58→仁宇布→美深

これは南稚内~稚内が乗れないので中々使えない。天北線と宗谷本線のクリアはこの1区間が非常に歯痒い。
その点をクリアして組み込んだものが以下である

「深川7:46発」
深川(746発)~留萠~増毛~留萠(1331発)~幌延~稚内~南稚内~浜頓別~音威子府~幌延~音威子府
(翌日)
音威子府~名寄~音威子府(4:16発)~浜頓別~北見枝幸~浜頓別~音威子府~美深~仁宇布~美深~名寄(1722発)~朱鞠内~深川(2043着)


深川7:46発は、札幌5:30発の普通列車から乗り継いでくるルートでもある。
若干接続がわるい所は出てしまうが、2日で道北一帯の面倒な路線を乗れる(旭川~名寄と名寄本線方面が残る)

実例を挙げるとこのような感じである。列車本数が限られる区間が多いため、自ずと接続が良くなる組み合わせも限られてくるのである。
こういった接続パターンをある程度作ってストックしておけば、行程を組み、その時間に駅に差し掛かったら「このパターンで乗れるけど、どうしようか?」と検討すればいいのである。


こういった接続パターンで良いものがあれば自分も知りたい所である。
何分、列車の組み合わせと縛り(昼のみ縛りや普通列車縛りなど)を考えると、適した組み合わせが無限に存在し、キリがないのである・・・


こうした接続の無駄をとにかく切り詰めていけば、いわゆる「RTA(最速クリア)」が可能となる。
ただ、このゲームの楽しみ方は最速クリアだけではないので、自分なりの楽しみ方を見つけるのも良いだろう

ゲームの舞台である「1983年の北海道」について

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今の北海道の鉄道網から見れば、1983年のそれは比べ物にならないほど広大である。道内の線路敷設距離だけみれば、この時代(石勝線開通~白糠線廃止)が最長とも言われている。
しかし、全盛期なのかと言えば、そうとは言えない。ピークは確実に過ぎてしまった時期である。
解説として以下に2つの例を挙げる


1つ目は単純に「既に廃止された路線も多い」という点。

現に国鉄線では、戦後に限っても以下の路線が既に消えている

胆振線脇方支線(京極~脇方、1970年廃止)
手宮線(南小樽~手宮、1962年旅客廃止、1985年貨物廃止)
幌内線(三笠~幌内、1972年旅客廃止、1987年貨物廃止)
札沼線(新十津川~石狩沼田、1972年廃止)
夕張線(紅葉山~登川、1981年廃止 ※石勝線開通に伴う)
根北線(斜里~越川、1970年廃止)

また国鉄線以外では、各地に存在した私鉄や簡易軌道(殖民軌道、いわゆる軽便鉄道)は概ね60年代までに大部分が整理(廃止)されてしまっている。ゲーム中では大夕張鉄道しか乗ることができない。

相次ぐ廃止は炭鉱を中心としていたエネルギー(産業)構造からの変化はもちろん、道路の整備も大きい。

北海道においては冬の豪雪もそうだが、雪解けでも泥々の悪路となってしまい、道路交通は安定しない季節が長かった。
砂利と線路で成り立つ鉄道は、こうした環境でも安定した輸送が出来た。
しかし戦後、道路の整備・舗装が進んでくると、安定輸送という鉄道のメリットは薄くなったという訳だ。


道路交通については「陸の孤島」という象徴的なものがある。
留萌本線の増毛から少し南下した所、本ゲームには登場しない「雄冬」という集落は、なんと1980年代に入ってようやく自動車が通れるような国道が開通したのである。
それまでは海側から船で連絡していたという。

このように、北海道を取り巻く道路交通の環境は1980年代まで来るとかなり改善し、同時にモータリゼーション・鉄道離れも進んでいたのである。
交通機関別のシェアで言えば、1963年頃には鉄道が68%を占めていたものが、1978年には16%まで落ち込んでいる。


もう一つは「内地と連絡する交通手段の変化」である。

現代と同じように航空機の台頭が著しいものであった。確かに運賃は早割やLCCが定着した現代に比べ若干高いが、如何せん所要時間の違いは覆しようもなかった。

交通機関別・対本州旅客輸送のシェアでは、1965年に83%を占めていた鉄道は、1978年になると25%まで低下した。一方航空機は17%から61%へと急伸している(残りはフェリー)。


一方、当時の国鉄はこうした急激な変化に対しては遅れを取っていた点は否めない。財政面での苦しさや労使関係の悪化等もあるだろうが、とにかく後手に廻ってしまった。
連絡船による函館起点の考え方から、千歳空港(現・南千歳駅)を中心とした航空機連絡の考え方へダイヤを大幅に改めたのは、石勝線開通の1981年であった。

話が長くなってしまった。
要するに「1983年の北海道は、現代へと続く航空機連絡ダイヤがようやく始まった中、旧態然とした体系も少なからず残っていた時期」である。

(参考資料:鉄道ジャーナル別冊No.05 北海道の鉄道 1980年)

この列車は要チェック!

行程とか関係なく、このゲームに登場する「気になる」列車である。
夜行列車は割と目立つので、それ以外をピックアップ

・旭川7:45発 特急ライラック4号 室蘭行き

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この特急は旭川~札幌間ノンストップである。
ライラックの前身「特急いしかり」時代にはノンストップが他にもあったが、1983年夏時点ではこの1本だけである。

・札幌19:40発 急行かむい13号 旭川・富良野・増毛行き
※列車は小樽18:44発から直通、小樽~札幌は普通

行先が3つもある。この列車は3本を併結したかなり欲張りな列車である。
それだけでなく、深川では「増毛行きを切り離しつつ、幌延からの急行るもい4号を併合」と、切った側から新しい編成をくっつけてしまう。

ペアとなるのは旭川8:06発の急行かむい4号で、こちらも「増毛発と新得発を併合し、留萌行きを切り離す」ような運行。


ゲーム内で省略された「藤城線」

函館本線の大沼付近、七飯→大沼間には「藤城線」という別ルートが存在する。大沼~森間の「砂原支線」と同じく、急勾配を緩和するための経路である。
しかし途中に駅がない(営業キロの設定がない)事もあり、本ゲームでは省略されている(攻略本でも記載省略)。
「ここも含めて完乗したい!」という人々が居ると思われるので、念の為、経由列車をここに書いておく。


七飯→大沼で「藤城線」を経由する列車

・函館発の全ての特急と急行
・函館発6:20、14:10、23:51の普通列車


他にも色々と書きたいことはあったが、かなり長くなってしまったのでここで終わる。


最後に


「アンバリヅカの攻略本 新・北海道4000km」買って下さい!

紙版と電書版があります!

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紙版
【BOOTH】https://anbarizuka.booth.pm/items/3404408
【メロン(書泉の店頭でも買えるはず)】https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1131338

電書版
https://anbarizuka.booth.pm/items/2858667

もう買ってくれた皆さん、ありがとうございます!


これでこの連載は終わりです。
ご覧いただきありがとうございました。

追記

ニコニコ動画を眺めていたら実況動画が幾つか上がっていたので紹介します。

↑キーボードによるショートカットを駆使した「1分乗降」で限界までの最速クリアを目指す実況動画


https://www.nicovideo.jp/watch/sm38658644

↑【VOICEROID実況】茜と葵の北海道国鉄紀行 1日目

いわゆるボイスロイド実況で北海道攻略を目指す動画。女子の2人旅にしては限界すぎる。


追記2(路線図配布)

以下は攻略本の見開きの「路線図」データです。(電子版付属データと概ね同じものです)

適当な紙に印刷して使ったり、ルート検討にお使い下さい。

ゲーム「新・北海道4000km」を取り上げる題材であれば、ブログなどの攻略記事や、実況動画を作る際の「素材」としての使用も可能です。

↓Ver.1のMAPと、Ver.2のMAPがあります。


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