ウクライナの叫び〜彼女の涙の理由は?〜ウクライナ難民取材
4月7日ハンガリー ロシア大使館前 ブチャ虐殺に対する、ウクライナの方々の抗議 現地レポート
2022年4月8日現在。戦争開始からわずか一ヶ月半。400万人以上の人が国内へ逃れ難民と化した。国内避難民も700万人を超えた。ウクライナの人口は4413万人(2020年)だ。ウクライナの人の4分の1もの人がこの戦争で故郷を追われたのである。
ある者は涙を流し
ある者は平和と正義を叫び
ある者は失望した
そして、無垢な子供たちは何が起きてるか知るはずもない
そして、ある人は故郷、家、今までの生活は愚か、最愛の人まで奪われたのだ。人間の悪意、戦争と侵略に
故郷、自分たちの国を破壊され、蹂躙され、同胞や家族を殺害されたウクライナの人たちは何を思い、何を叫ぶのか、、、、
4月7日ハンガリー首都ブダペスト ロシア大使館前
ハンガリー現地は思った以上に取材をするのが厳しそうだった。
ハンガリー政府がロシアと関係が近いからか、ウクライナ情勢、及びウクライナから逃れてくる難民に対して箝口令がハンガリー政府から敷かれており、コメントができないとブダペスト東駅のスタッフは教えてくれた。
難民たちが乗り換えで滞在するスペースも警察と軍により厳重に隔離されており、近づく事ができる状態ではなかった。、、、、想像以上に難民の人に話を聞くのは難しいのかもしれない、、、そんなことを思いながら、ブダペストの閑静な住宅街を歩いていると、その黄色と青の世界中で最も有名な国旗を持った集団が突如目の前に現れた。
、、、信じられない、、、どうしても出会いたかったウクライナの国旗を持った人々が目の前に現れたのだ。ウクライナの人か?この重々しい空気、これはデモに違いない!!ハンガリー人の反戦デモか?いやでも、きっとウクライナの人々も何人かいるはずだ。この人口175万人の首都ブダペストでウクライナのデモに出会うなんて、、、これが神のお導きってやつかな!!
”すいません!!誰か英語が話せる人いませんか?”俺は手当たり次第、その集団にそう語りかけた。
”英語ができるわ。”ピンクのジャケットを着たおばさんがそう教えてくれた。
”これはロシア侵略に対する抗議のデモですか?”
”そうよ。ロシア大使館の前で、侵略やブチャの虐殺の抗議をしているの”おばさんは目の前の荘厳な建物を指さした。
これ、、ロシア大使館だったのか、、、、。偶然にも、偶然だ、この大都市ブダペストでロシア大使館前を通りがかり、抗議デモに遭遇したのだ。ロシア大使館前には少なくとも410人の拷問、虐殺遺体が見つかった、あのブチャ虐殺の生々しい残酷な写真が張り出されていた。
ロシア大使館前で抗議デモを行ったのを見に行った事がある。日本のロシア大使館前の講義は人数制限により、わずか5人しかウクライナの人々は集まれていなかった。日本では人数の規制があったとはいえ、大使館前に虐殺の写真を貼り出すなんて、、、さすが隣国だ。抗議活動にも鬼気迫るものがあった。
”あなたはウクライナ人ですか?”俺はおばさんに尋ねた。
”そうよ。私はウクライナ人よ。”
”ここにいる人たちはみんなウクライナ人なんですか?”
”そうよ。みんなウクライナ人。ロシアによる虐殺が許せないからみんなここに集まったのよ。”
”ウクライナ から逃れた難民の人もいるんですか。”
”もちろん、いるわ。多くの人がウクライナを追われたの”おばさんはそう答えた。
もちろん、、、か。それほどまでに今回の戦争によるウクライナの難民は多いのだ、、。
”ロシアの侵攻で、私も街にはいられなくなったんだ、、、。”
抗議デモにいたロシアとウクライナの国境から100キロの場所に故郷の町があるおじいさんは悲しそうにそう語っていた。
長年過ごしてきた故郷にもう帰ることはできない
”僕はオデッサから二ヶ月前にハンガリーに来たんだ。友達がロシア軍に殺されたんだ。”青年はそう語っていた。フレンドリーで親切で色々状況を英語で説明してくれたとてもいいやつだった。友達が殺されたと語る時は、いい奴だった彼はとても悲しそうな顔をしていた。
そんなことを話していると、抗議のデモが本格的に始まった。
ウクライナの人たちは皆倒れ、沈黙している。何人かの人は手を後ろに縛っている。沈黙はロシア大使館に問いかける、ブチャで無残にも虐殺された人々の沈黙のように、、、。
これは、ブチャをはじめとするロシア軍に拷問、殺害された罪なき一般の人々へ対するロシア軍の行った、虐殺への抗議だ。
そして、人々は再び立ち上がると、、、
正義と平和を叫んだ
ある少女は失望し
ある者は涙を流した
ある者は正義を叫んだ
そして、ある者は故郷を追われた
火は戦争に命を奪われた人たちを弔う光
何も知らない無垢な少女にとってその火はただ、美しい光
戦場において、その火は街を破壊し、罪なき人々の命を奪う
純粋な少女は何が起きてるか知るはずもない、、、
少女が一生懸命振るのはウクライナの未来
世界の未来
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?