【歴史の入り口に!】歴史のウラを描いた小説やマンガ(女性編)
7月の歴史マンガ・小説紹介です。
歴史マンガや小説を集めるようになって思うのは、有名な人を取上げているものよりマイナーというか、表にはでていない人を取り上げているものに惹かれるんだなということ。
ローズ・ベルタンや淡海の海などがそうですね。
マイナーな人ってあまり史料に出てこない分、想像が面白いのです。
もちろん有名な人物を別の視点から見ているのも面白い。
こんな人いたんだ!こんな見方があるんだ!の気づきが癖になるのです。
さて、その視点で7月は表舞台にあまり出ていない女性をテーマにします。
1.男装の数学者を描いたマンガ
これはまだ1巻しか発売されていないのですが、あらすじからして面白そう!と手に取ったものです。
いつもは3巻ぐらい出てからまとめ買いするのですが、誘惑に負けました。
まず、主人公の名前を最後の最後まで引っ張るのが面白い。
こういう異名があった、元々はこの名前だった、の説明で引っ張って最後の1ページにようやく一般的な名前が出てくるのです。
私も知らなかった方なので、すごく記憶に残りました。
なんとフェルマーの最終定理にも関わった方とのこと。
構成が上手いなあ展開が気になるなあと思ったマンガです。
なぜ「天球のハルモ二ア」というタイトルなのか気になります。
2.バチカンから否定された女教皇を描いた小説ー
女教皇ヨハンナ。
伝承で聞いたことがあるかもしれませんね。
実在したとされるのですが、何しろバチカンが認めていない。
そんな幻の教皇を描いた小説です。
大方さらっとしたストーリーで深みはそこまでないと感じたのですが、8~9世紀のキリスト教世界を垣間見たり各国の情勢の勉強にはなります!
むしろそんな時代に女教皇が誕生するのか?という疑問はあるものの、物語として楽しめると思います。
女教皇をめぐる論争があったこと自体全く知らなかったので、世界史の知識がひとつ増えました。
3.古代最後の女性天皇、元正天皇を描いた小説
元正天皇。
推古天皇や持統天皇に比べると存在感が薄いかもしれません。
ですが、在位期間に長屋王の変などの国家的事変が起こるという波乱なものでした。
また天武天皇が始めた日本書紀編纂も元正天皇の時期に完成しています。
この本の面白いところは、女帝をただの中継ぎとしてみるのではなく蘇我氏と藤原氏の戦いとしてみていること。
持統、元明、元正天皇は蘇我氏の血を引き継いでいる。
その後の聖武天皇から藤原氏の血が入る。
女帝の裏で権力交代が起きており、元正天皇は藤原氏の介入を阻止しようと奮闘したと書かれています。
複雑な家系図を紐解きながら物語を紡いでいるので、確かにそうだなあと納得させられながら一気読みしました。
古代日本の天皇家を取り巻く状況を知りたい時に最適です!
以上、7月のオススメでした。
また興味深い歴史関係の本に出会えたら、8月に紹介します。
6月おすすめのも読んでみてください!