マガジンのカバー画像

自選集:詩

35
密室で延焼する憎悪と、古戦場に揺れる花と。
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

短歌10首 女言う「気持ちは一つ」拍手沸く 「余分」は埋めた 死体のように

短歌10首 女言う「気持ちは一つ」拍手沸く 「余分」は埋めた 死体のように

『学級会』

 

女言う。「気持ちは一つ!」拍手沸く。「余分」は埋めた。死体のように。

「皆仲良し!」 えっ?ショータイム? その話 美談は談合 鳴り出すtango

「助けたい!」作り笑いで支援して支配したいね「下」の人をね

大変ね不安の反動中傷の薄ら笑いが君の人生

全方位迫りくる壁コンクリの向こうが見たい瓶詰のSUN

村を出て市場を離れ歩く道敵はいないが仲間もいない

舞台上あの子の

もっとみる
死因

死因

あんなのは勝利者たちが美化した仮初の物語
最も肝心なところが割愛されている 騙されるなよ

いつだって頼りになるのは自分の力だけ
しかしそれには生まれつきの上限が重く圧し掛かる

助けを得られるのは魅力という最強の力があるから
美談とは臭いものに蓋をした上での談合だ

他人と競争して勝たなければ価値にならない仕組み
当然金にもならない 余計なものは燃えないゴミ

つまるところ全ては力学的なやり取り

もっとみる