穿鑿と「俗天使」(2022/02/17)
論文を読んでいたら「穿鑿」という語で目が止まった。読めない。調べると「せんさく」と読み、「詮索」とほぼ変わらない意味らしい。「穿鑿」の方は物理的に穴を開けることも意味するから、たとえば「ドリルで金属を穿鑿する」というようにも使える。だけど論文は「著者のこうした記述の伝記的背景をあれこれ穿鑿することは……」といった調子だったので、大人しく「詮索」でいいじゃないかと思った。そこで「穿鑿」の用例を調べていると太宰の短編「俗天使」が見つかった。こうある。
おまえみたいな下劣な穿鑿好