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《36》航空業界の事例(日本航空㈱)~環境・地域に貢献~

業界別のSDGs事例紹介。

今回は航空業界

言わずと知れた日本航空㈱(JAL)です。



全社員の物心両面の幸福を追求する。お客さまに最高のサービスを提供する。企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献する」を企業理念として掲げ、SDGsの達成に向けて多岐にわたる取り組みをされています。


同社は特に「環境」と「地域」を経営上の重要課題と位置付けています。


まず、「環境」への取り組みとしては、燃費効率を上げて環境への負荷を低減するため、軽量化された機体を使ったり、航路の見直しや離陸・着陸方法の改善を進めたりしています。

また、どうしても排出せざるを得ない温室効果ガスの発生分を、その排出量に見合った削減活動に必要なお金を払うことで埋め合わせ、

排出量を実質ゼロにする「カーボンオフセット」という取り組みも積極的に行い、例えば熊本県の間伐プロジェクトやインドネシアの森林破壊防止プロジェクトに参画できるようにしています。


さらに、燃料自体もエコなものにすべく、「バイオジェット燃料」の製造にも挑戦。

古着などの衣料品に使われている綿を原料とするため、取り組みを開始した2018年には約25万着の古着を集め、20年3月に無事に燃料として完成さ
せました。

バイオジェット燃料は新たな化石燃料を採掘する必要がないので、環境負荷を下げることのできる燃料として今後も期待されます。


次に「地域」への取り組みとしては、社内公募で選ばれた客室乗務員が自身の故郷やゆかりのある地域に移住し、

地域コンテンツの創出や商品開発を手掛ける「JALふるさとアンバサダー」という制度を創設。

例えば、JALとJR北海道の共同企画「ひとつの列車で、ひとめぐり。北海道」では、北海道出身のアンバサダーが、飛行機ではなく列車内でおもてなしを行い、地方創生に貢献しています。


近年は「飛び恥(※)」という言葉も出てきていますが、このように航空会社も様々な取り組みをしていることを知れば、

環境意識の高い方でも安心して飛行機に乗れるのではないでしょうか。

ぜひ今後、飛行機に乗るときは事前に各航空会社のSDGsへの取り組み
を調べて比較してみるのも興味深いかもしれません。

(※注釈)飛び恥・・・気候変動を食い止めるため世界で脱炭素の取り組みが待ったなしの中、鉄道などに比べ二酸化炭素の排出量が多い航空機に乗るのは恥ずかしいという意味の言葉。

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