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Turn.20『縁の下』

 先日発生しました、東海道新幹線の保線車両衝突の事故。
 この事故で衝突した車両の片方は鉄道ファン(そんなに少ないけど)に通称
『マルタイ』
と呼ばれる保線では有名な車両です。
 今回の写真の車両は、阪急のマルタイ。友人から連絡を頂き、自分が代行で撮影して友人に成果を見せる…といった感じだったような記憶があります。
 撮影した時間は未明の2時とかくらいで、普通は寝ていないといけません。こんな時間に撮影するなんて本当に何を考えているんだか(自分で言うと説得力皆無)。
 マルタイ…という言葉の略称は、
『マルチプルタイタンパー』
という言葉を略称したもので、車両としての役目では
・線路のバラスト(石)を突き固めて平らに慣らす
といったものがお仕事です。
 そのため、この車両を撮影していると
『ガチャン!!ガガガッ』
と迫力のある鉄の棒を持ち上げるような音が聞こえ、そしてカニの爪のようなモノを突き刺して線路の石の部分をかき混ぜているような動きが聞こえます。
 各鉄道会社(大手私鉄には大概配属)に配置されている車両で、この保線車両は保線に詳しくない方でも名前は聞いたことあるかと…のレベルですが、夜中に粛々と活動し、線路を支え日夜の安全を支える車両として今日も活躍しています。
 まさかこうして、日本の大動脈として据わる東海道新幹線の衝突事故の車両としてこの名前が登場するとは思ってもいませんでした。
 人形劇で言えば、人形を操演して操る『黒子』のような役割の車両であり、まさに
・この車両なくして安全なし
という大事な車両なのです。
 この写真は4年くらい前の撮影ですが、せっかくの機会なので掲載しました。
 もう保線車両を撮影しに自転車を駆り出すなんてないだろうなぁ…

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