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【声劇台本】012「春チョキ!」

今日も胸キュン! 

90秒ドラマをお届けです。

<配役>
砂川君(16)高校2年生。男子。
森さん(16)高校2年生。女子。

―――本編―――
砂川君のMO「俺たちの事をいつまでも春は待っていてくれない。そう気がついたから、春をつかみに行くしかないって! そう思ったんだ。学校からの帰り道、俺は全力ダッシュで君を追いかけた」

砂川君「(息を切らして)森さん!」
森さん「あれ? 砂川君? どうしたの?」
砂川君「(呼吸を整えて)いや、その……やっと追いつけたから!」
森さん「えっ? 私に?」
砂川君「う、うん! 一緒に帰ってもいいかな!?」
森さん「あ、うん……いいけど」
砂川君「よかった!」

砂川君のMO「戸惑う君の横に並んで一緒に歩き出す。呼吸を整えて、心の準備をする。そして、緊張を吹き飛ばすように、俺は! 俺は! 叫べなかった……!」

砂川君「(ぼそっと)好きです……!」
森さん「え? 何?」
砂川君「(ぼそっと早口で)森さんの事が好きなんです!」
森さん「え? なんて言ってるかよくわかんないよ?」
砂川君「(ぼそっと、さらに早口で)だから付き合ってください!」
森さん「(笑って)ダメだ! 全然わかんない!」

砂川君のMO「なんてことだ! 俺の言葉は森さんには届かないのか!? それなら、と、俺は右手を森さんに差し出した。森さんはその手を見て、ハッとした表情を浮かべて、ジャンケンのチョキを返してきた。しまった! 俺はパーを出したと思われたのかっ!」

砂川君のMO「俺は森さんのユーモアに感動しながらも、あまりに恥ずかしくなって、パーの手で顔を隠した」

森さん「変な砂川君」

砂川君のMO「俺の想いは届かないのか!? 諦めるしかないのか!? すると今度は森さんが手を差し出してきた。俺は思わず、それにチョキを返してしまった!」

森さん「これでおあいこだね!」

砂川君のMO「ううっ。なんてことだ! 森さんの笑顔に、今日のところはこれで十分か、と俺は降参するしかなかった」

―――おわり―――

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今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。