【声劇台本】045「ハロー、エイリアン!」
今日は真夏の星探しのお話です。
■人物
薫ちゃん(14)中学2年生。
星夫くん(9)小学3年生。
■本編
薫のMO「流星群が到来した夏の夜。天体観測をしに行った裏山で。私は宇宙人を名乗る少年に出会った!」
星夫「僕は帰る星を探しているんだ!」
薫「その望遠鏡で探しているの?」
星夫「そうだよ! 地球に似た水色の惑星。それが僕の故郷なんだ!」
薫「へえー」
星夫「なんだよ。お姉さん、信じてないだろ」
薫「信じてるよ。私も天体観測にきたの。一緒に探すの手伝ってあげようか?」
星夫「え?」
薫「二人で探せば。探している星も見つかるかも」
星夫「別にいいよ」
薫「なんで?」
星夫「だって、そんなこと言って、僕の言うこと、本当は信じてないんだろ」
薫「本当に信じてるよ」
星夫「じゃあ聞くけど、学校でなんで僕だけ仲間外れなのか、わかる?」
薫「え?」
星夫「わかんないヤツは地球人だ」
薫「どういうこと?」
星夫「僕だけこの星の人間じゃないから。だから仲間外れにされるんだよ」
薫「そんな……」
星夫「地球人のみんなはそうやって宇宙人を仲間外れにする。だから僕は故郷に帰るって、そう決めたんだ」
薫「だったら私も宇宙人だよ!」
星夫「え? お姉さんも宇宙人なの?」
薫「そうだよ。私も地球に居場所なんてなくって、自分の故郷を星を探しにやってきた、宇宙人なの」
星夫「なんだよ。そうだったんだ。仲間だったんだね。じゃあ、お姉さんも一緒に僕の故郷を探してよ。見つけられたら、つれてってあげるから」
薫「ホント?」
星夫「僕の故郷の星は、地球みたいに人を仲間外れにしたりしない、優しいところだから安心してよね」
薫「よし! じゃあ探そう!」
星夫「うん!」
薫のMO「同じ人間なのに、人は人を傷つける。それは、誰もがこの星に生まれ落ちた宇宙人同士だからかもしれない。気が付くと、私は少年の言う星に行ってみたくなって、一緒に星を探していた」
(おしまい)
今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。