さとる

関西出身・海外放浪中。人生の経験を通じてかんじたこと、まなんだことの中から考えたことを…

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関西出身・海外放浪中。人生の経験を通じてかんじたこと、まなんだことの中から考えたことを記します。

最近の記事

デンマークのまちづくりと心地よさ

デンマークが好きだ。コンパクトな街(国)のサイズ。隅々まで美しいデザインが行き届いている公共スペース。穏やかでとっても自然体な人たち。環境に対する意識と、それを実際に実行しているところ。 久しぶりにデンマークを訪れて、改めてその魅力にとりつかれた。 デンマークという国の心地よさは、アーティスト・デザイナーの自由度を認めつつ、それを公共空間にバランスよく取り入れていることだと思う。公的機関がアート・デザイン(建築)が人々に与えるポジティブ・ネガティブな影響をよく理解して、う

    • レバノンで今おきていること(5)首相の退陣

      デモが始まって12日目の今日、ついにハリーリ首相が辞任しました。 数日前から辞任の噂は流れていたものの、急に今日の14時ごろに首相の退陣がメディアで報道され、16時に離任会見があると発表されました。 同時に、デモ隊が占拠している首都ベイルートの広場に、暴徒化したシーア派政党アマル・ヒズボラ支持者が押し寄せ、デモ隊のテントを次々と破壊、暴力を振るってけが人が出ました。 ▲ 壊されたテントの骨組みの上に旗が建てられ、夕方にはモニュメントに この暴動が意味するものはなにか。

      • レバノンで今おきていること(4)社会が大きく変わる時のアートの役割

        レバノンは中東のアートハブとも言われ、美術館やギャラリーが多くあります。レバノンの美術業界の今回のデモに対する反応は、社会におけるアートの本来の役割を明確に体現したものでした。 デモがはじまって1週間目、スルソーク美術館という現代アートの中心的な美術館など、19のアート・カルチャー団体が無期限でのストライキをおこなうという声明を共同で発表しました。全文はこちら。 一部を抜粋の上ざっくり訳します。 レバノンの文化セクターによるオープン・ストライキについての声明 レバノン

        • レバノンで今おきていること(3)デモの楽しみ方

          上の写真に見える星屑のような光の粒。これ、人です。 連日連夜、小さな場所を合わせると100ヶ所以上の場所でデモが開かれています。レバノン人の友人にスケジュールを聞くと、基本的に午後の早い時間から繰り出し、夜中までいるとのこと。 今日でデモ11日目。銀行や学校はこの期間ずっとしまっています。道路も封鎖されているところが多いので、多くの企業が閉まっています。 デモに参加する人も疲れが出始めるころで、SNSでは盛んに街に繰り出そう!動きを続けよう!と呼びかけられています。合言

        デンマークのまちづくりと心地よさ

        • レバノンで今おきていること(5)首相の退陣

        • レバノンで今おきていること(4)社会が大きく変わる時のアートの役割

        • レバノンで今おきていること(3)デモの楽しみ方

          レバノンで今おきていること(2)国民が団結するとき

          「レバノン人としてひとつになれたのが嬉しい。こんな日をずっと夢見ていた」 一連のデモに参加する人、参加してない人も含めて、今街中で一番よく聞く声です。 このデモがもたらしたもの。それは何と言っても政治勢力や地域、宗派の違いを超えて団結できたということです。内戦と争いをくりかえしてきたレバノンで、独立以来はじめてともいわれます。 上の写真は首都ベイルートです。右側の青い屋根の建物がモスク、左側のオレンジの屋根はキリスト教の教会です。 レバノンは1941年にフランスから独

          レバノンで今おきていること(2)国民が団結するとき

          レバノンで今おきていること(1)レバノンってどんなところ?

          本題に入る前にレバノンの場所、人口、気候などの基礎情報を。 レバノンはどんな国か レバノンは地中海に面していて、シリア、イスラエルと国境を接しています。また、トルコ・イラク・サウジアラビアなどの大国に囲まれています。 レバノンの面積は、10,400㎢、だいたい岐阜県と同じ大きさの小国です。人口は約420万人。福岡県の人口が約510万人、静岡県の人口が約360万人なので、日本の大きめの都道府県一個分と考えたらいいかもしれません。 深くは触れませんが、レバノンは多様な文化の

          レバノンで今おきていること(1)レバノンってどんなところ?

          レバノンで今おきていること(0)民衆によるデモのはじまり

          私は今、中東の小国レバノンに滞在しています。 この文章を書いているのは2019年10月24日。 10月16日、政府がまとめた2020年の予算案が発表され、翌17日夜に首都ベイルートで市民によるデモがはじまりました。デモはすぐに南部、北部、全土に拡大し、連日数百人の市民がデモに参加しています。各地で道路が封鎖され、18日以降、国は機能不全に。学校、銀行、主だった会社は閉まっています。 ここ数日で徐々に欧米のメディアで取り上げられてきていますが、日本ではほとんど報道されてい

          レバノンで今おきていること(0)民衆によるデモのはじまり