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レバノンで今おきていること(1)レバノンってどんなところ?

本題に入る前にレバノンの場所、人口、気候などの基礎情報を。

レバノンはどんな国か

レバノンは地中海に面していて、シリア、イスラエルと国境を接しています。また、トルコ・イラク・サウジアラビアなどの大国に囲まれています。

レバノンの面積は、10,400㎢、だいたい岐阜県と同じ大きさの小国です。人口は約420万人。福岡県の人口が約510万人、静岡県の人口が約360万人なので、日本の大きめの都道府県一個分と考えたらいいかもしれません。

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深くは触れませんが、レバノンは多様な文化の影響を受けています。古代フェニキア人の時代から、アッシリア、ギリシャ、ローマ、アラブ、オスマントルコによる統治を経て、独立直前はフランスの占領下にありました。この多様な文化の変遷がレバノンという彩り豊かな国をつくっています。

人口分布については、55%がイスラム教徒、40%がキリスト教徒、残りがアルメニア教徒、ユダヤ教徒などの少数派と言われていますが、実態はよくわかっていません。

というのも、レバノンでは現在に至るまで1932年の国勢調査を元にして政治権力の分配が行われており、改めて国勢調査を行うことで権力のバランスをくずす可能性があるからです。1932年の国勢調査がどのように行われたのかは明確にわかっていませんが、キリスト教徒とムスリムの人口比率を操作したのではといわれています。きちんとしたデータがないことで、適切な政策をとることが難しくなっているのは、想像にかたくありません。

レバノンには 四季があり、10月末の今は、日本の秋の初めの気温です。中東にはめずらしく、レバノンには砂漠がありません。内陸部には3000メートル以上の山があり、ノアの箱舟時代からある野生の杉の林が点在します。

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地中海の海岸線沿いには、岩と砂のビーチが続きます。

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また、首都ベイルートの内戦で荒廃したエリアの一部は、美しく(ヨーロッパ風に)再興されています。

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この写真の背景には、今回のデモのきっかけとなった社会的、政治的な問題が隠れており、次回以降触れていきたいと思います。

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