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レバノンで今おきていること(3)デモの楽しみ方

上の写真に見える星屑のような光の粒。これ、人です。

連日連夜、小さな場所を合わせると100ヶ所以上の場所でデモが開かれています。レバノン人の友人にスケジュールを聞くと、基本的に午後の早い時間から繰り出し、夜中までいるとのこと。

今日でデモ11日目。銀行や学校はこの期間ずっとしまっています。道路も封鎖されているところが多いので、多くの企業が閉まっています。

デモに参加する人も疲れが出始めるころで、SNSでは盛んに街に繰り出そう!動きを続けよう!と呼びかけられています。合言葉は「If not now, never」(今この機会を逃したら、もう決してない)。

普通にデモするだけなら疲れますよね?でもレバノン人って本当にクリエイティブで、毎日いろんなことをやり始めるんです。今のところ平和的な雰囲気で、楽しむためのイベントを色々やってます。今日はそのいくつかをご紹介。

まず、パーティ、ダンス、踊り!!

ベイルート、トリポリ、スールなどの大きな都市では、だいたいデモの二日目からDJが即興で音楽をかけだし、三日目くらいにはステージができてました。また、小さめの街でも楽器を弾いたり踊りを踊ったり・・が日常的にみられます。

下の動画でDJやってる人がテレビ取材を受けていたのですが「全然予定していなくて、即興でやったら面白いかなと思ってプレイしてみたらすごくウケた」と。

ちなみにこの歌「はい、さよなら」みたいな意味の曲で、「政治家バイバイ」という替え歌をみんなで大合唱してますw。

そしてプロジェクトマッピングも三日目くらいに登場。誰がやってるかは不明です。#REVOLUTION (アラビア語で#Thawra)の文字。

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<↓動画はこちらから>

デモの中心となっている広場に設営されたステージで著名なアーティストたちが大集合。「私たちの革命」という歌詞をつけて歌を合唱して盛り上げました。

夜は若者が多いですが、昼間は学校がない子どもたちも家族連れで参加。3歳くらいの小さい子から小学生までバナーを作ったりして遊んでます。

軽食を売る屋台やコーヒースタンドも登場。写真には写ってないですが、水タバコ(シーシャ)を持ち込んだり、若干ピクニック的な雰囲気です。

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教師や大学の先生が中心になって、野外授業も始まりました。小学生向けのも、大学生向けのレクチャーなんかもやってます(以下の写真は大学の補修授業の様子)。このデモに対する大学の動きについては次回触れたいと思いますが、多くの大学が「今デモに参加してこそ本当の学びができる」という声明を出し、先生もゼネスト。学生や大学スタッフとともにデモに参加し、行進も行われました。

こちらは、五百人以上が参加した公開講義の様子。10月24日から連日おこなわれています。この時のテーマは「資本主義の危機」。この講義を実施しているのはAmerican University of Beirut (AUB)という名門大学です。内戦で廃墟となり一般人のアクセスが禁止されている建物で行われています。

そして日曜日の今日は、北部トリポリから南部スールまでを「人間の鎖」でつなぐパフォーマンスが行われました。テーマは「WE ARE ONE(私たちはひとつ)」。

50人程度のボランティアがオーガナイザーとなって二日ほど前から呼びかけられ、170kmをつなぎました。どのくらいの距離なの?と思った方、これくらいです。

日本のデモもこんなだったらいいのに

と、正直思いました。日本で何度かデモに参加したことがあるのですが、バナーとかコールとか古いおきまりのパターンで、真面目でちょっと暗い感じがして、なかなか続けて行きたいなあって感じにはならないんですよね。もちろん主張したいテーマの時は頑張って参加していたのですが、もっとクリエイティブにいろんなスタイルでやれたらいいのにといつも思っていました。

国民性もありますが、自分たちの過ごしたいように過ごす、真面目に学んで、でも楽しむ、こういうレバノンのスタイルが参考になるかもしれません。

さて、明日はワーキングデイですが、日常の経済活動を停止させるために、朝5時から車を出して道路を封鎖しようという呼びかけがされています。この調子だと本当にやっちゃうかもしれません。

こうしている間にも、イラクでは非常に暴力的で残忍なやり方で政府によるデモの鎮圧が行われています。犠牲になられた方のことを思い、表現の自由が保証される民主的な国がこの地域で広がることを願ってやみません。

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