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「お店で揚げた」ドーナッツの罠

某コンビニチェーンが始めた「お店で揚げたドーナッツ」が人気になっている。けれどその生地と揚げ油と中具を見てみると、加工食品そのものなんだ。日本のフード流通システムを懸念する、あるいは批判する記事のようになってしまうので、これ以上読みたくない人はここまでで。

まず生地は「ふんわり、もちっとした専用粉」であるらしいけれど、さまざまな過程で本来の小麦から栄養素を剥がし、食感を高めて日持ちがするよう工場で改良されたもの。グルテンたっぷりの精製された粉は、もはや素の小麦からは程遠い。シリアック病でない人もこれらの加工された小麦は腸内環境を崩して2型糖尿病やアルツハイマーなどの下地を作ることが科学的に報告されている。

そして揚げ油。「トランス脂肪酸を低減した」とあるけれど、低減したと言うことはそこに含まれているということ。数多くの国々でトランス脂肪酸はすでに法律で禁じられている。肝臓はトランス脂肪酸などの悪い油をプロセスできず、脂肪肝になっていく。インスリンが爆上がりして腎臓が疲弊する。シード油と呼ばれる加工された植物油(キャノーラ油、綿油、米油)はもはや食品とは言えない避けるべきものだ。

中具については。。。もう悲しい。「工場で炊いたカスタードクリーム」なんて呪われたものでしかない。

その昔、ドーナッツは家庭で作られるお菓子だった。小麦粉だって、50年前の小麦粉は今のものと全く違っていた。割烹着を着た祖母が作ってくれたのは、カリッと甘い揚げ菓子で、グルテンその他の添加物による「ふんわり、もちもち」ではなかった。

もちろんこれは筆者個人の意見なので、仕事に疲れて立ち寄ったコンビニで思わず買って食べてしまう人を非難するものではない。

しかも箱に入ってくるお菓子のように、防腐剤がふんだんに使われたものだって巷には溢れている。何もこの「揚げたて」「出来立て」を狙う商法に文句をつけるわけでもない。

でも本当に健康のことを考えて素材を選び、丁寧にお菓子作りをしている人もいるだろう。そんなお菓子が、こんな大量生産のまがいモノに押されてしまうのは残念なことだ。


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