見出し画像

変な現国授業が読解力を変えた


高校の現代国語の授業のことを今もよく覚えている。京都大学で文学を専攻した池谷先生という先生で、その授業の仕方が、これまでの授業と全く違っていたからだ。

池谷先生は、おしゃれなボウタイにジャケットというインテリな姿で、丸いアーティステックなメガネをかけた中年の先生だった。

話題をください


先生は、教科書のいくつかの段落をまず生徒に読ませる。それから「話題をください」と言うのである。

そんなディスカッション形式の授業に誰も慣れていない昭和の話だ。その高校は生野高校という進学校で、大阪府の松原市にある。
京大、東大合格率の高いことで知られている。

「急に話題と言われても。。。」と最初は戸惑っていた生徒たちも、やがて慣れてきて、著者は〇〇という技法で悲しみを伝えたかったのだ、とか、ここであえて体言止めにしているのは、こういう理由だ、などと意見を述べるようになっていく

それによってクラスがディスカッションを始めるという授業のスタイルだ。

ハークネス教育法

考えてみればこれは、アメリカの超エリートのプレップスクールである、フィリップアカデミーエクスター校の授業に似ている。

ハークネスと呼ばれるこの教育法は、ラウンドテーブルを囲んで8人ほどの生徒が色々とディスカッションして学んでいく形式だ。

参加者は自分の得意な話題であっても、自分ばかり喋らず、周りの生徒たちに話す機会を譲るという公正な態度も学んでいく。

この方法はGoogleの社員教育にも取り入れられ、多くの結果をあげている

読解力の基礎を作る


大海の中から真珠を探すように、本を読んでいくことは、今も私の基礎力となっている。自分なりに考え、自分なりに仮説を立てて読み進んでいくという力を与えられたのは、池谷先生のおかげだ。



この記事が参加している募集

サポートは株式会社スクーンジャパンおよび米国スクーン社が乳がんのNPO団体(LBBC)に寄付する資金に利用させていただきます。